手持ちコートを「また好きになる」 実例集
「毎日同じコートで、なんだかパッとしない」「暖かさは欲しいけれど、着膨れして見えるのは絶対に嫌」。 必要なのは今ある手持ちのアイテムで装いのポテンシャルを最大限に引き出す「小さな工夫」。
コートを着ても脱いでもさまにになるレイヤード、顔の印象を操作するアクセサリーの法則、足元や手元のわずかな隙間の埋め方まで。 明日からのスタイリングに鮮度をくれるアイディアをご紹介。
(少ない投資でコートを上手に着るテクニック)
01 手持ちコートが化ける「7つの即効アレンジ」
02 脱いでも可愛い「トップスの重ね着」テクニック
03 真冬を乗り切る「アウター+アウター」
04 ハイネックと「横顔アクセ」の関係
05 スタイリスト直伝「アクセの重ねづけ」法則
06 コートとインナー「ちぐはぐしない」ルール
07 隙間を埋める「靴下」
08 「コート+キャップ」の活用法
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「手持ちのコートが可愛く化ける」ひと工夫
スタイリングの印象を決めるコートでできる、ちょっとした工夫。いつものコートの印象を変える、アレンジ法とコートを上手に着こなすコツ。
太めのベルトでウエストを締めてワンピ風に仕立てる

フロントのボタンをとめて、その上にレザーベルトを巻く。腰から下がほのかに広がり、ドレスのような表情にシフト。エレガントな雰囲気を引き立てるために足元はロングブーツをセット。Dをモチーフにしたゴールドバックルがアクセントになり、ワントーンにメリハリがつく。
着なれたコートも可愛く見えるカラーグローブ

カラーグローブで「手を隠す」ことで着なれたコートも別顔に。靴やバッグ、顔まわりのアクセサリーでもなく、グローブで手先に効かせると新鮮。着飽きがちな黒や、ネイビーのダークカラーのコートに占めるヴィヴィッドカラーの分量も、効かせる場所もちょうどいいお似合いの組み合わせ。
フロントを閉じて+カラータートルでアクセント

今季は「前を閉めて着てもかわいい」2WAYで着こなしを楽しめるコートが豊富。柄を仕込んだり、色を添えたり、カジュアルに転ばせたり。コートは「内側から気分転換」の手数が多く目論めるタイプに注目するのも賢い選択。
全部ベーシックな服をバランスよく重ねる

シャツの上にニットワンピース。その上にGジャンを重ねてコートでフィニッシュ。ボトムラインはタイツを仕込んでロングブーツ。手持ちのスタンダードアイテムで防寒しつつも、レイヤードで手抜き感なしのオシャレ。
ボタンはとめず共布ベルトでガウン風に

デニムとトレンチ。ごくふつうの色や形なのに目を奪われる理由は着こなし・小物づかい・サイジング。ベルトを締めてAラインをつくると、ハリのあるトレンチもやさしいイメージに。
重く見せず・寒くない趣向を凝らしたレイヤード

インナーには白のハイネックを仕込み、体をすっぽり包むニットワンピースを重ねて。その上にゆったりとしたサイズ感だけど薄手のウールコートを。手元にはアームウォーマー、足もとにはソックスを。上からさらにロングストールをアレンジして、肌を徹底的に隠しつつもスマートに。
「重ねて重ねる」寒い日こそ楽しいレイヤード

好きな色は色々なアイテムで持っているもの。例えばグレーなら。ライトグレーのスエットに、チャコールジャケット、ソフトグレーのストールなど、それぞれのアイテムにベストな色みで選ばれたグレーを全部活用。濃淡の違いで奥行きを出すことで、シンプルなグレーも新たな表情に。
コートを「ドレスのような扱いで」

いつもはスタイリングを支える脇役としての出番が多いコートを主役として抜擢。フロントの隙間からキャッチーなハートのタイツをのぞかせれば、ほぼ1枚でも十分高い満足感。
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「コートあり・なしどちらも似合う」重ね着のテクニック
コートを着た姿も、コートを脱いだ姿も「スマートに見せる」ためのレイヤードアイディアを披露。定番アイテムから目新しいデザインまで。もたつかないうえシンプルなまま気分転換も図れる服の重ね方。
重ね着前提のVネックとハイネック

