さまざまな分野で活躍している「趣味は映画鑑賞」な人たちから、お気に入りの作品を聞き込み調査。Netflix、Hulu、Amazon Prime Video、U-NEXTといったオンライン動画配信サービスを使って、おウチで簡単&手軽に見られる名作を一挙ご紹介。(配信先は記事編集時点でのものとなります。)
(TOPICS)
・「行った気分になれる」名作【9選】
・「インスピレーションがわく」映画【11選】
・「100分で充実感」を得られる名作【8選】
・「なりたい気分」になれる映画【12選】
「行った気分になれる」名作【9選】
おウチにいながらどこかに行った気分を味わえる、没入感の高い作品を聞き込み。旅行気分や異国情緒にひたれる、春夏にぴったりのラインアップで次なる季節への期待を高めて。
『Summer of 85』(2020)

ノルマンディの美しい風景に釘づけ
1985年の夏。フランス・ノルマンディを舞台に、少年アレックスとダヴィドの恋と永遠の別れをみずみずしくも繊細に描いた青春物語。原作は監督が17歳のときに影響を受けたという、エイダン・チェンバーズの小説『おれの墓で踊れ』。
「石だらけの浜辺や防波堤に並ぶ60年代の住宅など、フォトジェニックな街並みも忘れがたい作品。」(映画館 Stranger代表・岡村忠征さん)


『イン・ザ・ハイツ』(2021)

仲間に入って踊っているような気分に
トニー賞受賞のブロードウェイ・ミュージカルを『クレイジー・リッチ!』(2018)の監督が映画化。ラテン系移民が住むN.Y.のワシントン・ハイツを舞台に、若者たちの夢と現実をパワフルな歌とダンスに乗せて贈る。ほぼ全編ロケを敢行。
「登場人物の愛らしさや作中の音楽、ファッションなど、すべてが色鮮やかで、愛に満ちあふれた作品です。」(ヘアメイク・小澤麻衣さん)


『夏をゆく人々』(2014)

イタリア・トスカーナの空気を感じる
第67回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。イタリアの人里離れた土地で、養蜂を営む父親の独自の教育で育てられた4姉妹がひょんなことからTV出演することに。新たな世界が開けていく様子を、長女の視点から描いた作品。
「自然と共存するかのように働く彼らの生活から、舞台であるイタリアの空気が伝わってきます。」(映画館 Strangerスタッフ・吉田晴妃さん)
『食べて、祈って、恋をして』(2010)

一緒に旅して、食べて、祈りたくなる!
小説家エリザベス・ギルバートの人気回想録を映画化。N.Y.で活躍する元ジャーナリストの女性が離婚を経て、リセット旅へ。イタリアで食べ、インドで祈りに目覚め、バリで恋に落ちる。人生に疲れた人に勇気を与えるパワフルムービー。
「食べすぎで太ってパンツが入らなくなり、今までよりも大きいデニムを新たに買いに行くシーンが大好きです。」(スタイリスト・船戸唯さん)


『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(2014)

マイアミからロサンゼルスへくるま旅
評論家と喧嘩しレストランをクビになったシェフが心機一転、サンドイッチの移動販売をしたところ大バズり。旅を通してあらためて料理人の心と家族との絆をとり戻していく。本作で料理にハマった監督は料理ドキュメンタリーも製作。
「食べ物がどれもおいしそうで旅をしたくなります。アメリカ・ニューオリンズのベニエはいつか必ず食べたい!」(DIESELプレス・井上沙理さん)


『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)

100年前のパリへとタイムトラベル
パリ旅行に来ていた作家志望のアメリカ人男性が、夜な夜な1920年代のパリへタイムスリップ。そこでヘミングウェイにピカソ、ダリといった伝説の作家や芸術家たちと遭遇するという、アレン監督の願望をまんま描いたファンタジー。
「どのシーンを切りとっても圧倒的な美しさで、目の保養にもぴったり。毒のないウディ・アレン作品です。」(イラストレーター・green Kさん)
『落下の王国』(2006)

