「気分はデザインの効いたマイルドカラー」スタイリストが買った「派手に見えない映えるニット」

GISELeスタイリストが今、リアルに欲しいニットを調査。さらに、私物ニットから欠かせない相棒、インスピレーション源まで、ニット周辺の個人的こだわりにもせまります。 ※商品クレジットのないものはすべて本人私物です。



スタイリスト・塚田綾子さん
「定番は1枚で映えるひとクセニット」

大人でも使いやすい遊び心ある小物を生かした、キャッチーなコーディネートが得意。夏からの“チョーカー”ブームは継続中で、ニットの首元にも添えたいそう。

□「かわいいと思ったものを直感でとり入れる」
□「気分の服だけ着たいから常に新鮮なワードローブ」
□「首まわりまで彩ってくれるデザイン性」

「ショッピング中もあまり悩むことがなく、直感を頼りに選んでいます。首まわりまでおおうデザインのほうが、華奢な体型をカバーしてくれることもあり、ネックラインは自然とつまったものが多めに。デザイン性の高いアイテムに惹かれるものの、気分が変わりやすいため、フリマなどを活用しながら服を循環。ワードローブは気分のものだけで満たされています」(塚田さん)



「グレーをワントーンで着たい」

えりつきニット 44,000円/ジェーン スミス(ジョン メイソン スミス ジェーン スミス ストア) 「色物→白黒→マイルドカラーへと気分が移行中。グレーのワントーンスタイルがしたくてセレクトしました」(塚田さん)



「ボリュームニットはノースリで」

ピンクニット 42,900円/ハクジ(ショールーム リンクス)「潔く1枚で着たいベスト。ローゲージのボリューム感があれば、ノースリーブでも寒々しく見えない。ブルーデニムと合わせて淡いスタイリングにしたい」(塚田さん)




「白だけど個性派な凹凸」

白ニット 22,000円/NKNIT 「色も形もベーシックなので、派手さは感じないけど見た目に楽しいニット。トップスにこのようなデザイン性が高めのアイテムをとり入れることを前提に、ボトムはシンプル派です」(塚田さん)



毛足長めのふわふわスカート

「“ReNAVE”の展示会でシャギースカートをオーダー。形はベーシックながら、素材に特徴のあるアイテムが気になっています。ほかのブランドではアニマル柄のファージャケットやシルクのシャツを」(塚田さん)



自分の中の「定番ニット」

「〈右〉コルセット風に腰に巻いてもオシャレなビスチェ。〈中〉アシンメトリーなベストがお気に入りのアンサンブル。〈左〉そでがインパクト大。背中のホールを使ってボレロのようにアレンジも。」(塚田さん)




アクセ感覚で「太リブと肌感をON」

「白黒だった夏から一転、この冬はマイルドカラーに注目」

ビスチェ 25,300円/THIRD MAGAZINE ベージュジャケット 31,900円、スカート 17,930円/ともにSeaRoomlynn ソックス 759円/チュチュアンナ バッグ 36,450円/ケンブリッジ サッチェル(エスピービー) ローファー 37,400円/G.H.
BASS(G.H.BASS TOKYO)

「アクセサリーやバッグなどの小物好きなので、アクセ的に着られるビスチェは私服でもよく着るアイテム。厚手のリブなのでニットだけど体型をひろいにくいのもうれしい」(塚田さん)




スタイリスト・岩田槙子さん
「着方を広げず惹かれるカラー」

女らしさとモード感をMIXしたキレイめスタイルに定評あり。数多くのモノトーン企画を担当してきた一方で、自身はヴィンテージライクな柄物をとり入れたスタイリングも大好き。

□似ている形でも「細部でバリエーション」
□今季は「ボリューミィなざっくり編み」が気になる
□指先までニットのことを考えたトータルバランス

「全体のシルエットや首元に着目して選ぶことが多いけど、特定のテイストにしぼって見定めていないため、キレイめのVネックもあれば、ルーズな色物も好きで、幅広く着ているほうかもしれません。着方のバリエーションを持たせようとせず、お気に入りのポイントを見つけたら、その特長を生かした着方をずっと楽しむ派。最近はぽってりした丸い形に目が行きます。」(岩田さん)



冷たくない寒色

ブルーベリーセーター 64,900円/SAYAKA DAVIS(ショールーム セッション) 「冬らしいニュアンスのあるニットであえての寒色が新鮮。ブラウンとの合わせがイチオシです」(岩田さん)



