「眉毛をいちばん丁寧に」人気ヘアメイクに聞いた「バランスがしっくり整う」眉メイクの方法

自身の個性を生かしつつ、清く、バランスよく組み立てれば、見るほどに惹かれるナチュラルメイクの新境地へとたどり着ける。飾り立てているわけではないのに、なんだか目を引き、印象に残る美しさの秘訣とは。ヘア&メイク・岡田知子さんが解説。



Hair&Make-up/岡田知子さん
その人自身の芯を引き出しながら、色っぽく、洗練されたバランスにまとめ上げるメイクが支持される。さまざまな媒体で活躍するほか、俳優からの指名も絶えない。



【1】眉か唇に「ひと手間加える」

「王道やコンサバティブ、または“がんばらないメイク”ともとらえられがちですが、そうじゃない。ナチュラルメイクとは、工夫次第で本人の魅力をいかようにも高められるラグジュアリーなもの。


今季でいうと、手をかけた眉メイクもトレンドのひとつ。マスカラで毛流れを整えてから、足りないところをライナーで描き足すというように、それぞれのステップをめんどうがらず、組み立てていくことが洗練につながります。ダークトーンの毛色に引き締め力があり立体的な眉は、顔全体に抑揚をもたらす最高のアクセント。


同じ理由で、血色を宿したふっくらとしたリップも、表情の引き締めに効果的。眉とリップは手数を増やし、気持ち“盛る”ことを意識してみると、間のび感やあっさり見える心配を解消でき、全体のバランスがさらによくなります」




「流れのいいアイブロウ」を締め役に

シャツ 27,500円/エイチエルエム(ヒューエルミュージアム ギンザシックス)

きちんと感のある、繊細なまぶたのグラデーション。眉を立体的に仕上げて、クールな要素を加えることで、心地よいギャップが生まれて、表情がより魅力的に。ライナーとマスカラのW使いで、完成度が劇的にアップ。




【使用したコスメ】




主役級の存在感がある「セピアベージュ」

A.ルナソル アイカラーレーションN 05 7,700円/カネボウ化粧品 輝き方の異なる4色をそなえたカラーパレット。重たくなりすぎない澄んだきらめきのオレンジブラウン。




眉尻まで思い通りに描ける0.01mmの筆先

B.サナ ニューボーン シューティングリキッドアイブロウ 01 1,100円/常盤薬品工業 お客さま相談室(サナ) コシのある筆にこだわった、リキッドタイプのアイブロウライナー。自眉となじむ細かな線が描ける。




透明ジェルでシルエットをコントロール

C.NARS ブロー シェイピングジェル 03845 3,850円/NARS JAPAN やわらかくナチュラルな見た目のまま、美しい毛流れをキープ。




湿度と温度を感じる生き生きとした血色感

D.カネボウ ルージュスターブリーズ B108 4,620円/カネボウインターナショナルDiv. しっかりとした発色のなかにやわらかさがにじむルージュ。よれ・取れ・こすれに強い、うるおい感のあるゲル膜が長時間続く。




【つけ方のポイント】

A-1をアイホール全体に、二重幅にA-2を塗る。A-3を上下のまぶたにふわりと重ね、眉骨の下までA-4を広めにレイヤード。Cのクリアマスカラで眉毛を立ち上げてから、Bで毛の隙間を適度に埋める。白シャツにつり合う端正な眉メイクをめざす場合、アイブロウペンシルよりも細い線を描けるリキッドライナーが便利。唇のフレームに沿ってDを直塗り。




【こちらもオススメ】話題の新作コスメ

少ないタッチで長時間持つ

アーティスト ブロウ ポマード 3,080円/D-Neeコスメティック 眉頭の毛はしっかり立ち上げ、眉尻は自然に流す2wayブラシ。




眉にも影にも見える「悪目立ちしない絶妙さ」

ルナソル モデリングアイブロウライナー 01 3,520円/カネボウ化粧品 自眉にも肌にも浮きにくい、赤みをしのばせたアッシュカラー。



「目元・口元の強さをきわ立たせる」コントロールカラー

A.アディクション スキンリフレクト カラーコレクター Calm Mint 3,850円/アディクション ビューティ P120・右のメイクでも使用。隠ぺい感のない自然なカバー力で、トーンを均一に整える。 B.プリズム・リーブル・スキンケアリング・コレクター グリーン 5,060円/パルファム ジバンシイ 自然由来のスキンケア成分をたっぷりと含み、ケアしながら色補整ができる。 C.ステップ1プライマー レッドネスコレクター 5,390円/メイクアップフォーエバー 保湿しながら赤みを和らげ、ファンデーションの完成度を上げる。