まさに夢のようなおとぎの国へ逃避行
事故で下半身不随になったスタントマンが、入院先で出会った少女に語った壮大なおとぎ話を、世界遺産を含む世界24カ国以上でロケをして創り上げた映像叙事詩。鬼才監督の創作に多大な影響を与えた故・石岡瑛子氏の衣装にも注目。
「インドの神殿や遺跡、南アフリカの砂漠など素晴らしいロケ地の数々に、こんな場所が実在するのかと驚きます。」(カメラマン・菊地史さん)
『ビフォア・サンセット』(2004)

ウィーン、パリ、ギリシャを街歩き
長距離列車で出会った米男性と仏女性が意気投合し、途中下車したウィーンで一夜限りの旅行をし、半年後の再会を誓うが……。その後の顛末と二人の絡み合った人生を同スタッフで計18年かけて製作した、パリが舞台のシリーズ2作目。
「主人公の二人が街を歩きながら会話劇を繰り広げるので、街をともに散策しているような感覚に。」(映画館 Strangerスタッフ・瀧ヶ崎志帆さん)

『真夏の夜のジャズ』(1959)

1958年の米ジャズ・フェスティバルへ
アメリカ・ジャズ界最大の音楽祭、「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」の様子を写真家がとらえたドキュメンタリー。ルイ・アームストロングら伝説のミュージシャンの超絶プレイと、観客のファッションが時代を超えて逆に新鮮。
「多幸感あふれる会場の空気が伝わり、まるで自分も現地へ行ったかのような気分に浸れます。」(映画館 Strangerスタッフ・八坂百恵さん)

「インスピレーションがわく」映画【11選】
思いがけないオシャレのヒントに出会えるのも映画鑑賞の醍醐味。公開予定の注目作をまじえながら、ファッションやライフスタイルのヒントがつまった、視覚的にも楽しい・美しい11本をお届け。
『悲しみよこんにちは』(1957)

セシルカットとボーダーで、夏を駆け抜けて
仏作家サガンが18歳の時に執筆した処女小説の映画化。陽光まぶしい南仏で、父の再婚を妨害したことで巻き起こる17歳のセシルの罪と罰。世界的に大流行したジーン・セバーグの“セシル・カット”も必見。
「赤い水着、イニシャル入りのシャンブレーシャツ、花柄のドレスなど、夏にとり入れたくなる要素が満載!」(映画館 Strangerスタッフ・瀧ヶ崎志帆さん)
『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(2013)

アートと音楽に溺れる、気だるい夜のプレイリスト
ミュージシャンのアダムはヴァンパイア。何世紀にも渡って愛し合うアダムと恋人イヴの元に、イヴの妹で問題児のエヴァが現れたことから異変が起こる。吸血鬼の現代の生きづらさを描いた異色ヴァンパイア映画。
「アダムの部屋やイヴの衣装など、美術がとてもスタイリッシュで、観るたびに創造性が刺激されます。」(映画館 Stranger代表・岡村忠征さん)

『アステロイド・シティ』(2023)

宇宙人に会う日の、ドレスコードは?
今年のカンヌ国際映画祭で世界初披露されたウェス・アンダーソン監督の最新作。1955年、砂漠の街アステロイド・シティで地球をもゆるがす大事件が発生!はたして閉じ込められた人々の運命の行方はー!?

『ルビー・スパークス』(2012)

itガールは突然に
小説家の青年の前に突然、自分が創り上げたヒロインが現れたら!? 恋愛の願望と現実との乖離で悶々とするキュートなラブファンタジー。男性の願望を描いたのかと思いきや、ヒロイン役の女優が脚本も執筆。
「自分の書いた小説から出てきた理想の女の子と恋をするという設定がおもしろく、彼女がとってもかわいい!」(ヘアメイク・小澤麻衣さん)
『アメリ』(2001)

パリジェンヌ・レッドは、幸せの色
パリ・モンマルトルを舞台に、“不思議ちゃん”な主人公アメリの日常と不器用な恋をキッチュな映像で描いたハートウォーミングストーリー。想像力豊かでいたずら好きなアメリのカルト的人気は、いまだ健在。
「映画や映像作品が好きになったきっかけ。パリの街並みに憧れて、実際にロケ地めぐりをしたほど好きな作品です。」(DIESELプレス・井上沙理さん)



『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、
カンザス、イヴニング・サン別冊』(2021)

