実はあなたも足りてない「老化まっしぐらを止める」 不可欠な栄養素とは？

何となく選んでない？ 知っておきたい「サプリメントの効能」

サプリメントを選ぶとき、「これが良さそうだ」と何となく手に取っていませんか？ 私たちが摂取している栄養素は、思った以上に「足りていないことの方が多い」のです。日々忙しい生活の中で食事だけでは補えない栄養素が多く、気づかぬうちに老化を進めてしまっているという原因にも。そこで、知らず知らずに足りていない栄養素を補うために、どのサプリメントが本当に必要なのかを見極めることが大切。今回は、あなたの健康を守るために摂るべきサプリメントとその効能を徹底解説。

衰えの2大原因「糖化と酸化」

まず知っておきたい見た目・身体年齢の老化を早める主な原因は、糖化と酸化。

糖化とは？

糖化とは、食事から摂取した余分な糖質が体内のタンパク質と結合し、体温が加わることで細胞を劣化させる「体の焦げつき」とも言われている現象。糖化が進むと、肌にシミやシワができ、内臓や血管、骨も脆くなります。さらに、糖質を摂取すると、ビタミンやミネラルも大量に消費されてしまうという悪循環。

つまり、糖質を多く摂る人は「それだけ多くのビタミンやミネラルを補給する必要」があります。糖化を防ぐためにはシンプルに糖質の摂取量を減らすことが重要。白米、パン、お菓子、ジュースなど、精製された糖質は特に注意。

酸化とは？

酸化とは、体が「サビる」現象。切り分けたリンゴが放置すると茶色くなるように、私たちの体も酸化すると、血管が錆びつき、老化が進行。その結果、がん、シワ、シミなどの原因となります。私たちの体に備わっている抗酸化作用も20代をピークに、40代で急激に低下するため、40代から老化が加速しやすいと言われています。

ストレス、タバコ、過度な運動、お酒なども酸化を促進する要因。強力な抗酸化作用のある、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンAなどを積極的に摂取することが必要。

ビタミンよりも「現代人はタンパク質が不足」している？

糖質を制限し、抗酸化サプリメントを摂取する前に、まず見直すべきなのがタンパク質の摂取量。厚生労働省の調査によると、20代～40代の女性の約7割が、1日に必要なタンパク質の摂取量を満たせていないという結果。特に、ダイエット中はタンパク質不足にも陥りやすいのです。

内臓や皮膚、髪もすべてタンパク質からできているもの。そのため、タンパク質を摂れば肌や髪がきれいになり、内臓の消化吸収能力もアップ。そして、タンパク質という土台がしっかりと成り立っていないと、実はサプリメントを摂っても望む効果は得にくいのです。

まずは土台作りとして、動物性のホエイプロテインの摂取を。目安は1日に自分の体重の1.5倍のタンパク質。体重が50キロであれば1日75グラムのタンパク質、体重が60キロであれば1日90グラムのタンパク質。さらに食事でも普段から肉や卵、魚などのタンパク質をしっかりと摂取するのがベスト。

「これさえあれば」 基本となるサプリメント

糖質を制限し、タンパク質を十分に摂取したら、最後にサプリメントでビタミンとミネラルを補給。種類がたくさんあって、どれを摂取すればいいか分からない…そんな人もまず、ここでご紹介する基本となるサプリメントを摂取することから始めてみて。

①
ビタミン系サプリメント

ビタミンA
粘膜を保護し、免疫力を高める

なぜ必要？／視力維持、皮膚や粘膜の健康維持、免疫機能を正常化。不足すると、夜盲症、皮膚の乾燥、免疫力低下などの症状。　摂取方法・量／1日700〜900μgRAEが目安。β-カロテンは体内で必要な量だけビタミンAに変換されるため、過剰摂取のリスクも低い。　おすすめ／β-カロテンサプリメント

ビタミンB群
エネルギー代謝を助け疲労回復を促進

なぜ必要？／糖質、脂質、タンパク質の代謝を助け、エネルギーを作り出すのに不可欠。また、神経機能の維持や皮膚の健康にも関与し、不足すると疲労感、口内炎、神経炎などの症状が現れることも。　摂取方法・量／各ビタミンB群の推奨量を参考に、バランス良く摂取。水溶性ビタミンなので、こまめに摂取するのが効率的。　おすすめ／ビタミンB複合体のサプリメント

ビタミンC
抗酸化作用・美肌効果

なぜ必要？／強力な抗酸化作用を持ち、シミやシワの予防、コラーゲン生成の促進など美容面でのメリットが多数。また、免疫力を高める働きがあり、風邪の予防や疲労回復に。ビタミンCの摂取がコラーゲンの生成を促進し、皮膚の弾力性を維持するのに貢献するという研究結果もあるほど。　摂取方法・量／水溶性ビタミンのため、1日2,3回に分けて1000mg程度を摂取するのが理想的とされています。　おすすめ／「吸収率の良いタイプ」がポイント。