カットソーやシャツを無難にはさむか、1枚でニット風に着るか。「カーデといえば」の基本2択をたまには裏切る。レースブラウスとアクセづかい、2つの女っぽさでドレスアップ。
手元のアクセは計算しないで自由に重ねたほうが結果、オシャレ見え。ニットを女っぽく飾るためのアクセに、ルールはナシ。お気に入りのリングやバングルを好きなだけ重ねて。
むしろ重ねた方がメリットが多い「タートルどうしのレイヤード」

ベビーピンクと白の淡くて甘い配色。首元に少し白を入れるだけで、キレイな色が「浮かずになじむ」。ゆるニットをスッキリ見せるのにも、中にスリムなタートルを入れるのは効果的なテクニック。

ふわふわのモヘアやボリュームシルエットのニット+コンパクトなニット。同じハイネックは色と形に差をつければバランスよく見違えも図れる。ロングヘア+ハイネックの重みにつり合う、ぽってりとした形のシルバーイヤリング。ニットの重みをさりげなく払いつつ、ニットが華やぐ「ツヤ」も加わる。
クルーネックどうし「配色で差をつける」レイヤード

ゆるい黒ニットを軽くするクリアなブルーのちら見せ。中に1枚「ちらっと見える」首とすそ、あるいはそでも含めた「トップスの端」に少しの色を入れるだけでトップスにも奥行きが出て、いつものトップスもバイカラートップス風に見違える、いつものニットにかけたいちょっとしたひと工夫。
「端正な白シャツ」とゆるめのニット

同色のレイヤードにも緩急がつく。ニットのシルエットを締める、シャツならではの清潔感とハンサムなたたずまい。テンションが真逆なぶん、ニットは白となじみのいい色選びが最適。同系色は柔らかい素材&パリッとした素材など異なる質感でメリハリを効かせて。
白もぼやけない「ニットとニットの間にシャツ」

カーディガン+白シャツだけだと少々退屈。ケーブルニットのイメージを塗りかえるかのように、白に白を重ねてベーシックの刷新を。ニットは「外は厚手・中は薄手」。その間にシャツを挟んで。オフ白、純白など、白の微差を駆使して奥行きを意識し、パリッとした白シャツのえりをわざと雑に立ててくだけた印象に。
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暖かくて「すっきり見える」アウターどうしの重ね着
薄軽アウターとコート。室外・室内ともにオシャレに過ごせて、暖かくなったらコートを脱ぐだけ。シンプルなウールやニットアウターと、ジャケットやベストとの重ね着バランスを実例でご紹介。
ナイロンブルゾンを中に仕込みトップスとして活用

前を閉めればコンパクトにも装えるため、新たなトップスを買わずして、コート姿をリフレッシュ。スポーティさもおさえられ、軽快なブルゾンがどことなくモードなルックスに。保温性が高く、寒さが厳しい真冬にこそオススメ。
隠れる面積を生かしてライダース

カッティングやジップデザインが効いた存在感の強いライダースは、上からコートをかぶせることで「飾り気のある黒」程度の落ち着きに。脱いでもハードに見えすぎないよう、タートルではなくモックネックで抜け感のバランスを意識。
ダウンベストを上まで締めて+ロングコート

アウターの中にダウンを仕込む場合、中でも「ザ・ノース・フェイスの「サンダーラウンドネックジャケット」は、保温性に優れていながら、ごく軽量でインナーとしても活躍。
「寒さ」と「着たい服」をつないでくれるような存在。グローブもレザーや、あるいはヴィヴィッドカラーもおすすめ。小さいモノだからアクセントカラーにもちょうどいい。
年中使える服で「あたたかく」アレンジ

オールシーズンで使える白シャツ・サテンスカート・パンプスを軸に暖かさをプラス。中にダウンベストも仕込みやすいオーバーシルエットのコート、足元にはタイツを仕込んで「肌を見せずにスマート」な装いに。
ほっこり見せないデニムのキレ

コートの上からさらにニットをひと巻き。間にデニムが入るおかげで、防寒を重視した装いでもおのずと見た目はスマートに着地できる。
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横顔に手を抜かない=「ハイネックと装飾」
コートは上から羽織るだけ。つまったネックラインによって、引き立つアクセサリーや小物、ヘア。着こなし自体も、小物使いもシンプルなのにどこか華やかで惹かれる。そんな表情を生む「横顔」の作り方。
甘い白に品が加わる辛口な四角形のゴールド

