いつも「白い歯」でいるために
「しっかり歯磨きしているのに黄ばんでる…」それは何気なく行っている習慣によって、知らないうちに失われ続けているからかも。今回は、歯が黄ばんでいくメカニズムから、見落としがちなNG習慣、今日からできる正しいケアまで、各研究機関や学会、メーカーなどから集めた知見や、複数の研究データを交えてその真実を解明。(本記事は一般的な情報であり、効果には個人差があります。歯や口腔に関する悩みがある場合は、歯科医師など専門家にご相談ください)
「清潔感」の象徴が失われる理由

歯の黄ばみは顔の印象をネガティブな方向へと傾けてしまう。その主な原因のひとつは、ステインと呼ばれる「着色汚れ」。
これは知ってのとおりコーヒーや紅茶、ワイン、カレー、ワインに含まれるポリフェノールやタンニンといった色素を多く含む飲食物が、歯の表面にあるタンパク質の膜(ペリクル)と結合してこびりついたもの。また、歯の黄ばみは加齢や遺伝による歯の色の変化(内因性変色)が原因の場合も。
多くの歯学博士の見解によると「着色汚れを放置すると、その部分にさらに汚れがつきやすくなり、歯周病や口臭の原因にもなり得る」ということ。これは、錆びついた水道管にさらに錆が重なっていくようなもので、単に見た目が悪くなるだけでなく、お口の中の健康そのものを脅かしているということにも。
【意外な落とし穴】
食後の「すぐ歯磨き」習慣

とくに酸性度が高い飲食物(ジュースや炭酸飲料など)を口にした直後は、歯のエナメル質が一時的に軟らかく。この状態で歯を磨くと、エナメル質を削ってしまうリスクが高まるという意外な結果。
日本歯科医師会やアメリカ歯科医師会(ADA)は、歯の再石灰化(硬化)を待つため、食後30分~1時間ほど経ってから歯磨きをすることを推奨。着色予防のためには、食事の直後はまず水で口をすすいだり、水を飲んだりして、口の中の着色しやすい飲食物が停滞するのを防ぐことが重要。
注意が必要! 「ホワイトニングシート」

「貼るだけで歯が白くなる」とSNSでも話題のホワイトニングシート。実は日本製のシートは「ホワイトニング」には直結しないもの。
日本製シートの役割は「汚れ落とし」
日本の薬機法では、歯そのものを漂白する成分(過酸化水素など)を歯磨き粉や市販のシートに配合することは不可。そのため、日本製シートは歯の表面の着色汚れを落とすのが主な目的。
これは歯科医院での「クリーニング」と似た効果。しかしシートを長時間貼る必要があるため、着色除去が目的ならば「もっと手軽な歯磨き粉やクリーニングで十分」と多くの専門家の指摘も。市販品に使えるのは、汚れ(ステイン)を物理的・化学的に除去する成分(研磨剤、ポリリン酸ナトリウムなど)や、歯面をコーティングする成分が中心。
データや研究で実証された結果のすべて
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