ルーズに着る用のベビーピンク

「首、そで、すそのすべてがルーズな落ち感シルエットに惹かれたピンクのニット。もちもちしたさわり心地で気分もなごむ。すっきりした細身のパンツに合わせてはいています。」(岩田さん)



コンパクトなポロとV

「〈右〉ボタンをとめて1枚で着たときのVネックがキレイで、2色買いしたカーディガン。〈左〉ポロニットが好きで目にとまりがち。これはウールっぽさがなくシーズンレスで使いやすい。」(岩田さん)



派手じゃないカラフル

「正統派から個性派までをざっくり編みで網羅」

マルチカラーニット 83,600円/LES TRICOTS D’O(THIRD MAGAZINE) 白ウールパンツ 39,600円/ロンハーマン ベージュバッグ 118,800円/NUMERO10(ジャーナル スタンダード ラックス 表参道店) ベージュブーツ 41,800円/TSURU By MARIKO OIKAWA


「1色1色は目立つ色が使われているけど、混ざり合うことで中和されて逆に使いやすい。ニットのやわらかなグラデーションを生かし、全アイテムをマイルドカラーでまとめるのが気分」(岩田さん)




ニットを着る日の服以外

ニット特有のやわらかい質感を生かす、小物やコスメ、フレグランス。参考にしているアイコンや映画のワンシーンなど。ニットを着るのが楽しくなる、服以外のトピックスをスタイリストたちに聞き込み。



【取材した人】 スタイリスト・渡邊恵子さん 上品な中にも親しみやすさのある絶妙なさじ加減と、実用性もふまえた提案に支持が集まる。 スタイリスト・塚田綾子さん 大人でも使いやすい遊び心ある小物を生かした、キャッチーなコーディネートが得意。 スタイリスト・塚田綾子さん 大人でも使いやすい遊び心ある小物を生かした、キャッチーなコーディネートが得意。




〈MORE ESSENTIALS〉
参考にしているイットガールズ

「ブルスタイン姉妹から日々発信されるキャッチーなスタイルがタイプ。奇抜ではないけれどスパイスの効いたカジュアルスタイルは、GISELe読者にもハマりそう。身長が高くないので、リアルに参考になります。」(塚田さん)



洋画や海外ブランドのルック

「映画『スウィート・ノベンバー』の主人公の、ニットトップスにニットストールの合わせが新鮮なレトロ感。海外ブランド“J.Crew”や“babaà”はニットの見せ方が秀逸で、SNSを日々チェック。」(岩田さん)



ぽってりアクセとシアーなネイル

「ニットの地厚なぽってり感に、同じくぽってりとしたアクセサリーを重ねた見た目が好き。反対にネイルは深い色でもシアー感のあるグラデーションにして、少し軽さを足しています。」(岩田さん)




ニットに合わせて香りとネイルも衣がえ

「“Maison Margiela”の真冬の暖炉をイメージしたオードトワレと、“CHANEL”のネイル。この企画でニットを引っぱり出す中で、思い立って黒を追加。ニットの風合いに黒のツヤがかわいい。」(渡邉さん)



つけるリップは青みピンク

「リップなら大人でも少し攻めたピンクに挑戦でき、冬の装いを華やかに。〈右〉「セルヴォーク」は荒れにくさも冬向き。〈左〉「ラ ブーシュ ルージュ」はケースも含め気分が高揚するプラム。」(塚田さん)



服を選ばないツヤのみのネイル

「ニットに合わせてネイルも変えられたら理想的ですが、なかなか時間がとれないときにはツヤだけでもキレイ。ニットのそで口でマットな印象になる手元に光沢感を与えてくれます。」(塚田さん)



ニットの表情を変えるヘアの質感

「海からあがったようなヘルシーなドライヘアを演出する“サーフスプレー”と、女性らしいツヤを与える“ユナイテッドアローズ”のヘアオイル。同じニットでもニュアンスが違って見えます。」(渡邉さん) ふんわりと軽やかな仕上がりのサーフスプレーはココナッツの香り。ヘアオイルはマンダリンやネロリといった柑橘系の香りで、重衣料をまとっても気分は軽やか。



さし役としてのニットバッグ

白ニットバッグ 36,300円/カラコラム アクセサリーズ(ロンハーマン) 「ニットを着なくても足せるあたたかみ。長めのショルダーで、コートの上からでも肩かけしやすい」(岩田さん)




足元で差のつくふわふわ

シャギーソックス 各1,200円/バナナ・リパブリック 「小さいながらも長めの毛足で存在感のある靴下は、すそからのぞかせるだけでスタイリングに抜けが出ます」(渡邉さん)