「手間なく凝って見える」テクニックがひそむ1枚系
重厚感のあるコートに手を伸ばすにはまだ早いこの時季に映える、妥協のないワンピースを徹底リサーチ。重ね着もしやすいシンプルをベースに、新鮮味と着映えとスタイルアップのすべてがかなう8タイプを着方のアイディアとともにスナップ!
シンプルな形でも深みが出せる「質感だけでクラシック」

小物で飾らずともベロアの質感で品性をキープ
深いVをともなった美形なIラインドレスは、素材をベロアに置きかえることでクラシカルな深みを加えて。光の角度によって表情が変わるネイビーがシック。Vネックにインナーを仕込まず、鎖骨を飾りにする算段。ワンピースのすそとショートブーツの間から肌を見せ、ドレッシーすぎを回避。
ラクな形をそうとは見せない「硬派なリブネック」

たゆたうドレスを強調するオール黒で統一
ストンと落ちる黒ワンピースのえりを、ブルゾン風のディテールでアップデート。身ごろに幅を持たせたボックスフォルムが、二の腕を華奢に見せてくれる効果も。
重ねなくても重ねた風「計算ずくのレイヤード」

特徴はワンピースに託してほかはミニマルを追求
ルーズなニットからヒラつくサテンスカートが、こなれ感につながるニュアンスをメイク。一見スエットのようなニットにはラメが仕込まれ、ほのかにきらめくさまも魅力的。強気なサングラスとつっかけ風のビーサンでキレイめにまとめない。少量の黒で引き締まりモードにシフト。
甘さと辛さを半分ずつ「シャカシャカとしたフリル」

フラットなローファーで心地よくドレスダウン
フリル見えする構築的なタックスリーブを、スポーティなナイロンで表現した糖度をおさえる好バランス。強気な赤でまとっても、質感のおかげでほどよくカジュアル。レディを象徴するドレスに相対した、メンズなローファーを無造作に。なじみのいいブラウンをセレクトすることで、赤の発色を落ち着かせて。
ねらってる感のないセンシュアル「肌とニットのほどよい関係」

顔まわりの小物でキャッチーに促して
体へのほどよいフィット感とノースリーブから伸びる腕が、想像力をかき立てるニット素材のあざとさ。つつましきベージュなら、露骨なセクシーさとは無縁。
着たときのほうが“脚長”を実感「首元のつまったひざ上ミニ」

正統派な1枚にメリージェーンの甘さをひとさじ
必然的に重心をひき上げるミニ丈と、バイカラーのえりで視線を上げるダブルの効能。丈が短いぶんデコルテを隠した隙のなさが、ミニなのにスマートな理由の1つ。白ソックスを合わせたくなるところを、引き算するのがスタイリッシュ。
細みに欲しいニュアンス「余白を生むたっぷりドレープ」

黒でクールに装ってもドレープで親しみやすさが
曲線状に無造作にほどこされたシャーリングのドレープが、ぴったりぎみのワンピースに体が泳ぐ立体感をプラス。カジュアルな首元のリブで、日常でも浮かないデザインに。きちんと感がありながらシワにもなりにくくシーンレスに活躍。
淡いトーンをスマート化「身ごろはすっきり、すそだけふくらみ」

ワンピースのゆとりを引き締めるピンヒールの足元
わかりやすいフィット&フレアシルエットに、シャープなウエストの切り替えを。ハリやタックも味方につけて着るだけで細見え&脚長を実現。淡色ながら切れ味よく。ほんのり華やぐクリームイエロー。
着方の幅が広い「ふつうじゃない」ワンピース
きちんと感と安心感が特徴のワンピース。そこへさらに、こなれて見えるデザイン性も含ませていつもより「ちょっと上」の装いへ。
ぶかっと見えない「変形シャツ」

