軽やかで、清潔感があって、エレガンス。そんな人物像を印象づける白の長所は、真逆の黒が入ることでより明確に。着慣れた配色の鮮度が変わり、白だけでまとめたときに気になる間のびまで解消できる、モノトーンの新たな可能性を追求。
「上下白が上手くなる」 アイディア 【30コーディネート実例集】
2つのパートに分けて、30コーディネートの実例でご紹介。上下のシルエットや素材感の組み合わせなど、選び方はもちろんのこと、テクニックを要する白の服。そんな白を上手に着こなすコツは? 明日からすぐにできる簡単なルール。
白を上手に着る方法
小さな黒を「添えるように」

主役を黒からゆるい白へと切りかえて脱力感のあるマニッシュへとシフト。オーバーサイズな白の上下に身を包みながら、小物だけは黒を徹底。要所にアクセントとなる黒を散らすことで、白がかもすやわらかな雰囲気は保ちつつ締まって見える強さも加算。スカーフやベルトで、上半身にも締まる黒を配置。
白Tから「モノトーンのプリントTへ」

隙間からのぞく躍動感のあるロゴがフランクな女性像を演出。ロゴやフォトプリントをあしらったアイテムを選べば、白1色のもの足りなさを埋める飾り気が誕生。インナーづかいなど、見せる面積をさらにしぼると、カジュアルなTシャツもおのずと大人っぽく変われる。

背中に配した開放的なトロピカルプリント

フロントの胸元にも小さく筆記体のロゴ入り。肩にニットを巻いたことで、さらりとしたTシャツに適度な重みが足され、風格が宿る。

「影のようなイメージで」黒を仕込む

ボーイッシュな上下の背筋が伸びる締まる黒インナーの即効性。スエットでよくやる白Tとのレイヤードを、黒インナーに置きかえ。首元やそで、すそからわずかにのぞかせたことで、淡い白のぼやけを防ぐとともに、奥行きが増す立体感まで手に入る。ベルト的な役割をはたし、ラクなシルエットながらメリハリよく。
長い服から「黒をのぞかせる程度で効かせる」

ひざまである長さと丸みのあるフォルムで、かっちりとした白シャツのイメージを柔和に転換。配色に加えてシルエットでもコントラストをつけられる黒パンツにより、スマートさは残せるリラックス感を約束。ゆったりとしたトップスをシャープに導く役割として最適な、レギンス風の黒パンツ。ひざから下がややフレア&フロントに深いスリット入りのデザインで、脚線を目立たせることなく着られる1枚。
「デザインの力を借りて」9:1配色

テクニックを要することなく、簡単にやわらかなモノトーンを表現できる、それ自体がすでに白が基調のバイカラー。「合わせるものは白を選ぶだけ」の単純明快な組み合わせながら、デザインの力で洒落た雰囲気も引き寄せてくれる。ジレのフロントはボタンレスなデザイン。珍しいコーデュロイ素材で、ノースリ+ゆれるすその軽やかさにギャップをメイク。
クラシカルなラインのあしらい

特徴的な黒のライン+金ボタンの風格が白1色に欲しい深みを加算。ツイードほど本格的にならない、ソフトなニットの親近感。高めに配置されたポケットにもラインをほどこし、視線を高く誘導。
インナーとして着る透けた柄

上からではなく下に重ねてワンピースとキャッチーな柄の調和を図って。今季豊富な重ねる前提のレーススカート。あえて中に着て「もとからデザインワンピース」のように徹すれば、すました顔して新しさをとり込める。ドットに見えて実は花柄のギミックも粋。
アクセ感覚のウエストベルト

結ばずたらしたリボンがベルトに変わる新たな整え役として活躍。ウエストをぎゅっとしぼれるリボン。目立つ白黒配色のおかげで縦ラインを無理なく強調。
整えるように「黒を巻く」

スポーティなブルゾンとドレッシーなチュールスカートをかけ合わせ、白の中でテイストMIX。それだけでも成り立つところ、仕上げに黒スエットを巻くと、個性の強い組み合わせどうしに落ち着きが得られる。
選ぶ基準はワントーン。使える白は「白に合う白」
使えてオシャレな白の服に簡単にたどりつける方法は「白に合う白の服」。引き続き「ワントーンで着ても違和感がない」ことを基準に、白との合わせはもちろんのこと、ほかの色や服とのコーディネートも上手くいく「6つの方法」を実例でご紹介。(使用した服は現在お取り扱いのない場合がございます)
1
「シルエットで」メリハリをつける
パンツは「ゆるく・柔らかく」縦落ちするシルエットを

【ルーズな形のハイウエスト】
トップスは深めのVネックでコンパクトなサイズ感。対してボトムはワイドでルーズ。このシルエットの違いがのっぺりしがちな白のワントーンにメリハリを生むポイント。トップスは長そでなら首回り、ノースリーブなど「肌が効くデザイン」で引き締めを。
「ワンピースを作る感覚で」フィット&フレアなシルエット

【コンパクトなノースリ+フレアスカート】
タンクトップ+落ち感のあるフレアスカートのスタイリングに、カーデをゆるっと巻いて肌感をセーブ。さらに足元をシャープなパンプスにかえれば、品格と女らしさが高まり、タンクトップがエレガントな面持ちに変化。
ウエストの位置を「高く見せる」

【腰位置も高く見えるペプラム風ブラウス】
腰位置高めにタックをあしらいつつ、絞りを入れたメリハリのあるシルエットで脚長バランスを演出。白のワントーンも、上下のシルエットに差をつけることでバランス良く仕上がる。
Iシルエットで「そでだけボリューム」

