季節やトレンドが移ろおうとも、いつもそばにある確固たる存在感と意思を感じる寡黙な黒。黒に秘められたポテンシャルを深く見つめなおすことで、「万能」という言葉だけでは片づけられない魅力を再認識。
(どう着てもきちんと感が残る色)「ハズさずスポーティ」
クラス感を与えてくれ、おのずと見た目も引き締まるTPOを選ばない圧倒的な品のよさ。カジュアルに振り切っても手抜きに見せず好感度が残るのは、黒ならではの特権。
MA-1をそのままコートにしたようなロングアウター

黒にいっそうの迫力をもたらす長め丈でブルゾンをモードに転換。ひかえめなステンカラーで見た目の合わせやすさを保ちながら、撥水性や止水Wファスナーなど悪天候にも向く使い勝手のよさを加味。黒デニムもアウターの迫力に負けない幅広ワイドでとことんハンサムに。
重心が高くキレイに見える「浮力のあるワンピース」

水滴がすべるほどさらさらとしたタフタ素材のワンピース。窮屈しない適度なハイネックが、カジュアルなバルーンシルエットにきちんと感をプラス。胸下から切り替えがあることで、どんな身長の人でもずるっと見えずスタイルよく。内側からつられたように丸みを帯びた、前上がりのすそシルエットとのギャップによりのぞいたひざ下の脚線が長く華奢に。
(隙がないから隙が生きる)「素肌を武器にドレスアップ」
黒に視覚的な隙をつくれる素肌とのコントラスト。思いきりのいいデザインなら黒の強さとも調和してセンシュアルという表現以上の美しさと気高さを確立。
プレーンなニットに色香を呼び込む、なだらかに開いた深いUネック

ぬくもりのあるカシミヤを使用した黒ニット。これがつまったクルーネックだとエレガント。ざっくりと開いたデコルテと身ごろのあり余るサイズ感が、女っぽさへと直結するけだるげな空気を演出。
派手さなく効く「サテンのドレープとUライン」

フロントは首つまりのミニマルなデザインながら、深く開いた後ろ姿でおとなしいだけでは終わらせない強さも加算。あたためることに焦点をあてはじめる時季にあえて効かせる素肌のギャップ。すっきりとした見た目をつくれるだけでなく、ダークカラーとの対比によってのぞかせる程度でもスタイリングがしゃんとするいい緊張感をもたらしてくれる。
(時代を超えて愛される由緒正しき色)「更新されたクラシック」
昔も今も、時代を超えて愛され続ける黒。そこに洗練さという持ち味も合わさって、レトロなデザインを選んでも古くささがなく今っぽいバランスに着地。
ベロアにパールボタンの本格的なデザインが黒のおかげでモダンに昇華

かっちりしすぎず、パジャマのようにフランクに着られるシャツ+パンツのセットアップが、心地よさを求めたい今の気分にフィット。
海外ストリートのメンズを参考に「気負わずクール」

ディティールをひかえたことで黒レザーの強さが際立ち、硬派なのにシンプルで合わせやすい1着に。ボトムのシルエットに左右されず、バランスよく使えるジャストめのサイジング。にぶいツヤを放つ質感にメタリックなジップが好相性。どことなくなつかしい柄をモノクロで落とし込む、時代やトレンドに左右されない、風格のあるレトロルック。
(王道がゆえの安心感)「試しがいのある新しさ」
ワードローブにフレッシュな印象を呼び込みたいとき。見慣れた黒で選べば気負うことなく即戦力として活躍。なかでも黒のイメージにはない“かわいい”ものでトライ。
つやめく黒に散らしてかわいい花柄をリュクスにまとう


色落ちのブルーデニムと合わせても品のよさが残るのは、やっぱり好感度の高い黒だから。プリントではなくすべて刺しゅうなのも、花柄をシックに導くポイントの1つ。
無地の黒にムードをもたらす総レース&ティアードのゆれ