 【2】毛流れにリズムをつけて「ベージュのアイブロウ」

アイブロウをベージュに置きかえてマイナーチェンジ。眉の主張をおさえたぶん、毛流れにリズムをつけて立体感を出し、カラーレスな目元とリップで“もつ”ように調整。二重の線に沿わせてはね上げたアイラインがアクセント。



【使用コスメ】「つくり込まない眉」が今の気分

現在お取り扱いのない場合もございます

A.エレガンス ラズル マスカラ&アイブロウ 101 2,310円/エレガンス コスメティックス 眉にもまつ毛にも使える2WAY仕様。 

B.ディーアップ シルキーリキッドアイライナーWP マスタードブラウン 1,430円/ディー・アップ 黄みの強いブラウン。 

C.アディクション リップグロス ピュア Vanilla Break 2,750円/アディクション ビューティ モード感も漂うミルキーなベージュ。



【つけ方のポイント】


1. Aを眉毛に塗布。キレイに毛流れを整えるのではなく、毛を根元から立ち上げたあと、ブラシを左右に動かして立体感をメイク。眉に合わせて、まぶたもカラーレスで。 2. サイドから見たときに、顔が締まって見えるよう、二重の線を5mm程度延ばすイメージで、Bで大胆なはねあげラインを描く。 3. りりしく仕上げた目元に対し、リップは上品なグロスCで抜け感を。




【3】ふだんどおりの眉に「微細なラメ」

アイホールではなく眉にラメシャドウを用いる新発想で、使い慣れたコスメに鮮度を呼び込む。きらめく眉によってラフなニュアンスが加わると、黒ブチ眼鏡もかたく見えない。




【使用コスメ】至近距離でわかる些細な変化

A.アイブロウマスカラ マイクロ Cashew 3,080円/アディクション ビューティ

B.ザ アイシャドウ スパークル Tiny Ballerina 2,200円/アディクション ビューティ 淡いピンクのラメならなじみがよく、眉にのせても違和感ナシ。 

C.ミネラルルージュ ガトーベージュ 3,300円/エトヴォス




【つけ方のポイント】

アイブロウマスカラAを上下左右に動かし、眉毛一本一本をキャッチ。マスカラ液をしっかりと絡めて下準備を。指か筆にBをとり、眉にラメをさっとのせる。幼い印象に傾かないよう、ビターなブラウンリップCで総仕上げ。




コスメコンシェルジュが選ぶ「黒髪にいちばん似合うアイブロウ」

化粧品検定1級、化粧品成分検定2級、コスメコンシェルジュと、美容関係の検定を多数持つGISELe編集長。そんな美容マニアの編集長が、私的ベストコスメをご紹介。「薦めるものは自分で試してよかったものだけ」という基準をクリアした名品を、マニアックな感想・個人的な使用感とともに、熱量高くお届け。




「黒髪に似合う、やわらかいけど意思のある眉毛」

〈右〉KATE 3DアイブロウカラーZ BR-8  アッシュブラウン、〈左〉PARISBROW パーフェクトアイ&ブロウパレット 05 ベーシックブラウン/本人私物

「最初は昨夏に“#脱色級マスカラ”としてリニューアルされたKATEの眉マスカラ。まず、このBR-8のグレイッシュなカラーが好き。下のロムアンドと似ていますが、もう少しトーンが落ち着いてやや血色感を帯びているので、より毛とも肌ともなじみがいい。


脱色級とうたいながらも存在感は残せるので「意志があるけどやさしげな印象」に仕上げてくれます。さらにブラシの形状のおかげか、さらっとした液のおかげか、すっと溶かすだけでべたっとつくことなく毛の一本一本を色づけてくれるのもお気に入りのポイントです。


黒髪の自分にとって、眉アイテムは色みがとても重要。ブラックに寄りすぎても濃く見えてしまい、黄みの強いブラウン系は統一感が出しにくく浮きがち。そういう意味で、PARIBROWのパレットの新色05も、2024年11月に発売され一気に一軍入り。特に左上のカラーがこれまた絶妙なグレイッシュなカラーで最高。」




