見た目のよさ、過ごしやすいこと、靴との相性など。自身のスタイルを確立するうえで軸となるのはトップスよりもボトム。どんな予定やシチュエーションにもパーフェクトに立ち回ってくれる、バランス感覚に優れた新しいパンツの精鋭をご紹介。
「着回しが続いていく」5つのパンツ
服を選ぶその前に。まずはパンツにそなわる利点を見つめ直すところからスタート。思わず手にとってしまうその理由がわかれば、「毎日パンツ」だって悪くない。
【1】楽に穿けてキレイなカーゴパンツ
1本あると便利な、柔らかなサテン素材のボトムを、カジュアルなカーゴパンツで投入。キレイめなサテンとラフなミリタリーテイストが相まって、カジュアルとキレイを両得。
サテンをあえてメンズライクな形で
ライトグレーカーゴパンツ 29,700円／アルアバイル すそのドロストでストレートにもテーパードにも変化。ウエスト位置は高めでゆったりとした形だから、ラクして自動的にスタイルUP。
質感だけでなく配色もまろやかに
カーゴパンツは着回し。白シャツ 48,400円／アキラナカ（ハルミ ショールーム） サムリングサンダル 10,780円／ル タロン（ル タロン 有楽町マルイ店） ゴールドリング 20,350円／SOKO（ZUTTOHOLIC） 白バニティバッグ 5,990円／ZARA（ザラ カスタマーサービス） 光でゆらめくサテンの上質なツヤが入ることで、とろみパンツにさらなる躍動感が誕生。
【2】「スキニー未満」の黒パンツ
通常のスラックスよりも細めで、スキニーよりもゆるめな絶妙シルエット。合わせる服を選ばず着回せて、スタイルも良く見える頼れる存在に。
脚線を拾わない細身シルエット
黒シガレットパンツ 16,500円／AKTE 見た目を引き締めるスレンダーな形ながら、締めつけることなく脚のラインをまっすぐ補整。センタープレス入り。
カジュアルなロゴＴも洗練された印象に
黒シガレットパンツは着回し。 リネンジャケット 41,800円／バビロン（バビロン新宿） リバーシブルロゴTシャツ 19,800円／セント ジョンズ サード クラブ（アマン） 黒ポインテッドトゥパンプス 57,200円／ネブローニ 眼鏡45,100円／Oliver Peoples（ルックスオティカジャパンカスタマーサービス） 黒ベルト11,000円／オウレンティ（ジャーナルスタンダード自由が丘店） 黒ラフィアバッグ44,000円／メゾンエヌアッシュパリス（フレームワークルミネ新宿店） ロゴのラフさと、相反する細身パンツのきちんと感がマッチ。
【3】フェミニンな「ミニのワイド」ショートパンツ
ミニ丈でもスカートほど気を使わず、くびれも強調されてメリハリのあるシルエットに。直球な女っぽさはちょっと気恥ずかしい、そんな思いに寄り添えるのもショートパンツの魅力。
体型カバーにも効くすそ広がり
ベージュリネンハーフパンツ 39,600円／ebure（ebure GINZA SIX 店） 横幅を広めにとりつつ、ももを隠すことでほっそりとした脚を演出。ツヤを感じる風合いで、キレイめに装いたい日にも最適。
タックインしてベルトもＯＮ。ウエストマークで脚長もねらう
ベージュリネンハーフパンツは着回し。リバーシブルロゴTシャツ 19,800円／セント ジョンズ サード クラブ（アマン） ブルーデニムジャケット 14,300円／リーバイス®（リーバイ・ストラウス ジャパン） スニーカー 11,000円／Reebok 黒ガチャベルト 3,960円／トーマスベンツ（ユー バイ スピック＆スパン ルミネ池袋店） Ｇジャンにスニーカーでも、ミニのおかげでカジュアルというよりヘルシーな仕上がり。タックインすることで生まれる立体感で、重心をさらに高く目くらまし。
【4】「スタイル良く見える」チノパンツ
動作をじゃましないことに加えて、ヒールの高さにも左右されにくい設計。デニム以上にきちんと見えるから、どんな予定にもフィット。
くびれたワイドで女らしさも
ベージュタックワイドパンツ 38,500円／ソブ（フィルム） デニムと並ぶ定番ながら、今人気再燃のチノ。ツータックでハリのある素材の腰まわりをすっきりと。
動きやすさ重視の日はオシャレ好きなメンズのように
ベージュタックワイドパンツは着回し。白シャツ 48,400円／アキラナカ（ハルミ ショールーム） 白リブタンクトップ 15,400円／コキュカ（ザ ストア バイシー 代官山店） スニーカー 11,000円／Reebok 白キャップ 7,920円／シップス ナインケース（シップス インフォメーションセンター） 白ベルト 7,840円／EVCON（1LDK apartments.） ブルーソックス 1,100円／タビオ バッグ 16,500円／ソリッドアンドストロング バッグ ストア 完成度を上げる足首からのぞくカラーソックスの小さなこだわり。
ワンピ＋足元にはヒール。同じチノでレディにも