ビタミンD
骨を丈夫にし免疫力を調整

なぜ必要？／カルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にするのに不可欠。また、免疫細胞の活性化を調整する働きも。不足すると、骨粗しょう症、免疫力低下、うつ病などのリスク。　摂取方法・量／1日1000〜2000IUが目安。日の光を浴びると生成されるビタミンなので特に冬場や日照時間が短い地域など、日光を浴びない環境が多い人は、積極的に摂取を。　おすすめ／ビタミンD3サプリメント

ビタミンE
抗酸化作用・血行の促進

なぜ必要？／強力な抗酸化作用を持ち、細胞の酸化を防ぎ、老化を遅らせる効果。血行を促進し、冷え性の改善にもよいとされています。　摂取方法・量／1日6〜7mgが目安。天然型ビタミンE（d-α-トコフェロール）の方が、合成型よりも吸収率が高いとされています。　おすすめ／天然型ビタミンEサプリメント

②
ミネラル系サプリメント

鉄分
女性に不足しがちな「美と健康の源」

なぜ鉄分が重要？／鉄分が不足すると酸素の供給が滞り、貧血、疲労感、息切れ、めまい、頭痛などの症状につながりやすく、特に女性は、月経による出血や妊娠・出産によって鉄分が不足しがち。また、ダイエットや偏った食生活も鉄分不足の原因。鉄分不足は、肌のくすみや乾燥、髪のパサつき、爪の変形など、美容面にも悪影響。

鉄分の種類と選び方は？／鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類。ヘム鉄は、肉や魚などの動物性食品に多く含まれ、吸収率が高いのが特徴。よってサプリメントを選ぶ際は、ヘム鉄を選ぶのがおすすめです。

鉄分を効果的に摂取する方法は？／日に必要な鉄分の摂取量は、成人女性で約10〜12mg。鉄分は、一度に大量に摂取するよりも、こまめに摂取する方が効果的。

鉄分の吸収を阻害するタンニン（お茶やコーヒーに含まれる）やフィチン酸（穀物や豆類に含まれる）を多く含む食品との同時摂取は避けた方が〇。摂取量を守り、過剰摂取にならないように注意も必要。

マグネシウム

現代人に不足しがちなミネラルの中でも、特に不足しているのがマグネシウム。様々な病気の原因ともなるため、サプリメントで積極的に補給することが重要。

なぜ必要？／筋肉の収縮、神経伝達、エネルギー産生など、様々な生理機能に関与。不足すると、筋肉の痙攣、不眠、便秘、高血圧などの症状が現れることがあり、ストレス軽減や睡眠の質向上にも良いとされています。　摂取方法・量／1日200〜300mgを目安に摂取。　おすすめ／吸収率の高いクエン酸マグネシウムサプリメント、グリシン酸マグネシウムサプリメント

③
健康維持・アンチエイジング系サプリメント

①②のサプリメントに加え、タンパク質、各種基本のビタミンに加えて摂取すると美容面にもいい影響を及ぼすことが期待できるサプリメントをご紹介。

コエンザイムQ10

細胞のエネルギー産生を助け、抗酸化作用、疲労回復やアンチエイジングに。心血管の健康維持にも役立つとされている栄養素。　摂取方法・量／食後に摂取すると吸収率が向上。1日の推奨摂取量は100〜200mg。　おすすめ: 還元型（ユビキノール）の方が吸収率が良く、より効果的。

オメガ3（EPA・DHA）

血流を改善し、脳の健康維持に役立つ「オメガ3脂肪酸」。特に、EPAとDHAは動脈硬化や認知機能の低下を防ぐ効果があると言われています。　摂取方法・量／食後に摂ると吸収率がアップ。1日1000mg以上の摂取が推奨されています。　おすすめ／ 「分子蒸留精製」されたサプリメントを選ぶことで、不純物が少なく安全。

アスタキサンチン

鮭やエビ、カニなどの海洋生物に多く含まれる赤い色素成分でその抗酸化力は、ビタミンEの約1,000倍とも言われ、体内の活性酸素を除去し、細胞の酸化を防ぐ効果が期待できる栄養素。

美肌効果／シミ、シワ、たるみの原因となる活性酸素を除去し、肌のターンオーバーを促進することで、透明感のある若々しい肌を保つ効果があると言われています。また、紫外線による肌のダメージを軽減する効果も。また、血液中の悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化を予防する効果や、血糖値の上昇を抑制するなど生活習慣病の予防にも。　摂取量の目安／1日6〜12mgを目安に摂取するのが一般的。　おすすめ／サプリメントを選ぶ際は「天然由来」のアスタキサンチンを選ぶのがベスト。

最後に

サプリメントは、あくまで補助的なもので、バランスの取れた食事を心がけ、規則正しい生活を送ることが大切。過剰摂取や相性の悪い組み合わせには注意。食事と合わせて、効果的な摂取方法を意識しながら取り入れて。