シンプルなのに記憶に残る。そんな装いに共通するのは意図的な無造作感。脱力した服のあしらいや意表をつく小物のセレクトなど。GISELe本誌でご紹介したコーディネートをもとに、スタイリストがねらった「隙」の裏側を24実例で解説。
※コーディネートの写真は過去のGISELeで紹介したものです。
☑T-SHIRT
すそを入れるでも出すでもない
丁寧なタックインは、きちんとした印象を与えがち。部分的に指で押し込むくらいのすその雑さがちょうどいい。すそのゆるみによって、白黒の装いにも抜けを作れる。
☑SHIRT
半端にえりを立てたシャツ
シャツのえりをラフに立て、知性を保ちながら脱力。首元にニュアンスがあると、横顔も自然とシャープに。定番服こそ、服本来のイメージを裏切るような着くずしを試すのも一手。
☑T-SHIRT
ジャケットの中にささいな遊び
品行方正なジャケットを着る日こそのロゴT。至近距離で気づく程度の小さめロゴをしのばせれば、遊び心のわかる大人に。ロゴの色とベルトの色みをそろえるなど、細やかな配慮でよりバランスアップ。
☑SOCKS
ちゃめっけは同化させる
緊張感のある黒パンプスも、ガーリーな花柄ソックスも、一緒に使うことで両方のハードルが下がる。色をつなぐことによるブーツ風のシルエットで、モードな雰囲気に。
☑DENIM PANTS
すそのダメージ感1つで変わる
デニムのちら見せで、女度高めの黒ワンピをヘルシーなムードに。独特な味を生むすそのほつれ感は、サラリとしたミニマルなワンピースに深みを出すアレンジにも最適。
☑DENIM PANTS
靴に目がいく適当なロールアップ
わざと雑にデニムのすそをロールアップ。あえて重みをつくり出すことで、トーンをそろえた足元のレイヤードに目線を誘導する作戦。
☑T-SHIRT
横から見ると丸いフォルム
メンズライクなビッグTには、そでを折る、タックインも形に余白を残すなど「ボリューム出し」のひと手間を。空気をはらんだ丸いフォルムが、気だるい女性らしさをかなえてくれる。
☑SANDALS
まるで裸足のように
ときに靴の主張がないほうが、バランスをとりやすいこともある。ルーズなワンピやすそ広がりの形にこそ、軽やかにはけるヌーディサンダルで抜けをメイク。
☑BOSTON BAG
ボストンなのにクラッチ持ち
淑女な装いにもの足りなさを感じたら、大きなバッグをがさっと抱えて迫力を出すのも手。
☑DENIM JACKET
デニムはそでを通さない
そでを通さず肩にかけ、無骨なデニムジャケットをモダンに更新。
☑SLEEVELESS TOP
ノースリをワンピの上から
ノースリトップスを上からかぶせて、優美なワンピをドレスダウン。Aラインを描くワンピに沿わせるイメージで、Tシャツもゆるいシルエットを選択。
☑SWEAT
肩がけはわざとずらす
着くずしの定番=スエットやニットを肩に巻くテクニック。「くずすこと」が目的ならば、キレイに巻くのはやや退屈。結び目をわざとずらしたり、片方だけ肩を落としてみたり。アンバランスにすることで今っぽいクセが出る。
☑STOLE
「服未満」的にストールを
ストールを肩にひっかけて、肌感のあるモノトーンに親近感を。巻くのではなく長いままたらすことで、縦長シルエットも強化できる。
☑BAG
鮮度を呼び戻す季節外の素材
夏に使うボア。季節感の矛盾でコーディネートが即キャッチィに。
☑SHIRT
白シャツをふまじめにはおる
1カ所だけボタンをとめ、潔く肩を落とす白シャツの着方。肌感がありながら気になる二の腕は隠せる、いいことずくめな着くずしアイディア。
☑LONG SHIRT
大胆なスリットをセルフメイク
ボタンを大胆に開け、隙のないロングシャツに抜け感を。目線が上がってすっきり見えるから、低身長の人も試しやすい。
☑DOT SHOES
クールに見せかけて甘い黒
クールな黒一色に見えて、シューズはドット柄という意外性。
☑SWEAT, JACKET
メンズライクの二乗
黒ジャケットをくずすべく、上から薄いグレーのスエットをON。ビッグサイズどうしを重ねたら、メンズのようなこなれ感が実現。
☑BASKET BAG
黒の上下にかごの味わい
ストイックになりがちなALL黒には、コロンとしたかごバッグを一点投入。レトロな空気が漂って一気になごむ。
□KNIT
キャミのストラップを飾りに
ほっこりとしたイメージを持つ風合い豊かなニット。片方の肩を落として素肌を見せることで、夏らしくヘルシーにシフト。中に着たキャミのストラップをのぞかせれば、いっそうセンシュアルな印象に。
□SET-UP
ウエストリボンをヘアに移行
髪に結んだリボンは、本来スカートに巻くためのウエストベルト。決められた使いみちにしばられない自由な発想で、知的なストライプの上下に遊びをプラス。
☑SWEAT
デザインがわりの腕まくり
腕をまくってできた服のシワやたるみが、シンプルを高める味わいになることも。
☑SCARF
ポケットにつっこむだけ」
ムダのないフォルムの服にもの足りなさを感じたら、ジャケットのポケットにスカーフをつっこむアレンジも有効。ひとクセ効いていながら、スカーフ自体に上品な光沢があるおかげできちんと感を貫ける。
☑SWIMWEAR
実は水着というハズし
スイムウエアをキャミソール的に使用。体にぴったりと吸いつく形とシャリッとした素材感が、ブルーデニムに女らしさを運んでくれる。