ポイントは「デザインよりもサイズ感」シルエットで惹く「コーディネートの変え方」

デザインの目新しさだけに注目すると、季節が進むたび、スタイルに迷いが生じる懸念も。たとえ手持ちの服に限定しても、合わせのバランスを変えるだけで新鮮みが増したり、組み替えていった結果本当に必要なアイテムが見えてきたり。コートが要らないいま改めて上下の「サイズ感」に注目した実例を通して、ワードローブを更新するヒントをご提案。



(TOPICS)
1.太いパンツもいいけれど「細いパンツもやっぱりいい」
2.幼く見えない前提で「短い丈に再挑戦」
3.人気スタイリストがよく使う「サイズ感の操り方」




1.
「上はゆるく・下は広く」

そでやすその余白が飾りとして生きるオーバーシルエットとギャップが生まれる、スキニーやレギンスなど細身のパンツ。太もも手前まで覆う丈感なら、気になる部分を隠しながら華奢さをアピールできるメリットも。




鮮やかな色でルーズなシルエットを軽量化

赤スウェット 10,340円/SeaRoomlynn 黒ニットレギンス 7,990円/Gap 黒フードコート 66,000円/VACHEMENT(ショールーム リンクス) シルバーバッグ 55,000円/バナナ・リパブリック 白ソックス 4,290円/HOiSUM シューズ 35,200円/SHISEI(アイネックス)


肌寒い日に1枚であたたかい裏起毛スウェット。ヒップラインがすっぽり隠れる長さがあるから、レギンスなど腰まわりが気になるボトムも試しやすい。ゆるっとしたフォルムが足元の細さを強調し、全体を華奢に見せてくれるVシルエット。




CHECK STREET

締めつけ感なくIラインに整う、ひざ上丈のロングニットを主役に。レギンスで足元をすっきり仕上げると、ハンパ丈トップスもスマートに装える。




手をかけないほうが着映えるシルエット

ラウンドビッグシャツ 36,300円/ENFÖLD デニムパンツ 36,3 00円/マザー(LITTLE LEAGUE INC.) 眼鏡 19,800円/ザ ベッドフォード ホテル(キングスター) ローファー 17,930円/A de Vivre


白シャツを潔くぶかっと着て、細身の黒パンツとでも存在感のある組み合わせに。単純なワンツーでも充分もつのは、アイテム自体のベーシックさとそれが無難に陥らないすそやそでの個性があるおかげ。




リッチなファーをふだんづかい

ウールシャツは着まわし。ファーベスト 79,200円/コキュカ(ザ・ストア バイ シー 代官山店) スキニーパンツ 24,200円/LE PHIL(LE PHIL NEWoMan 新宿店) バッグ 17,050円/ダイアナ(ダイアナ 銀座本店) 黒シューズ 39,600円/PIPPICHIC(ベイジュ)


上半身のボリュームをそぐようにシャープな黒スキニーで緊張感を。品のいい暗色にさらなる風格をうむ、ファーベストをON。腰から下はスキニーから鋭いポインテッドトゥへつなげて、脚を細く、長く見せて。




いつもの上下を逆転

インディゴデニムシャツ 17,000円/HER. 黒ニットトレンカ 22,000円/アルアバイル 眼鏡 26,840円/Ray-Ban(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス) パンプス 18,700円/ル タロン グリーズ(ル タロン グリーズ ルミネ新宿店)


「コンパクトな黒+ぶかっとしたデニム」はそのままアイテムを入れかえるだけで鮮度が上昇。ビッグサイズのデニムシャツに、ニットレギンスをセット。脱力感が増したうえにメンズっぽさがおさえられるから、けだるい女らしさへシフト。トレンカタイプなら靴との一体感も図れる。




すそやそでが余るボーダーで立体感を上乗せ

面積が広いニットの間のびを防げる、ボーダー柄を選択。真逆のサイズ感でひとクセつけてニットONニットをカジュアル以上に。




ベストを上手く使ってシルエットに抑揚を

ストレートの白デニムパンツを細身のロングブーツに入れて、上は大きく、下はほっそりのシルエットを形成。カジュアルなダウンベストのほか、オーバーサイズのジャケットなど羽織り次第で印象も変えられる組み合わせ。




2.
「上は長く・下は短く」

今季豊富なミニスカートを利用して、ボトムの丈で個性を演出。下が短くなったぶん、上はぶかっとしたプルオーバーやジャケットをまとい、重さを出すことでミニをはく日も落ち着いて見える。




