「スニーカーが似合わない」も解決する「ラクで長く華奢に見える」ワイドパンツ


ワイドパンツを選ぶとき、基準にしたいのはスニーカーに合わせてもキレイを保てるデザイン性。腰位置を高く導く形や、脚を美しく見せる落ち感素材など理由のある4タイプを、それぞれ「ローテク・ボリューム・デザイン」の3種のスニーカーと合わせて検証。




基準は「スニーカーに似合う」ワイドパンツ

ワイドパンツを選ぶときに基準にしたいのは、ヒールもなく、カジュアルなラウンドトゥのスニーカーでもスタイルよく、そしてバランスよく見えるデザイン。腰位置を高く導く形や、脚を美しく見せる落ち感素材など、スニーカーにぴったり似合うタイプを厳選。


1.
縦に流れる重みを味方に「起毛素材の柔らかいパンツ」

そもそもカジュアル度の高いワイドを、ウールやベロアに更新して重厚感を。ストンと落ちるシルエットなら、やんちゃなスニーカーも大人顔。



履き心地も抜群なベロアのジャージ風パンツ

こげ茶×ベージュサイドラインベロアワイドパンツ 28,600円/PHEENY 黒キャンバススリッポンスニーカー 11,000円/VANS(VANS JAPAN カスタマーサポート) ファーショートジャケット 46,200円/ランバン オン ブルー(レリアン) 白トップス 25,300円/AMULETOI(シアン PR)


素材の適度な重みにより、シワにもならずにキレイな形をキープ。渋みのあるブラウンに対して、スニーカーのシンプルさが抜け感に。


スラックス風のスーパーハイウエスト

黒ブークレセンターシームワイドパンツ 57,200円/AKIRANAKA(ハルミ ショールーム) 赤キャンバス×スエードスニーカー 11,550円/コンバース(コンバースインフォメーションセンター) チェックステンカラーコート 8,999円/H&M(H&M カスタマーサービス) 黒ニットタンクトップ 11,550円/ルージュ・ヴィフ(ルージュ・ヴィフ ラクレ ルミネ有楽町店)


股上を深くとった程よいワイズ。センターシームが縦のシルエットを強調し、スタイルUP効果を助長。黒に合う、くすんだキレイ色のスニーカーでアクセントを。


ヒップを小さく・脚を細く見せる「股上深めのハイウエスト」

ネイビーコーデュロイタック入りワイドパンツ 53,900円/ATON(ATON AOYAMA) 白レザーハイカットスニーカー 12,100円/Reebok ブルーデニムジャケット 16,500円/リーバイス®(リーバイ・ストラウス ジャパン)


タック入りで腰まわりもすっきり。腰から下の気になる部分をカバーする、股上の深いハイウエストのワイドシルエット。すそ幅のあるテーパードシルエットはハイカットや厚底などボリューム感のあるスニーカーとも好相性。


2.
落ち感のある「とろみ素材」

つかず離れずなフォルムと適度なゆれで、華奢見えをかなえる絶妙な質感。素材のニュアンスをそこなわないために、スニーカーはモノトーンでひかえめに。



ハイウエストのスーパーワイド

アイボリーサテンワイドカーゴパンツ 28,600円/エトレトウキョウ 白レザー×ボアインソールスニーカー 41,800円/D.A.T.E.(マルティニーク ルミネ横浜) 白バンドカラーシャツ 38,500円/ロエフ(エイチ ビューティー&ユース) サングラス 48,400円/プロポデザイン ファーバッグ 31,000円/JAKKE(ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム)


細い脚線イメージさせる、余白のあるワイドパンツ。大きめのサイドポケットやすそが絞れるワークディティールも、サテン素材のおかげで無骨に見えず都会的。柔和なアイボリーの色みが、ゆれ感のある幅広シルエットを気負いなくキレイに引き上げる。


柔らかなサテン素材の艶をまとったくすみピンク

ピンクサテンタック入りワイドパンツ 37,400円/ソブ(フィルム) 黒リボンベルトスニーカー 24,200円/FOUNDRY MEWS(エディットフォー ルル) 黒ショート丈MA-1 49,500円/ティッカ(ジャーナル スタンダード ラックス 表参道店) シルバーピアス 2,700円/アビステ 手首につけたシュシュ 1,980円/ROSE BUD(ROSE BUD ルミネエスト新宿店)