よくあるフープだとエレガント。スクエアのモチーフなら、ロングヘアとピュアなハイネックにも意思が宿る。 ゴールドスクエアフープピアス 39,600円/ボーニー(エドストローム オフィス)
ヘアで隠すのがもったいない「しずくのような造形美」

キュッとまとめたヘアスタイルとタイトなニットドレスにとって、しずくのようにゆらめくピアスが唯一の「動き」。グレーのドレスに添えてワントーンのように堪能。 シルバーロングピアス 44,000円/ルフェール(ワームス ルミネ新宿店)
ゆるやかなまとめ髪の流れをくむ曲線美

ネックラインのレイヤードとの重なりでさらに印象的。 シルバーロングフープピアス 39,600円/ボーニー(エドストローム オフィス)
タイトなニットにゆらめくゴールド

フックとモチーフをつなぐ繊細なチェーンと、しずくのような造形。きゃしゃな女性らしさと凜とした雰囲気をあわせもち、一筋縄ではいかないニュアンスを形成。ぴったりとしたタートルとロングヘアに合わせても無難に陥らない。 ゴールドピアス 13,200円/Jouete
横顔を飾るゴールドチェーン

ネイビーのハイネックニット+黒縁眼鏡。クラシックなセットのかたさをほぐすのに、ロングチェーンのゆれが不可欠。 眼鏡 46,640円/Oliver Peoples(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス) 眼鏡チェーン 19,800円/エマニュエル カーン(アパルトモン 青山店)
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アクセ使いが「ちぐはぐにならない」ルール
靴とバッグをセットで考えるように、または黒ニットとデニムのように。アクセサリーもバランスのとれた組み合わせを知れば、もっとオシャレの完成度が上がる! ということでアクセサリー企画を多く手掛けるスタイリスト・高木千智さんに、上手くいく組み合わせの基本法則を取材。(アイテムは現在お取り扱いのない場合がございます)
【スタイリスト・高木千智さん】
アクセサリー好きで、本誌企画でもアクセサリーや小物を担当することも多い人気スタイリスト。メンズライクなムードをさりげなくとり入れた辛口なスタイリングが得意。
茶系ネイルとツヤのあるゴールドリング

「重宝するゴールドアクセサリーは茶系ネイルとの相性も抜群。その配色を軸にすれば、異なる幅のリングを重ねづけしても調和がとれて、リッチな印象に」(高木さん)
シルバーでハートモチーフとモノトーン

「可愛いアクセの代表・キャッチイなハートモチーフは、クールなシルバーで甘さひかえめに。リングやブレスなど、手元は黒や白、あるいはクリアなものでそろえるだけでモダンな雰囲気に仕上がります。黒と白を1点ずつ入れるのがベスト」(高木さん)
細身ゴールドとピンクメイク

「ブラウンもそうですがピンクもゴールドには好相性。たとえばピンクをメイクでとり入れるとき。そのさりげない色みを邪魔せず支える、繊細なラインでさりげなく品のよさを演出して」(スタイリスト・高木さん)
キャップとパールとゴールドと

「キャップを単にかぶるとメンズっぽさ全開なので、レディなパールを。カジュアルの王道的な組み合わせですが、ゴールドのフープピアスを加えて飾るのもいいアレンジだと思います」(スタイリスト・高木さん)
ドットスカーフとメタリックなヘアアクセ

「女度高めな水玉スカーフにはミニマムなメタリックで甘くなりすぎるのを回避。このときシルバーとゴールド、両方加えるのもいいと思います。というのも、シルバーだけだともの足りないけど、ゴールドだけだとレトロ感が強い。2色づかいがうまくまとまる、という結論です」(スタイリスト・高木さん)
まじめな黒縁とゴールドネックレス

「おかたい黒縁にあえて大ぶりなゴールドを合わせ、眼鏡だけを目立たせない作戦。ショートネックレスなら目元との距離が縮まり、まとまった印象に。シルバーよりもゴールドのほうが女っぽぽくておすすめです」(スタイリスト・高木さん)