足元が軽いぶんフリースであたたかみをカバー

白フリーストップス 22,000円/ヘリーハンセン(ヘリーハンセン 原宿店) グレーミニスカート 14,300円/スピック&スパン(スピック&スパン ルミネ有楽町店) ジャケットコート 42,900円/ルージュ・ヴィフ(アバハウスインターナショナル オンラインストア) タイツ 2,640円/靴下屋(タビオ) バッグ 41,800円/ROH SEOUL シューズ 24,970円/STACCATO(バロックジャパンリミテッド) タイツと靴は黒でそろえて気品を維持。




CHECK STREET

ビッグジャケットをトップス的に着ることで、ミニスカートに欲しいボリュームときちんと感を同時に獲得。見慣れない上下バランスでシンプルなまま鮮度がアップ。




色をそろえてシャープなままリズムよく

黒ローファー 9,130円/HARUTA 白アシンメトリーシャツ 39,600円/THIRD MAGAZINE フードつき黒リブニット 20,900円/NKNIT グリーンブルゾンジャケット 15,950円/ナイキ スポーツウェア(NIKE カスタマーサービス) 黒レザーミニスカート 52,800円/THE SHINZONE(Shinzone ルミネ新宿店) 眼鏡 60,610円/MIU MIU(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス) タイツ 2,640円/靴下屋(タビオ)


わかりやすく気分が変わるボトムの丈感。黒でつなげつつ、白シャツやローファーの気品を添えれば、なつかしいブルゾンと組み合わせても落ち着いた仕上がりを約束。




深みをまとった渋色タイツでクラシカルなムードを底上げ

タイツ 1,320円/17℃(17℃ by Blondoll 横浜ジョイナス店) ジレ 41,800円、スカート 20,900円/ともにLOUNIE ブラウス 29,700円/デ・プレ カチューシャ 8,250円、イヤリング 12,100円/ともにIRIS47(フーブス) スカーフ 15,400円/マニプリ ボストンバッグ 86,900円/メゾン・カナウ(ヤマニ) Tストラップパンプス 17,050円/ダイアナ(ダイアナ 銀座本店) 


上品なセットアップをプラムカラーのシアーなタイツでレディッシュに。ミニのセットアップでもただ着ただけにならない、脱無難な装いづくりに貢献。




地味とは違う「大人の落ち着きに」

ブラウンジャケット 22,000円/THROW by SLY(バロックジャパンリミテッド) タンクトップ 5,995円/MOUSSY(バロックジャパンリミテッド) スカート 19,800円/ゲミニー(ウィム ガゼット ルミネ新宿店) 黒タイツ 1,430円/靴下屋(タビオ) スニーカー 15,400円/アディダス オリジナルス(アディダスお客様窓口) 


ミニスカートと合わせれば、端正なジャケットを羽織ってもかちっとしすぎない。ローファー代わりのレザースニーカーがあれば、端正なアイテムも親しみやすいルックスに。




高揚感のあるニットをカドのあるレザーでミニマル化

カラーボーダーニット 27,500円/NKNIT レザーミニスカート 50,000円/バナナ・リパブリック ネックレス 17,600円/Once upon a time…青山店 ソックス 3,900円/TW ローファー 9,130円/HARUTA


多色づかいのボーダーニットも深色で統一するとシック。上がしっかりと主張するぶん、黒レザーのミニスカートで潔くそぎ落とすほうが全体がシンプルにまとまる。ボリュームニットの立体感でボトムラインをほっそり見せられるため、脚を出すことに少しでも抵抗感がなくなるはず。




着方でキレよく「ハンサムにショートパンツ」

どっしりとした地厚な生地のショートパンツ。高い腰位置からすそにかけて広がる形で短丈でも重厚感の見た目に。シャツの一番上だけ止め逆Vラインをつくることで、柄をきちんと主張させながら、キレも加算。




人気スタイリストがよく使う「サイズ感を利用したテクニック」

ジュアルとキレイが共存する絶妙なバランスを可能にするためには、着くずし方が重要に。そこで着方のアレンジ幅が広いメンズアイテムを巧みに利用する、人気スタイリスト・樋口かほりさんに効果的に使えるテクニックを拝借。



【スタイリスト・樋口かほりさん】
計算されたサイジングや着こなしの工夫により、シンプルなのに目を奪われるスタイルに定評あり。毎号の表紙スタイリングにも注目。



「女の子が着るメンズ」だからこそ魅力的

メンズっぽい服は、その「サイズ感」が長所。そんなシルエットを生かし、着方に少し工夫を加えるだけできゃしゃなパーツを強調できます。女っぽいバランスをつくるために、アクセサリー選びも手を抜けません」(樋口さん)


【TOPICS】
1.ベーシックだからこそ「メンズサイズで」
2.大きなシャツは抜け感を「えりで補う」
3.小物の役割を果たす「そで口のひと手間」
4.キレイめな服を着る日こそ「ボーイズライクな小物」
5.スウェット・ニットで「飾るといいこと」