色の特徴があるぶん、シルエットは太すぎない、ストレートよりもややゆるめの形を選択。


むしろ華奢に見える「幅広+落ち感のあるとろみ素材」

ライトグレードロストタックワイドパンツ 29,700円/LE PHIL(LE PHIL NEWoMan新宿店) 白ボリュームソールスニーカー 22,000円/Reebok グレークルーネックニット 25,300円/unfil フープピアス 2,420円/アネモネ(サンポークリエイト)


フレアスカートのようなシルエットは、その幅広さが生む余白のおかげで脚線を細く印象づけられる、カバー力に優れたフォルム。ぶかっとさせた腰下との対比で、上半身がきゃしゃに映る、うれしい視覚効果も見込める。ウエストのドロストの絞り具合で、腰位置の操作も簡単。




3.
目線を上げてスタイルアップ「ウエストデザインのスラックス」

センタープレスやタック入りの硬派なデザインがスニーカーと好相性。腰位置が上がるウエストのひと手間で、さらに脚長効果を期待できる。



足もとがもたついて見えない「ややフレア」のスラックス

チャコールグレーペンシルストライプベルトつきワイドパンツ 34,000円/tsuyoshi yao tokyo(ピーアールワントーキョー) ベージュ×こげ茶ラインスニーカー 19,800円/アディダス(アディダスお客様窓口) グレーえりつきスエットプルオーバー 22,000円/エトレトウキョウ レザービッグボストン 12,100円/アダム エ ロペ(ジュンカスタマーセンター)


脚線を拾わないAラインぎみのピンストライプを、ライン入りのスニーカーでクラシカルに。スエード素材もかしこまるスラックスと一緒なら、気になるほっこり感が中和され、スタイリングに欲しい重量感だけが残る好結果に。




白でキレイめな印象に仕立てたワークパンツ風

オフ白ベルトつきタック入りワイドパンツ 8,990円/MANGO ブルー配色ローカットスニーカー 12,100円/VANS(VANS JAPANカスタマーサポート) オフ白ニット×レザーコンビブルゾン 33,000円/マカフィー(トゥモローランド) ネイビーリブカットソー 13,200円/ロエフ(エイチ ビューティー&ユース)


1本でウエストマークも担うベルトつきパンツのかっちりとしたイメージと、バイカラーがやんちゃなスニーカーのギャップも楽しい。ときに膨張感も気になるワイドな白に対して、ダークカラーがベースの細身スニーカーが引き締め役として作用。




シワにならない柔らかい素材感

サスペンダーつきベージュワイドパンツ 18,700円/AKTE 黒OZGAIA Wスニーカー 12,100円/アディダス(アディダスお客様窓口) オレンジモヘア半そでニット 59,400円/AVN(コロネット) 黒縁眼鏡 24,530円/ポロ ラルフ ローレン(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス)


センタープレスやタック入りの硬派なデザイン。目線上げに一役買う黒サスペンダーをラフにたらせば、腰まわりもスッキリ。厚みのある黒スニーカーで、品よくカジュアルダウン。




4.
くびれが引き立つ「ぶかっと・キュッと」

通常のワイドよりも太めのワイズ、そしてウエストをキュッと絞ることで脚は細く、上半身も華奢見えする、メリハリのあるシルエットに。



くびれの位置からまっすぐに伸びるシルエット

黒コットンワイドパンツ 57,200円/ATON(ATON AOYAMA) 白スエードスニーカー 11,800円/NIKE SPORTSWEAR(NIKE カスタマーサービス) 茶コーデュロイテーラードジャケット 84,700円/THE NEWHOUSE(アーク インク) 白スクエアネックTシャツ 8,470円/SeaRoomlynn イエローキャップ 2,090円/原宿シカゴ(原宿シカゴ 原宿店)


やぼったいシルエットでもシャープに見えるのも黒パンツのメリット。ヴィンテージ感を強めるべく、ジャケットもコーデュロイを選択。スウッシュとキャップでリンクさせたフレッシュなイエローでほっこりしがちな服にスパイスを。




動きやすいストレッチデニム

白ツータックストレッチデニムパンツ 36,300円/hLM(ヒューエルミュージアム) シルバーインスタポンプフューリー 25,300円/Reebok ライトグレーサイドスリットロンT 23,100円/ピース(ガリャルダガランテ 青山店) シルバーレザーミニショルダーバッグ 52,800円/ミウール(ショールーム セッション)


