データに基づく「老けない人」の設計図
多すぎる美容や健康情報。その中で何が本当に効果的? 見極めるのは容易ではありません。そこで皮膚科学や栄養学など近年の研究結果から実証・検証されたデータから、老化の進行を遅らせる、老けない人がしないことをご紹介。(効果には個人差がありそれらを約束するものではありません)
慢性的な睡眠不足が招く「取返しがつかないこと」

近年の研究で、慢性的な睡眠不足や運動不足が「細胞レベルでの老化」を加速させることが明らかに。特に、染色体末端にある「テロメア」は細胞の寿命を決める重要な構造で、分裂のたびに短くなり、限界まで短縮すると細胞は分裂を停止し老化が進行するというもの。
国際学術誌『Nature』に代表される複数の論文では、慢性的な睡眠不足によってテロメアを修復する酵素「テロメラーゼ」の活性が低下し、その結果テロメア短縮を促進、細胞老化が早まることが示されています。こうしたメカニズムから「十分な質の良い睡眠」が細胞の健康維持に不可欠なのです。
筋トレ=「若返りホルモン」

実はアンチエイジング面から見ても最も効果的。筋トレで分泌される成長ホルモンは「若返りホルモン」とも呼ばれ、肌や臓器の修復促進、エネルギーレベルの向上、免疫機能強化など多岐にわたる健康効果を持っているもの。有酸素運動とは異なり、筋トレは筋肉量維持・増加により加齢による筋減少症(サルコペニア)や骨粗鬆症の予防効果が高く、若さや体力の根幹に影響することが分かっています。
米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いた研究では、週に90分以上の筋力トレーニングを実施している人は、運動をしない人と比べてテロメアが長く、生物学的老化が約4年遅いという研究結果も。これは筋力トレーニングが老化の進行を遅らせ、健康寿命の延伸に寄与することを示唆するもの。
このように、国際的な研究機関などの調査によって、睡眠や運動習慣がテロメアの長さ、つまり細胞レベルの若さを保つことに直結していることが証明されています。よって、質の良い睡眠習慣と定期的な筋力トレーニングは、老化抑制に欠かせない生活習慣として推奨されています。
(5年後に大きく差が出る実証された根拠)
≫【+5歳か -5歳かの分かれ道】 「後戻りできない」老化を早めている習慣