ベージュタックワイドパンツは着回し。黒キャミソールワンピース 41,800円／フォエミナ（ノーブル 有楽町マルイ店） 黒ポインテッドトゥパンプス 57,200円／ネブローニ ブラウンストール 29,700円／アソースメレ（ハウス オブ ロータス） チェーンつきバッグ 47,300円／ペリーコ（アマン） パンプスのきゃしゃさを引き立てる、チノのワイドなシルエット。キャミワンピのドレス感をなごませる役割も。
【5】「着回しのきく」美シルエットなストライプ柄
絵になる迫力が得られるワイドシルエット。そのうえ、さらに柄の力を借りれば、トップスがシンプルでも十分。
太めストライプならモードにも
ストライプハイウエストパンツ 49,500円／チノ（モールド） きちんと感のある形とは裏腹に、着心地はラクなのもいいところ。一見強気な柄は、色で選んで愛嬌よく。折り返してはけるスーパーハイウエストのサマーウール地。
さわやかなストライプ柄で＋シックな黒トップスも軽快に
ストライプハイウエストパンツは着回し。黒カットオフロンＴ 12,100円／takes.（Shinzone ルミネ新宿店） ブルーデニムジャケット 14,300円／リーバイス®（リーバイ・ストラウス ジャパン） サムリングサンダル 10,780円／ル タロン（ル タロン 有楽町マルイ店） ゴールドピアス9,900円／Ettika（ZUTTOHOLIC） ベージュショルダーバッグ26,950円／YAHK（I ヤーキオンラインストア） 黒ヘアバンド／スタイリスト私物 パンツなら辛口でスマートな仕上がりを約束してくれるから、柄も大人な仕上がりに。
柄ボトムの選び方・上手な着回し方
柄の服も見た目の可愛さだけでなく、せっかくなら組み合わせのパターンが多いほうがいい。そんな実用性にも優れた長所がある柄の服の選び方・着回し方は？
【1】
花柄が大人びる「光沢感のあるシルクパンツ」
白花柄ワイドパンツ 55,000円／キャバン（キャバン 丸の内店） シルク100％の美しい光沢とドレープ感。柄が細かいと若くなりがちなため、大きめが理想的。オン/オフを問わず、装いに華やかさを加える花柄。応用がきくモノトーンベースのボトムで、素材に光沢感をそなえたものが洗練度に寄与。
タイトな黒で「さらに大人っぽく」
花柄パンツは着まわし。黒リブニットトップス 25,300円／någonstans レザーバッグ 68,200円／フランツロアー（デ・プレ） パンプス 11,900円／MANGO
黒のリブニット。とことんシンプルなデザインながら、生地の厚さとマットな質感で薄手のサテンパンツに陰影をつけ、いっそう大人な深みを演出。小物もレザーをチョイスして、よりレディなムードに。
ベージュジャケットで「ワークシーンにも」
花柄パンツは着まわし。ベージュジャケット 64,900円／デ・プレ 白ショートリブタンク 8,360円／ジャーナル スタンダード（ジャーナル スタンダード 自由が丘店） バッグ 15,950円／MADE IN MADA（ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム） サンダル 24,200円／TODAYFUL（Life’s 代官山店）
テーラードジャケットで上品に寄せるぶん、インナーは白のタンクトップでヘルシー＆カジュアルに。アイボリーよりの真っ白すぎない白のパンツに合わせて、ジャケットやサンダル、バッグも茶系でそれとなく色調を統一すれば、柄アイテムもまとまりよく。
上下を柄でそろえて「華のあるリラックス感」
花柄パンツは着まわし。白花柄ワイドシャツ 49,500円／キャバン（キャバン 丸の内店） 手に持ったカーディガン 8,990円／MANGO 眼鏡 47,300円／アヤメ ショルダーつきバッグ 24,750円／ヤーキ（ヤーキ オンラインストア） ミュール 31,900円／PIPPICHIC（ベイジュ）
ワンピースのようにセットアップで。印象がリゾートに傾きすぎないよう、はおりものや小物はきちんとした印象のものをチョイス。
【2】
落ち着いた色・形のドット柄スカート
白＋黒ドットサテンスカート 12,100円／SeaRoomlynn すそ幅が広がったマーメイドライン。シワになりにくく光沢のあるサテン地。さわやかさをもたらすドットにおいても、細かい柄だとやや幼い印象に。強さにつながる存在感を得られる大きめな粒＋ピッチも広めのタイプをセレクト。
センシュアルな透け感を「好感度高く」
ドットスカートは着まわし。黒シアーニットトップス 27,500円／ゲミニー（ウィム ガゼット ルミネ新宿店） 中に着たキャミソール 16,500円、スニーカー 35,200円／ともにグラフペーパー（グラフペーパー 東京） バッグ 14,300円／TODAYFUL（Life’s 代官山店）
黒シアートップスの緊張感をほぐして品のいいかわいげを。さらに小物も黒でミニマルにまとめる中でスニーカーを採用し、単調にならないようリズムづけ。
甘めなカラーを「沈ませずに大人っぽく」