「読むように、観る」ウェス・アンダーソンの美学
フランスの架空の街にある米国の新聞社が発行する雑誌の編集部が舞台のシュールなコメディ。編集長が急死し、遺言により廃刊が決定。個性的な編集部員たちが、追悼号兼最終号を飾る多彩な記事を集めるが……。
「紙芝居や絵本のような構図がハイセンスで、職業柄刺激を受けました。あまりのオシャレさにきっとうなります。」(イラストレーター・green Kさん)
『フットライト・パレード』(1933)

サテンとタップに溺れる、30’sショービズ・ドリーム
1933年に作られたモノクロのミュージカル映画。トーキーの流行によって失職したブロードウェイの演出家ケントは、映画館のプロローグ・ショーを演出することに。商売は成功したかのように思われたが、仕事でも私生活でもトラブルが続出し……。
「ひとまずミュージカルシーンだけでもご覧ください。美しさを極めることのすさまじさに感動します。」(映画館 Strangerスタッフ・鈴木里実さん)
『トゥルー・ロマンス』(1993)

一瞬で恋に落ちた男女が、彼女の元ヒモをうっかり殺害。大量のコカインが入ったスーツケースを持ち帰ったことから、警察とマフィアから追われる身となるバイオレンス&ロマンス。脚本はQ・タランティーノ。
「作中のファッションも魅力的。ひょう柄コートにデニムとコンバースを合わせた、カジュアルな格好が好みです。」(ヘアメイク・小澤麻衣さん)
『バービー』(2023)

完璧じゃなくていい。“リアル”を探すピンクの冒険
グレタ・ガーウィグ監督が世界でいちばん有名なファッション・ドール“バービー”をまさかの実写化。ピンクに彩られたおとぎの世界で、ある日異変が。その秘密を探るためバービーが人間社会にやってくる? マーゴット・ロビー主演。恋人のケン役はライアン・ゴズリング。

『タイピスト!』(2012)

夢見るタイプガールの、ポップでキュートな逆転劇!
1950年代のフランスを舞台に、タイプライター早打ち世界大会に挑むヒロインを当時のカルチャー&ファッション満載で描いたコメディ。タイピングを鍛えるべく奮闘する修練シーンにはつい笑みがこぼれる。
「主人公のクラシカルなドレスがかわいくて、ヴィンテージショップに探しに行きたくなります。」(Lilas/HARDY NOIRプレス・田井美也子さん)


『猫が行方不明』(1996)

愛猫を預けて3年ぶりのバカンスに出かけたクロエだったが、帰宅すると行方不明に。ルームメイトをはじめ、ご近所を巻き込んでの猫捜しが始まる。パリの日常や人々との交流を小粋に映し出したコメディ。
「主人公が暮らすアパルトマンのインテリアがとてもキュート! ファッションにも注目してみて。」(映画館 Strangerスタッフ・瀧ヶ崎志帆さん)



「100分で充実感」を得られる名作【8選】
2時間以内でサクッと観られる映画は意外と希少。歴史に残る傑作や隠れた名作、気鋭の新作まで。鑑賞後の満足度が高い、優れた8作品をリコメンド。
“Christopher Robin”
『プーと大人になった僕』(2018)

日々の過ごし方を見つめ直すきっかけに
児童文学原作のディズニー作品『くまのプーさん』を実写化。プーの親友、クリストファー・ロビンのその後を描いたファンタジー。大人になり典型的な仕事人間と化した彼が、プーや森の仲間たちと再会し、忘れていた大切なものを思い出していく。
「バタバタした現実を見つめ直せる作品。「この週末があなたの人生なのよ」というセリフが胸に刺さります。」(スタイリスト・船戸唯さん)
“The Myth of the American Sleepover”
『アメリカン・スリープオーバー』(2010)

美化しがちな青春とあらためて向き合える
“スリープオーバー”とはお泊まり会のこと。本作の舞台となる米・デトロイト郊外の高校では、新学期前の夏休み最後の1週間に行われるのが恒例。その中で、思春期の少年少女たちが、恋愛や友情を通じて精神的に成熟していく過程を描いた青春物語。
「登場人物たちと過去の自分を重ねて、「青春ってさえないものだったな」とふと回顧してしまいます。」(映画館 Strangerスタッフ・八坂百恵さん)