脚線をごまかす、スーパーワイドシルエット。一見デニムに見えない、軽くて柔らかい素材感。スニーカーはもちろんのこと、春夏はぺたんこサンダルとの合わせにも重宝するオールシーズンで活躍する白パンツ。




くびれが引き立つAラインシルエット

ライトベージュウールタック入りワイドパンツ 59,400円/AMULETOI(シアン PR) オフ白キャンバススニーカー 11,000円/ムーンスター(ムーンスター カスタマーセンター) 赤ケーブルVネックカーデ 99,000円、赤ケーブルトライアングルストール 55,000円/ともにTHE NEW HOUSE(アーク インク)


上半身の華奢見えにもひと役買う、腰から足首に向けて広がるフレアシルエット。細身のキャンバススニーカーで、パンツのボリュームに抜け感を。赤ニットで目線を上げたのもスタイルUPをけん引。




5.
プロたちのリコメンド! 「ラクだけどスタイル良く見える」黒パンツ

スタイル良く見えることは大前提。穿き心地のよさ、動きやすさ、どんな靴も合わせやすく設計されたデザイン…などパンツに求める条件を満たす名品。その「選ばれている理由・選んだ理由」をブランド担当者やスタイリストたちに取材。



(CHINOH)
細部までこだわって作られた完璧な1本

ワイドパンツ 38,500円/チノ(モールド) 「股上が深めで動きやすい。だけどルーズに見えず自然と腰位置も上がって見えて、脚線もキレイに見えるハイウエスト。辛口な雰囲気が漂って、合わせるトップスがシンプルでも高感度な仕上がりに」(スタイリスト・樋口かほりさん)




(HARDY NOIR)
タックがもたらす女性らしさ

黒タックパンツ 29,700円/アルディー ノアール(アルディー ノアール/スピック&スパン ルミネ有楽町店) 「キュッとコンパクトな腰まわりから、なびくように広がるすそがメリハリを生み、自然とスタイルアップできます。スタッフの間でもリアルバイの報告多数」(プレス/田井さん) かすかに光を集める風合いの、100%ウールを使用。




(AKTE)
「細すぎない」万能なシガレットパンツ

黒シガレットパンツ 16,500円/AKTE スキニーのように脚線が浮き彫りにならず、ストレートよりもスレンダーな足首部分に少しだけゆとりを出したシルエット。「ぴったりしないスキニー感覚で穿ける、絶妙シルエット。見た目を引き締めるスレンダーな形ながら、締めつけることなく脚のラインをまっすぐに見えます」(スタイリスト・渡邊恵子さん)




(Oblada)
色も形も穿き心地もベストなデニム

黒デニムパンツ  29,920円/Oblada(シンチ) 「ルーズなサイズ感と締まったウエスト。ラクに履けて脚線をキレイに見せるカーヴィなシルエット。股上は深めながら、ハイウエストなので脚は自然に長く見えます」(スタイリスト・塚田綾子さん)




(THE SHINZONE)
どんな靴も似合う「こだわりの9分丈」

黒デニムパンツ 20,900円/THE SHINZONE(Shinzone ルミネ新宿店) 「ヒールもフラットもさまになるように計算された丈感。ウエストのフィット感と、膝からすそにかけてのテーパードがかったシルエットは、どの方向から見てもキレイ。そんな理由からも合わせやすいのでつい、スタイリングにもこのデニムを使いがち」(スタイリスト・船戸唯さん)




スタイリストが「履き続けてきた」スニーカーは?

動きまわる仕事ゆえに、スニーカーの稼働率が高いGISELeのスタイリストたちに、最近の足元事情を取材。変わらず好きな形、今したい合わせ方など、プロの視点が失敗しない選びのカギに。



【スタイリスト・樋口かほりさん】
毎号表紙も担当するGISELeの看板スタイリスト。大人に似合うカジュアルをモットーに、リアリティのあるアイテム選びの提案と肩の力を抜いて着られる、シンプルカジュアルなスタイリングは毎号多くの反響が。