「細かいところまで簡単に描ける」セザンヌの名作

セザンヌ 超細芯アイブロウ04 ディープブラウン 550円/セザンヌ化粧品


「芯が0.9mmと他のアイブロウと比較してもとにかく細い。なので、毛の欲しいところに1本1本狙って足したり、眉尻もすっと細い線が描ける。やさしい力で濃すぎず薄すぎずのナチュラルに色づくのも好きな理由。お手頃価格のアイブロウはいろいろ試しましたが、やっぱりセザンヌに戻ってくるんです。


他カラバリの中でも、黄みが強くない濃いめブラウンの04が自分の眉毛にはしっくりきました。約500円という価格も魅力で、おそらくこれまで10本以上はリピート中!常に新品のストックを持っていないと不安になるアイテムのひとつ」


【POINT】眉毛1本1本を描きやすい0.9mmの超細芯。さらに水・汗・皮脂に強いウォータープルーフで、消えやすい眉尻側もしっかりキープ。




クールに見せたいときはこの「オリーブグレー」

スリムブロウペンシル 02 オリーブグレー 1,980円/パリブロウ

「こちらもセザンヌ同様、芯が約0.9mm。セザンヌはブラウンで少し柔らかい雰囲気に仕上がりますが、こちらはより自分の髪の毛に近い色。なのでキリっとハンサムな印象にしたいときに。ペンシルはどのブランドでもブラウン系の色展開が多くグレーがなかなかないんですよね。


やっと見つけても、ただのグレーだと肌から浮く印象でしっくりくるものがなかった中で、これは少しオリーブも混ざっているからか肌なじみがよく、まさに求めていた理想の色。普段づかいにはセザンヌ、少しクールに仕上げたい日はパリブロウと使い分けています。こちらも力をかけることなくするすると描ける。反対側にスクリューブラシもついているのも地味にうれしいポイント。昨年出会い、こちらも現在2本目に突入


【POINT】自眉毛のような繊細な仕上がりを実現する0.9mmの極細ペンシル。02はモードな印象の濃すぎないオリーブグレー。グレーでもなくブラウンでもない、絶妙な色味。




サロン専売の「アイブロウパウダー」

bdb アイブロウパウダー(上からブロンド・トープ) 各4,103円/bdb

「友人の紹介で伺った表参道の眉毛サロン“W”。ここでも使用していたbdbの眉パウダーが優秀なんです。どちらも黄みに転びすぎない色みなので黒髪さんにはオススメの色。濃いほうのTAUPEを眉尻側に、薄い方のBLONDEを眉頭側に、私は使っています。


繊細なパウダーなのに粉飛びしにくく、発色がキレイ。こちらを使用するようになってから眉毛を褒められることが多くなりました。単色売りなので欲しい色だけを買うことができ、さらに持ちもいいのでコスパ高いのもメリット」。


【POINT】ビバリーヒルズの人気ブランド「billion dollar brows」。発色が良く眉毛に色が付きやすく、自然な仕上がりにも、存在感のある仕上がりにも、自由自在。黄金比を元につくるこだわりのプロダクツで眉美人に。




夜まで眉尻が消える心配のない「ワックスタイプ」

スウィーツスウィーツ アイブロウワックス 01 アッシュブラウン 770円/シャンティ

「長丁場のロケ撮影や入稿前後など、朝から晩まで忙しくてメイク直ししている余裕がない日。パウダーだけだと夜いつのまにか眉尻が消えてしまっていた!なんてこともしばしば。そんな日に頼れるのは、こすれに強いこちらのワックスタイプ。


ワックスというともっとベタッとするのかなと思っていたのですが、パウダーよりキリっと、リキッドよりふんわりと色が乗るいいとこどりな仕上がりなんです。付属の細いブラシを使うと、シュッとしたラインがかけるので、絶対に消えてほしくない眉尻だけに使用しています。約700円くらいとこちらも良心的な価格が魅力。インスタで発見して購入後、ずっとスタメン入り」


【POINT】肌にのせるとパウダリーな質感に変わり、自然な仕上がりに。ワックス特有のフィックス力で、毛流れまで整えてくれる。汗・水・皮脂・こすれに強く、テクニックいらずで、キレイな眉毛をキープ。




あるとないとでは段違い「眉まわり専用コンシーラー」

アイゾーンスティックコンシーラー 01 ライトベージュ 2,200円/パリブロウ

「全体をパウダーやペンシルで眉を仕上げた後、こちらのコンシーラーで形を縁取り、なじませるだけ。眉まわりの余計な産毛や影、赤みなどを消し去り、輪郭がぼやけることなくくっきりと整えてくれます。


