アウターを着るほどではないけれど、何かに包まれていたいこの時季。厚手ニットにかけても暑苦しくならず、さっとまとえるストールは、あたたかなこの冬を支える要。コート不要で成り立つ、選び方とアレンジ術を検証。
スタイリスト的「ストール逆引き辞典」
今年らしさや着こなしの幅を引き出す新たなキーワードから、とり入れるメリットや使い方をスタイリスト・船戸 唯さんが指南。選び方のコツなど、プロならではの視点に注目!
【PROFILE】(スタイリスト・船戸 唯さん) カジュアルなのに品よく、キレイめなのに親しみやすい、絶妙なさじ加減のコーディネートで支持を集める。
「部分的にダウンの重み」
6,996円/MOUSSY(バロックジャパンリミテッド) ボリュームがとけ込みやすい、ニュアンスカラーを選ぶと、合わせのバリエーションが広がる。
「冬に恋しくなるダウン素材は、首まわりだけで楽しむのも手。身軽なのにあたたかく、立体感のおかげで、テクいらずでさまになる」(船戸さん)
「色をそろえてスヌードとジャケット」
ジャケット 26,400円、スヌード 8,800円/ともにスローン(ザ ショップ スローン 新静岡セノバ店) やや起毛感のあるポコポコとした生地が、顔をやさしく包み込む。
「首をおおうだけで十分暖かい日こそ、スヌードにトライ。軽アウターとのセットが増えていて、タートル感覚で着られるのも高ポイント」(船戸さん)
「試したい色でバイカラー」
59,400円/アソース メレ(アイネックス) ネイビーと濃厚なピンクのバイカラー。ベーシックカラーはもちろん、ネイビーの面積次第で同系色のペールカラーに合わせても。
「巻き方によって面積を調整しやすいバイカラーなら、着てみたかった色も身近に。落ち着いたダークトーンとのかけ合わせがオススメ」(船戸さん)
「ただ巻くだけじゃない」服の印象が変わる使い方
防寒という意味でも、また変わり映えしない見た目に変化が欲しいときにも便利なストール。手っ取り早くそんな希望をかなえるデザインに進化を遂げたタイプや、巻き方で差がつく使い方のテクニックをご紹介。
長いピンクでグレーをしゃんと
ゆるやかなワンピースの縦のラインに沿うように、ロングマフラーをON。グレーとピンクのテンションが異なる色の組み合わせで、ルーズな装いにメリハリを。
タートルネック以上のボリューム感
コンパクトなトップスにぐるぐる巻きして小顔効果も。上質なカシミヤ100%だから肌に触れたときも心地よく、しっとりとした気品のある風合いによってボーダートップスの格上げがかなう。
同色合わせでシンプルなニットをシンプル以上に
グレーのニットならメタリックのシルバーも同トーンで合わせやすい。主役を張れるスカートでベーシックなニットをドレスアップさせながら、ストールでボリューム感のバランスもつりあう。
着るよりたやすい「巻く」ネオンカラー
大判だから出せるボリューム感で、埋もれるようなフォルムを形成。ネオンとネイビーの強い配色も、ニットどうしだからマイルド。
コートの上から羽織っていつものコートの見違えを
アレンジの幅も広いから、配色の幅も広く着こなしを上品に見せてくれるグレイッシュなベージュを選択。ストールは薄手でも保温性の高いカシミヤ。コートのベルトを上から巻いてさらに一体感を。
ワンピのボリュームを生かして「着ない」ダウンストール
たっぷりしたスリーブデザインや、地面につくようなマキシ丈のニットワンピース。このビッグシルエットと相性のいい、ダウンストールもポイント。軽量でやわらかい羽毛だから、引っかけても肩が凝ることなくノンストレス。グレーニットに即なじむ、くもり空のような発色のブルーは、服の色みを選ばない利点もあり。
しなやかさを加えるために
つつましくきちんとした装いにやわらかさをおぎなうためにストールを肩がけ。きちっとした組み合わせのテンションをくずさず、重くも見えない黒が選びどころ。
セーターとデニムを盛り上げる
オレンジとリジッドのヴィンテージ感を盛り上げるために、ストールアレンジというひと手間を。ニットはなめらかな素材感の上質なウールを使用。
静かなふわふわと華やぐふわふわ
黒シャギーニットと黒ニットワンピースのレイヤードスタイル。ぐるっと巻いた肉厚なストールで、他に装飾はなくとも、存在感を発揮。ストールは肌あたりのいい、密度が高くなめらかなエコファー素材。
ベーシックカラーに浮かない差し方
ベージュとだと意外になじむ高発色なイエロー。先端を後ろに隠して迫力を中和。落ち着いたベージュに浮かない範囲で印象を変える色のとり入れ方。