ドットスカートは着まわし。ピンクスウェット 4,048円／ユナイテッドアスレ（キャブ） サングラス 25,300円／RHC（RHC ロンハーマン） バッグ 64,900円／マーレット（LITTLE LEAGUE Inc.） パンプス 22,000円／メゾンスペシャル（メゾンスペシャル 青山店）
スウェットはタックインしつつ、そでをロールアップしてゆるさをオフ。パンプスやサングラスにもピンクをリフレインして、より垢抜けた印象に。
とろみシャツで「クラシカルかつモードな表情に」
ドットスカートは着まわし。ブラウンワイドシャツ 22,000円／TODAYFUL（Life’s 代官山店） バッグ 14,300円／PHEENY パンプス 13,590円／ZARA（ザラ カスタマーサービス）
ヴィンテージ加工をほどこしたオーバーサイズぎみのとろみシャツは、それ単体ではストイックな印象が強め。ドットスカートにタックアウトしてリラクシーに合わせることで、親しみやすさと洗練さが加わりバランスが整う。
「柄の選びで失敗しない」4つのルール
ともすると派手さも気になる、柄アイテムを攻略する方法。「ほどよさ」のあるスタイリングで人気のGISELeスタイリスト・樋口かほりさんに、シンプル服とも調和する柄の選び方と、組み合わせ方を聞き込み。
【スタイリスト・樋口かほりさん】
毎号表紙も担当するGISELeスタイリスト。大人に似合うカジュアルをモットーに、リアリティのあるアイテム選びの提案と肩の力を抜いて着られる、シンプルカジュアルなスタイリングは毎号多くの反響が。
1.【花柄】
白か黒をベースカラーに
「花柄というだけで甘さがしっかりとあるので、ベースの色はシャープに見えるものがベター。なかでも見慣れたモノトーンだと、すでにある手持ちのアイテムとも合わせやすいうえ、洗練された印象になります」（樋口さん）
スカートで
スエットを上から重ねたワントーンで柄のインパクトを分散
「総柄だけど形はシンプルだからレイヤードもしやすいマキシワンピ。コットンなど、ラフな素材ならスエットやデニムにも合わせやすくて簡単。発色のよさも手伝って、辛口派にもとり入れやすい甘さに」（樋口さん）
ワンピースで
ブルーデニムとヴィンテージ柄ドレス
「ブルーデニムと白いTシャツ、のように思い浮かぶ組み合わせが多いブルーデニム。その１つとしてとり入れたいのが、ヴィンテージライクな花柄のワンピース。冷静さを保てるモノトーンベースと、デニムを重ねるひと手間。その２つを押さえれば、ガーリーなドレスも味わい深く」（樋口さん）
2.【ストライプ】
ゆるめな形で細めのピッチ
「ジャケットや美形なパンツなど、キレイめなアイテムを着たいときの、品のいいハズしとして使えるストライプ柄。柄に知性があるぶんシルエットでゆるさを意識すると、まじめすぎずラフすぎず、ほどよい存在感に落ち着きます」（樋口さん）
ショートパンツで
配色も丈も涼しげなパンツで黒の長そでに季節感を投影
「さわやかさを満喫できる、白×ブルー配色。幼くなりかねないアイテムだから、シックな黒とゴールドが効いたアクセがわりのバッグでエレガントな要素を加算」（樋口さん）
ワイドパンツで
配色も素材も心地のいいパンツでジャケットを気負わず仕上げる
「色によっては強くもなりかねないストライプを、春めいたやさしいペールカラーで脱力。さらりとした薄手の生地とワイドなシルエットも手伝い、正統派なジャケットでもリラックス」（樋口さん）
3.【ドット柄】
落ち着きのある色とリラックスシルエットを選ぶ
「クラシカルな雰囲気が長所のドットですが、花柄同様それ自体に甘さがあるので、合わせにも迷わないシックな色が入ったものを選ぶのが賢明。柔らかさのある素材、ややゆとりを持たせたシルエットでレディな柄に抜け感を」（樋口さん）
ブラウスで
レディな装いでモノトーンの硬派なイメージをやさしく塗りかえ
「柄の面積を狭めつつ、フラットなおなかまわりとの対比でブラウスのやわらかさが生きる、ハイウエストなパンツ合わせ。つまった首元も相まって、ポップな柄も気品のある印象に」（樋口さん）
ビターな色味のブラウンで
ブラウンの渋さでかわいいドットを親しみやすく
「わずかなティアード＆ドットのアクセントでメリハリのついたマキシを堂々と1枚で。ハンサムだけど強く見えないビターなブラウン小物で、甘さを引き締めつつもやさしげに」（樋口さん）
4.【リゾート柄】
柔らかく「しっとりとした素材で」
「質感的にはニットのように、やわらかく、上質な風合いに動きをつけることで生まれる女らしさが、リゾート柄を都会っぽく見せてくれます。シャツならどんなにくずしてもきちんと感が残るので、バランスもとりやすいはず」（樋口さん）
メンズライクな装いに映えるデコルテで柄をセンシュアルに解釈
「シルクならではのしっとり感とリュクスなツヤが、ニュアンスをつけたシャツにさらなる奥行きを演出。締まる黒ベースなら、いっそう上品」（樋口さん）