ファンデはいつも明るめな色を選ぶ私でも、01のライトベージュは肌から浮くことなく使いやすいです。コンシーラーをブラシにつける手間がないため、直接塗れて手軽なスティックタイプも魅力的」


【POINT】幅広の扁平芯で眉や目まわりなどを凹凸のある箇所にもフィットするスティックタイプ。また色ムラカバーも可能。眉の形がくっきりと浮かび上がり、凛とした印象に。




いろいろ試した後にたどり着いた「固まらないクリアマスカラ」

RMK クリア アイブロウ ジェル 3,520円/RMK

「以前にヘアメイクさんから、『毛がしっかりあるから、眉マスカラで毛を立たせてあげると立体感が出ていいよ』と聞いてから眉マスカラが気になっていて。とはいえパリパリ固まったりぺったりとしてしまったりするのは嫌だな…と思い、探していたところ、出会ったのがRMKの眉マスカラ。


もともと評判が良いのは知っていたのですが買うチャンスがなく、半年ほど前にリニューアルしたタイミングでGET。クリアタイプなので地の毛を活かしつつ、しっかり立たせて毛流れをメイク。ホールド力はありながら、懸念していたパリパリ感はなく、いたって自然な仕上がり。


パリブロウのコンシーラーとセットで使えば、眉の存在感が高まり“ナチュラルなのに意思のある眉”が完成します」


【POINT】さらりと軽いうウォータリーなクリアジェル。眉本来の質感はそのまま、立体感を際立たせてくれる。さらにペンシルやパウダーでベースを描いた眉も美しくコート。




黒眉もしっかり染まる「絶妙眉マスカラ」

ロムアンド ハンオールブロウカラ 02 MILD WOODY 1,210円/韓国高麗人蔘社

「キリっとした眉毛が私の定番ですが、やわらかなモヘア系のニットに合わせてやさしい印象にしたいときは、少し眉色を明るくして存在感をなくし、柔らかさを出すのにも最近ハマっています。とはいえ前述したとおり、これまでアイブロウマスカラはあまり使ってこなかったので、肌についてしまったり、ムラになってしまったりと苦戦中。そんな初心者の私でも使いやすいと思ったのはロムアンドの眉マスカラ。


YouTubeやインスタなどの比較系の投稿などを見あさって、オススメのコメントが多かったので年末に購入したばかりの新入りです。数回往復させるだけでしっかり毛がある私の眉でも全体が染まってくれる。ブラシの長さがちょうどいいのか根本から染まるのに地肌につくこともない。


ちなみにこれを使うときは、スナイデルのアイブロウ ペンシル&パウダーの01が個人的には相性抜群だと思っています。他の色も試してみたいです!」


【POINT】ひと塗りで、まるでブリーチしたようなニュアンス眉カラーへとチェンジ。ダマにならず均一にフィットし、マットな仕上がりで自眉になじむ処方。02は黄味をおさえたナチュラルカラー。




凛々しい眉毛づくりに欠かせないブラシはこの2つ

〈上〉アンシブラシ『眉毛苦手族の為のアイブロウブラシ』ebony27、〈中央〉アディクションアイブロウブラシ 02

「一番上のアンシブラシは韓国のブラシブランド。新大久保のお店で購入しました。『眉毛苦手族の為のアイブロウブラシ』という名前がついているのですが、その名の通りとにかく薄くて細いのでしゅっとした眉尻が簡単にかける。やわらかなイタチ毛で粉含みもいいので、パウダーが少量でもしっかり色が乗ります。柄が長く、短い付属のブラシを使うよりも安定感があるためキレイなラインを描くのに欠かせません。


全体に使っているのは中央のアディクション。太くて毛がしっかり密集してコシがあるため、眉全体に一気に色をのせるのにちょうどいいんです。薄い色のパウダーでもしっかり発色してくれます。全体に乗せるブラシに関しては、毛がやわらかすぎると個人的にはぼんやりしてしまうので、きりっとさせたい私にはこれくらいの硬さが好み。


ちなみに、眉頭に関しては、個人的にはアイブロウブラシよりも、幅広のアイシャドウブラシ〈下・ブランド忘れてしまいましたが…〉を使う方がよりふんわりと乗るのでオススメです」