大胆なのに繊細さも感じられる総レースの透け感。こだわりが光るスカートが、黒を「なんとなく」では選ばない意思のある女性像を演出。
アイキャッチーなフリルをまとった1枚完結の絵になる黒

胸元は鋭いV&胸下からの切り替えで、ラクなシルエットでもルーズには見せないバランスに着地。ヒールの緊張感をたずさえればパーフェクト。
(重さがかえって好都合)「整えるためのボリューム感」
抜け感がない色だから、選ぶシルエットや素材によっては重さをネガティブにとらえてしまうことも。見方を変えると重厚感があることで迫力が増すから、タイトなシルエットとはまた違う引き締め役としてプラスの力を発揮。
ルーズなニットをカジュアル以上へ導くダイナミックな広がり

ハリのあるサテンにチュールのインナースカートをセットした、贅沢なボリュームフレア。光沢と相まった華やぎが、リラックス感のあるニットを格上げ。
幅広な黒の貫禄により、タックインせずともメリハリが誕生

足首はキュッと締まっているから、ボリュームがありながらもすっきり。タイトなポイントをつくらずとも、きりっとした印象を保てるバランス感覚のいいバレるシルエット。
凝ったブラウスと一緒なら気楽なニットパンツも背筋が伸びる

そでとすそにはふくらみを持たせたフェミニンな1枚。わかりやすい着飾りで、パンツのリラックス感にブレーキを。
縦長を強調するダウンベストでタイトスカートをいっそうスリムに

タイトスカートにピタッとしたトップスはややハードルが高いから。ふっくらとしつつも膨張見えしないノースリのダウンベストが好都合。
(飾らずともキレイに映える)「究極ミニマルな黒」
装飾も形によるメリハリもなくし、平坦にするほど引き立ってくるのが、黒という色が持つ本来の強さ。なにと組み合わせてもどんな着方をしても凜とした表情を保てる堂々たる佇まいは、ごくシンプルな装いにも自信を与えてくれる。
スカートなのに辛口に仕上がるスラックスのようなスマートさ

ほのかにつやめく上質なポリエステルを採用した、体の凹凸さえもカバーするタック入りのIラインスカート。フォーマルなパンツのような洗練された佇まいながら、スカートならではのやわらかさを兼ね備えた「カッコいいけどシャープすぎない」、都合のいい1着。
硬派なテーパードに張り合いを持たせるソリッドなレザー素材

落ち感のあるやわらかなシャツに相反するレザーの強さで、黒でまとめた正統派な装いに抑揚づけ。
すそにかけてのわずかな広がりで黒をいっそう美しく

着飾るのが目的ではなく、腰位置を高くし、ボディラインをキレイに見せるためのフレア。半そでよりやや長く、5分までいかない絶妙なそで丈も計算済みのバランス感。実は地厚なコーデュロイ素材だから、フォーマルな形を日常づかいしやすく。
「まとわりつかない」 Iライン

重ね着してももたつかない絶妙な身ごろのカットソー。ひかえめなタートルは窮屈感なく、くしゅっとたるませても決まる。腰まわりはコンパクトながら脚線を拾わない絶妙なゆるさ黒デニムは、双子のセシリーとともにジュエリーブランドを立ち上げ、モデルとしても活躍するアマリーとアッパーハイツとのコラボアイテム。
「タフタ素材」のトレンチコート

定番アウターとして不動の人気を誇る行儀のいいトレンチコートを、もっと気楽に着るための新発想。動きと奥行きを出せるささやかな光沢を味方につけて、品は保ちつつエフォートレスに昇華。ナイロンほどスポーティ感が出ず、カジュアルには見えない都合のよさが魅力。
履くだけで「シャープなのにエレガント」

動くたびに軽やかにゆれるサテンスカート。角度によって光の入り具合が異なり、自然な縦のラインが完成する。タイトスカートほど直線的じゃないけれど、ダイナミックに広がることもない、都合のいい微フレアシルエット。締めつけのないウエストゴム仕様で、着用時のストレスもなし。
【黒が変わる+カラー】
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