スニーカーは「ボリュームのない形」が好み


フルレングスのボトムからのぞく程度の、「主役にならない」バランスが好きなので、基本ソールが薄いローテクばかり。なかでもマニッシュな雰囲気ではける、白か黒が気分。レトロなワンピースなど服と靴のテンションをズラして着たいです。(樋口かほりさん)

「モノトーンは1足必須。アディダス オリジナルズのサッカーシューズのようなデザインの1足は、黒にも白ボトムにもぴったり似合う。白のラインもアクセントに」(樋口さん)

「このComme des Garçonsの白スニーカーはムダなデザインがなく、いい意味で本当に普通。ずっと飽きもこない毎年、毎シーズン履き続けている最も頼れる1足です」(樋口さん)




「クラシック感に惹かれたリーボックの黒。ボリュームもひかえめなので大人っぽく、モードなスタイルにも似合う。個人的には太めな黒パンツと合わせたいです」(樋口さん) スニーカー 13,200円/Reebok タンまで黒でまとめたレザーにロゴはひかえめなゴールドの「クラブ シー」の新作。

「昔からずっとスタイリングでも使っているスニーカー。メンズ寄りのデザインと、モノトーンでシンプルなデザインがお気に入り」(樋口さん)




【スタイリスト・岩田槙子さん】
シンプルな中にどこかモードな雰囲気をまとったスタイリングに定評あり。身長150cm弱で服や小物選びの際はスタイルバランスを最重視。

ソールは厚くボリュームのあるタイプを

NIKEの「エア ジョーダン 6」のゴアテックス仕様のモデルが今お気に入り。とくにキャミワンピースなどヌーディな服と足元のボリュームの対比をバランスよく楽しめる1足です。(岩田槙子さん)




【スタイリスト・渡邊恵子さん】
品がいいのに親しみやすいスタイリングで人気。着心地と実用性を兼ねた着回しのきく服選びのセンスにも定評。

パンプス感覚で使える細身のデザイン

デニムやハーフパンツなどカジュアルなボトムをはくときほどスニーカー合わせに悩むことが多い。なので、ポインテッドトゥパンプス感覚でキレイめにはける、「THE ROW」の先が細い形は唯一無二の存在。白は何色のバッグでも合うので、コーディネートがしやすいです。(渡邉恵子さん)




【スタイリスト・船戸唯さん】
カジュアルなのに品よく、キレイめなのに親しみやすい、絶妙なさじ加減のコーディネートで支持を集める。私服はストレスフリーに過ごせる、ゆったりとしたシルエットが好み。

黒ボトムに合う前提のモノトーン

スマートなパンツラインをじゃましない、細身のローテク系を集めがち。汚れてもさまになるVANSや、ブーツの延長ではけるALLレザーのAsahiは、カジュアルなボトムと合わせてもエッジが効くため、辛口好きとしては欠かせない。(船戸 唯さん)




人気スタイリストに聞く「スニーカー上手の簡単な3つの基本」

突飛なコーディネートを考える、のではなく、確実にバランスが良く見えるスニーカーコーディネートの基本を人気スタイリスト・樋口かほりさんに取材。ポイントは長い丈感の服、色やテイスト、シルエットをそろえること。



1.「ワントーンの延長線上で」スニーカーを合わせる

「簡単なワントーンを利用して、スニーカーも同系色でコーディネート。スニーカーを合わせる前提なら、服はキレイめにすることでラフになりすぎず、大人っぽい仕上がりに。同じ色のトーンだとフラットに見えがちなところ「キレイめな服+ハズしのスニーカー」でテイストに差をつけることがバランスアップのポイント」(樋口さん)




2.大きな暗色コートとスニーカー

「ある意味スタイリングいらずともいえる、全身を包み込むオーバーサイズのロングコート。スニーカーと相性がいいのは、ヒザ上より短めのボトムか、長い羽織りアイテム。タイツの色みもそろえ、色もフォルムも重いトーンに徹すればだいたいのスニーカーはバランスよく仕上がります」(樋口さん)




3.黒ワンピースとカラースニーカー


「先述したコートと同じですが、ロング丈の黒ワンピースに似合わない靴はほとんどないから。色やデザイン、ボリューム感など、第一印象で惹かれたスニーカーも試しやすいと思います。ある種、黒ワンピースとスニーカーは定番的な組み合わせなので、その安心感をもとに、自分の好きな色やデザインを楽しんで」(樋口さん)