いつものニットが「可愛くなる」飾り方のテクニック
必要なのは、ほっこり感を削ぎ落とし、洗練を宿す「細部の飾り気」。 顔まわりのアクセサリー、そで口のレイヤード、そして指先を彩るネイル。 見慣れたニットを「飽きない」ステージへと引き上げる、試しがいのあるテクニックをお届けします。
1.
ニットと顔まわりの飾り方
あたたかな風合いに心地よいシルエット、ニットにそなわるいくつもの魅力。そのよさをきわ立たせるため、ほんのり緊張感を添えるアクセサリーやメイクの仕掛けがあるといい。ニットにふさわしい相棒との相乗効果を楽しんで。
01
紳士な眼鏡と「淑女なチョーカー」

Vネックニット + ハーフリム眼鏡 + チョーカー
淑女な甘さのチョーカーと紳士な眼鏡が奏でる、「クラシックなのにモダン」なバランス。ローズとリボンの装飾がデコルテによく映え、しなやかな気品を漂わせる。
02
透ける白には「重厚なゴールド」

白のシアーニット + ゴールドバレッタ
肌が透けるやわらかなニットに添えたいのは、その対極にある重厚感。グラフィカルな佇まいのバレッタで、シアーな白を高貴にメリハリづけ。髪を包み込むシルエットがアーティなバレッタを飾れば、たちまち目に留まる後ろ姿へ。カジュアルに導くなら、ヘアの雰囲気はドライ&ルーズが気分。下のほうにとめれば、存在感がありながらも気張りすぎない見た目に仕上がる。
03
トラッドを冷ます「鋭利なシルバー」

チルデンニット + シルバーフープピアス
トラッドな1枚を、流線的なシルバーでクールダウン。首元のラインになつかしいムードが漂うニットも、すっきりとした曲線のピアスを飾れば、清らかさとシャープさが加わって都会的にさま変わり。深いVネックからのぞく素肌に色気があるぶん、あえてBIGサイズのフープを選んで抜け感を。目線が上がって、バランスアップにも成功。
04
飾りも白で「質感の異なる白」

ざっくりニット + 白のシュシュ + 白のピアス
表情豊かなケーブル編みと、ぬくぬくとした素材感が魅力の白ニットに、同トーンのフープピアスとシュシュを飾って。可憐なムードが漂いながら、どことなくエッジィさも感じるのは、やさしさと強さのどちらも持つ白だから。なかでも、クリアな発色のピアスがアクセントとなり、横顔をきりりと引き締める。
05
赤を深める「レザーとゴールド」

赤ニット + レザークリップ + ゴールドピアス
体に寄り添うシルエットが色っぽく上品な1着。そのよさをきわ立たせるのは、少し甘めのアクセサリー。なめらかなレザー質感のリボンクリップと、波打つ形状のフープピアスを組み合わせたら、よりクラシカルで愛らしい面持ちに。
06
渋い配色に「無骨なパール」

シックなメンズのニット + パールネックレス
黒・ブラウン・グレーの紳士な色み。そこに合わせたいのは、無骨さのあるパールの光。主役を担うのは、大胆で力強い存在感のバロックパールネックレス。ひとつひとつ異なるフォルムと自然物ならではのやさしいツヤが、まとう人の表情をより美しく演出してくれる。真逆の質感と彩度のおかげで、互いの持ち味がいっそう引き立ち、特別感のあるスタイルへ。
2.
秘訣は「そでの重ね方」「手元のコーディネート」
ジャストサイズのトップスほど、そでに長さやゆとりがないぶんさっぱりと見えがち。インナーやブレスレットで手元を飾り、細部の余白を埋めるのが、「丁寧なオシャレ」をつくるひとテクに。
シャツのそで口を乱して硬派なニットに隙づくり

ビッグシャツを中に仕込み、そで口を適当にくずす。部分的に飾り気が生まれ、クラシカルなニットの堅さを適度にほぐせる。同色でそろえて仕上がりはまとまりよく。
有機的なアクセとシアーなインナーで強弱を


暗色のブラウスにアクセと重ね着でメリハリを上乗せ。太リングやアーティなモチーフで目を引くギャップを演出。肌なじみのいい透け素材のインナーをのぞかせ、奥行きを加えながら強弱のバランスを調整。
そでをまくったときに意表をつくレトロなボーダーを中にIN

柄トップスをインナーづかいして、ひかえめなアクセント役に。そでをまくる具合で見せる範囲を調整できるから、ワイドパンツに合わせるときは、しっかりとたくしあげて抑揚を。
品行方正な装いにビッグなフリルと個性派リング


トレンチコート、白シャツ、ニット、スラックス。正統派な着こなしからは想像しがたい、そでから先の自由なレイヤード。シャツのフリルスリーブを意図的に見せて、あらゆるテイストのリングを飾る。「まじめだけどユーモアのある」女性像を確立。
コクのある配色に引けをとらない強気なシルバー


リッチなブラウンのそでに仕込んだ、涼やかなアイスブルー。存在感あるカラーレイヤードにも埋もれない、大ぶりアクセがスパイスに。色の印象に傾きすぎないよう、シルバーで統一し光沢感で勝負。
レイヤード風のトップスに映える地金のカラバリ


シンプルな装いにこそ映える、飾り方のマイナーチェンジ。リングそれぞれの色を引き立てるべく、各色1つずつとり入れた意思のある選択も惹きつけられる一因。
3.
人気ヘアメイクに聞いた「ネイルカラー・これがいちばん」
ニットのそでから出る指先を飾るネイルも重要なファクター。多彩なテイストの服や色、モデルの個性に合うかどうか…。多数の撮影をこなし続ける人気ヘアメイクたちが頼る「いつもメイクバックに常備している」名品を全公開。(※ネイルの価格は現在変更の可能性がございます)

