いち早く新作をチェックしたスタイリスト陣に「これから」に必要なトピックスを2020-21秋冬のコレクションを振り返りながら、あらためてインタビュー。わかりやすいトレンドというよりも、今季は着方や組み合わせの工夫が鮮度を呼び込むカギ。
CATCH UP ON TREND
秋冬の傾向・私的レビュー
01
「首元は紳士・淑女風にレイヤード」
無地のゆるニットと力を抜いて試したい (by 岩田さん)
02
「濃いブラウンをさし色づかい」
淡いトーンの服にはちょうどいい強さ (by 渡邉さん)
03
足元レパートリーが増える「ひざ丈ボトム」が増加中
今季も豊富なロングブーツが合わせやすくていい (by 出口さん)
04
「とにかくベルトを重ねる」
ボリュームトップスが主流だからベルトアレンジが急増(by 石関さん)
スタイリングイメージがわくような今季気になったものは?
石関さん:とにかく「首元」に特徴があるシャツ&ブラウスが多い。01のようなフリルやボウタイ、あと丸えりもよく見かけます。
岩田さん:女性らしいデザインが多いので、無地のニットの下にINして変化を加えても、「上品な個性」に落とし込める。
渡邉さん:01のシャツどうし、タートルどうしとか「似た形でレイヤード」もマネしたい! 全部首元がつまっていることで、カラーインナーで少し遊んでもきちんと見える。リースしたものやコレクションスナップから今季の流れを見ていると「甘めのクラシック」っていうのが全体のムードな気がします。02のこっくりしたブラウンを「なじませるより効かせる」使い方が新鮮ですね。白・ベージュ・グレーとか、淡いトーンの服が引き続き多いため、濃厚な茶色がむしろ目立つ。
樋口さん:02は濃い茶色を締め役に使ってるけど、たとえば黒多めのスタイリングには、強さをやわらげる役割として小物でとり入れてもいいですし、調整役として優秀な色。
出口さん:私が気になったのは、03のようなひざ丈ぐらいのボトム。最近はすごく長い丈感が主流でしたが、小柄な方でも短め丈は下半身がすっきり見えるからいいですね。
高木さん:ひざ下が隠れないぶん、ソックスやタイツ、ロングブーツなど、足元の変化でシンプルなスタイルに幅を出しやすい。私的にはこういうコンサバな丈感にこそ、レザーの黒いロングブーツを合わせてカッコよく仕上げたい。
石関さん:レザー小物でいえば、04みたいにベルトを巻いてるルックが多いですね。「オーバーサイズ」っていうのが定番に見えるくらい、各ブランドから出ている。なのできゃしゃな体や上品なイメージに整えるものとして、ベルトアレンジも増えてる気がします。
渡邉さん:04のルックもレイヤードスタイルの上にさらにベルトを巻いてる。「重ねる」という、着方できちんと感をつくるのが、新鮮味のある装いのポイントかなと思いました。