ウエスト部分がくびれた、壺のようなシルエットのシャツワンピース。ポンディングのようなふくらみのある素材感で、ひらひらしすぎない適度な重みをもつ風合いに。ボタンが隠れるミニマムなフロントデザインはフォーマルな場面にも適役。リボンタイのように使える、取り外し可能な同色のひもが付属。
「端正な黒=無難」から脱却

サイドをつまんだような構築的なフォルムと、横顔や後ろ姿まで美しく見せる計算されたドレープ。あいまいなそで丈や落ち感のある素材のニュアンスによって、モード手前のバランスに。ワンピースに特徴があるぶん、小物も黒で統一。
サイドスリット入りのとろみ素材

高発色のイエローがうまくなじむほどよい深さのサイドスリット。ひざにまでかかるサイドスリットが、タイトなワンピースを重たく見せないファクターに。さらりとした心地いい生地感のおかげで、濃紺の中にやわらかさが生まれる。イエローのリネンパンツをさし色的に活用し、素材間の抑揚づくりをアシスト。
白の無地「なのに表情豊か」

いたるところに散りばめたレースが立体感と奥行き感をもたらし、1枚の白でも堂々とさまになる。パフスリーブのボリュームとも相まって、甘いというよりハンサムに。前開きだから羽織りとしても使える。
開くと広がり・閉じればまっすぐ

歩く動きに合わせて優雅に広がり、フロントを閉じればすとんと縦に落ちてくれる、重軽バランスの絶妙な上質素材。肩から腰あたりに入ったラインは、腰下からタックの役割をもち、ゆれ感のあるシルエットを形成。クールな暗グレーに沿うよう、前立ては比翼仕立てでミニマルをあと押し。
ALL黒に抜けをもたらすゆったりリネンの開放感

素材自体に表情があるから、1枚でさらっと着るだけでさまになり、ボタンを上まできちんと閉めることで、ルーズなシルエットが知的に好転。硬派な黒レザーのクラッチバッグとローファーを添えて重厚感をプラスすれば、さらにフォーマルな表情へ昇華。サイドスリット入りのため、Iラインでも足さばきは良好。
コーデュロイのシャツワンピース

アレンジ力の高さから稼働率の高いシャツワンピをブラウンにカラーチェンジ。少々気だるく着ても穏やかな品を保てる、こっくりとした色みのコーデュロイ素材は気温差のある季節の変わり目に最適。気になるほっこり感を気にせず着られる、スマートなシャツタイプ。
品行方正な「正統派ブルー」

トレンチコートのようなバッグスタイルのシャツワンピース。触り心地はソフトなのに、適度なキックバッグと速乾性のある肌なばれのいいポリエステル素材。黒に近いもの静かなネイビーが、1枚系のリラックス感を上品に格上げ。キレイなだけで終わらない、前後差のある動きをつけたシルエット。
ワンピのようにラクに着られるオーバーシャツ

「黒でシャツ」の緊張感を感じさせない、パフスリーブのふっくらとしたシルエット。ヒップから太ももにかけて覆える、前後差のある長め丈はスタイルカバーに向くうえ、ワンピースライクなアレンジも可能。フロントを開ければ軽めの羽織りとしても使える、春夏に活躍するデザイン。
1枚でも羽織としても優秀「トレンチライクな長いベージュ」

乾いた色合いと相性のいい、ほどよい厚みのナチュラルな素材感。カジュアルに着られる風合いでも、落ち着いたベージュなら品を保って好感度の高い見た目に。王道のトレンチコートのように使えて、ボタンの開け具合で季節に見合った抜け感を演出できるシャツタイプも魅力。
アウター手前の「気楽に羽織れるクリアな白」

しなやかで光沢感のあるスーピマコットンのワンピース。白がさらにクリアに見える洗練された風合いだから、ロング丈を羽織っても暑くくるしく見えない。背面に入った深く鋭いプリーツが、動きにともなって美しく広がる優美なシルエットを形成。
≫ワンピを見飽きたスタイリストが選んだ「とくにいい」ワンピース