【取材した方々】
(塩澤延之さん)mod’s hair所属。GISELeの表紙を毎号担当。 (岡田知子さん)TRON所属。女性の色香や美しさを引き立てるテクニックにファンも多い。 (木部明美さん)PEACE MONKEY所属。チャーミングさを引き出すメイクで人気。 (小澤麻衣さん)mod’s hair所属。服の魅力を引き立てるメイクに定評。 (笹本恭平さん)ilumini所属。清潔感や女性特有のやわらかさを生かしたメイクで人気。 (スガタクマさん)素の魅力を高める、ヘルシーなニュアンスメイクに定評あり。 (扇本尚幸さん)POIL所属。ほどよい個性と遊び心をはらんだヘアづくりが得意。 (淡路美里さん)POIL所属。色っぽさやかわいげ、モデルのキャラクターを生かすメイクを提案。
赤といえばCHANEL

©CHANEL
ヴェルニ 151 4,840円/シャネル フレンチシックな気品が薫る。「鮮やかで美しい。大人っぽくもピュアにも見せられる」(塩澤延之さん・ヘアメイク) 「理想の女っぽさがかなう色」(木部明美さん・ヘアメイク) 「黄みすぎずボルドーでもない、直球な赤は必ず持っておきたい」(扇本尚幸さん・ヘアメイク)
唯一無二の色合い

ネイルズ インク ネイルピュア Montpelier Walk 3,080円/TAT 「ほかのブランドにはない“こんなの欲しかった!”というカラーに出合えるNAILS INC。これも濃すぎず薄すぎず、ピンク系でもイエロー寄りでもない絶妙な色合いが理想的」(扇本尚幸さん・ヘアメイク)
王道&カジュアルな朱赤

uka red study one 1/1 2,420円/uka Tokyo head office 「赤の色展開が8種もあるukaのred study oneシリーズ。なかでも、よく使うのは1/1の朱赤。主張はありつつ親しみやすさが感じられ、カジュアルに塗りやすいところが好きです」(笹本恭平さん・ヘアメイク)
ふだんづかいに適した赤

ザ ネイルポリッシュ + Tokyo Vibe 2,420円/アディクション ビューティ 「服がシンプルなときに使いたくなるのが、ADDICTIONのトマトレッド。レディな雰囲気にしたくない場合、爪のフチだけに塗ってフレンチネイルにすると、よりカジュアルに」(淡路美里さん・ヘアメイク)
白い服にも映える色

ディオール ヴェルニ 796 4,620円/パルファン・クリスチャン・ディオール 「鮮やかなデニムを想起させるような、深いミッドナイトブルー。幅広く平らにカットされたブラシも特徴」(岡田知子さん・ヘアメイク)
手軽に買えて塗りやすい

インスタドライ ネイルカラー 113 ホワイト オンタイム 825円(編集部調べ) ベース&トップコート成分を配合。「ムラになりやすかったり2度塗りするとスジが入ったりして、扱いが少し難しい白。これは仕上がりがキレイで乾くのも速い。1000円以下で購入できるのもありがたい」(塩澤延之さん・ヘアメイク)
上品すぎないベージュ

ネイルホリック BE325 330円(編集部調べ)/コーセーコスメニエンス 「ピンクを帯びたベージュはコンサバな見た目に傾きがち。黄みを感じるベージュだとカジュアルな格好にも合わせやすい。さらに、NAIL HOLICは乾くのが速いところも魅力」(小澤麻衣さん・ヘアメイク)
塗りやすさ重視ならコレ

ディオール ヴェルニ 999 4,620円/パルファン・クリスチャン・ディオール 「ポジティブではつらつとした女性像を表現するなら、DIORの赤」(岡田知子さん・ヘアメイク) 「真っ赤なリップを塗ったときのような、主役級の存在感が出せる1色。塗り心地もいい!」(スガタクマさん・ヘアメイク)
ALL黒に合わせたい

ヴェルニ 111 4,840円/シャネル 「たとえば、全身黒のスタイリングで凜とした雰囲気をまとった女性に、少しの抜けを出す目的で使いたい。CHANELの色みと質感なら甘い色もリッチな印象で身につけられます」(淡路美里さん・ヘアメイク)
深くコクのある色

クレイヴド ネイルポリッシュ 10 2,640円/セルヴォーク 「肌の延長線上でなじむシアーなネイルを使うことが多いですが、撮影で洒落た感じを出したいときはこれを選びます。コクがあってしっかりとした発色」(笹本恭平さん・ヘアメイク)
強さを感じるクリアな白

ディオール ヴェルニ 007 4,620円/パルファン・クリスチャン・ディオール 「赤でもDIORを挙げましたが、爪にしっかりと色がのり、パキッと発色するところがお気に入り。シンプルなのに洒落感も出せるから、迷ったときにはこれを選んでしまう」(スガタクマさん・ヘアメイク)
マット質感で脱・コンサバ

NM ビービーネイル ♯ダーク 2,310円(編集部調べ) 「シンプルになりがちなピンクベージュには苦手意識があったのですが、これはマットな質感で“いい子”になりすぎない点がお気に入り。しっかりと発色し、手元に存在感も出ます」(淡路美里さん・ヘアメイク)
甘くないukaのピンク

uka color base coat zero 9/0 2,200円/uka Tokyo head office ベースコートとしても使用可能。「ukaに行けば、ハズし役に適したプレイフルなピンクが見つかる。このラベンダーピンクは可憐さがありつつも、よくあるペールピンクとはひと味違うエッジも感じられてオシャレ」(岡田知子さん・ヘアメイク)