【そでにふくらみのあるトップス】
細身シルエットの緊張感を和らげる、そでのボリューム感。辛さが残る直線的なスカートなら、甘いブラウスと合わせてもガーリーに転ばない。スカートはとろみのあるサテン素材や、ラップスカートなら細身でもレッグラインを締めつけず、動きやすさもカバー。
2
「丈感で」メリハリをつける
下を極端に長く

【ワンピ兼用のロングスカート】
マキシ丈のスカートとしても、チューブトップのワンピースとしても着用できる、伸縮性のあるウールニットとナイロンを混紡したホールガーメント仕様。ウエスト位置を自由に設定できるので、身長に合わせて使えるタイプ。
短い丈の羽織りもの

【ボレロを新投入して上は極端に短く】
気楽に着脱できる羽織りアイテムなら、短い丈もとり入れやすく、使いやすい。ボリューム感のあるフリルも、ショート丈なら、コーディネート全体に占める量もちょうど良く浮いて見えない。スカートスタイルにはもちろんのこと、ワンピースの上から、デニムなどのラフなボトムにも好相性。
動くと「なびく」ドレッシーなロングスカート

【ゆったりキレイな白サテンを採用する】
たっぷりとした生地が優美に揺れることで、気品のあるボリュームを生むフレアスカート。地厚なダブルサテンの風合いにより、見た目の重たさを縦に流しつつ、脚線を拾わずスタイルアップ。素材の光沢と相性がよく高級感が増すエクリュは、真っ白よりも何色とも合わせやすい色。
ハイウエスト+ワイドのショートパンツ

【ミニの格上げも図れる長そでとのコンビネーション】
白の膨張感を手っ取り早く防げる「肌が出る服」に適任なショートパンツ。「長いそでと短い丈、・細さとゆるさ」。シルエットや肌の見え方に差をつけるのも、バランスアップのポイント。でバランスUP
ロンTのほのかな透けや、くしゅっとたるむそでのニュアンスが、きゃしゃな見た目に貢献。ラフなアイテムによる肌見せと、洗練された白の持ち味が相まって甘すぎずも女性らしい装いに。
3
「柄で」メリハリをつける
プリントではなくカッティングによる柄

【白の膨張感も防ぐほのかに透けるジャカード】
柄もプリントではなく、カッティングなど「デザインによるもの」なら悪目立ちもなく、とり入れやすく着回しにも重宝。同色の花柄がモザイク的な役割を果たして、体型カバーに効果を発揮。クラシックなジャカードなら花柄もシックに装える。
「小さな黒」でクラシックな白のワントーン

【着回しもきく小粒な黒のドット柄ブラウス】
ポイントは「白の分量をメインに・黒はごく小さく。オール白にはもちろん、淡いベージュやキレイ色、黒など、どんな色にもぴったり似合う「着回せる柄」。
4
「肌感で」メリハリをつける
ゆるくて長めな羽織り+「素肌感」のあるインナー

【透け感のある ゆるくて長めのカーディガン】
デコルテや腕を潔く出した、タンクトップやキャミソールに「もう1枚」重ねて2枚セット感覚のインナーコンシャスな装い。そんな組み合わせのボトムには、メンズライクなワークテイストがお似合い。
「素肌感の軽さ」に好相性な「厚みのある」ニットカーディガン

【潔く見せたデコルテで 長くてゆるい白の膨張を回避】
全部「ゆるめ・長い・まっすぐなシルエット」。肌の出るトップスに合わせたいサマーニットは、ゆるく羽織れるカーディガンが便利。柄やケーブル編みなど、シンプルな装いに奥行き・メリハリをもたらすデザインがおすすめ。
真っ白なデニムのサロペットに、ぬくもりのあるアイボリーのケーブルニットをON。ゆったりとした形ながら、ライン入りのデザインが縦感を強調してスマートに。
「重ねて着る」ルーズなサマーニットを活用

【オール白にメリハリがつくシルエットのコントラスト】
キレイと心地よさを同時に得られる、これからの季節も不可欠なニットをマイナーチェンジ。肌感インナーとセットで、着るというより肩にひっかけて着る感覚のゆるニットは、胸下までとどく深Vネックとルーズなシルエット。
「肩を出して」カジュアルなサロペットをキレイめに

【楽でもルーズに見せないスレンダーな形】
肩がやや内側に入ったアメリカンスリーブのタンクトップは面積の多いサロペットと合わせて、縦長感を強調。すそはロールアップして、足首を見せれば、抜け感もきちんと。
5
「色味の差で」メリハリをつける
ぬくもりのあるクリーミーな白とクリアな白

【羽織っても・ワンピにもなるビッグシャツ】
ポイントの1つは色味。クリーンな白シャツにも合わせて浮かないくすんだアイボリー、そして透けずにヒラつきすぎない厚みがありながらも、暑くない風通しのよい素材感。
デニムならではのくすんだ色味を利用

【白でも締まって見えるグレイッシュなアイボリー】
穿きこんだような、白でも色落ちしたようなデニム独特の色味を利用。肌感のあるタンクトップにゆるいカーディガンを引っかけた鉄板レイヤード。明度を落としたニュアンシーな白デニムが、クリーンな白とも好相性。
6
「上は軽く・下は重め」 重量の差でメリハリをつける
軽快な白だからボトムは重めがちょうどいい

【厚手・広がる・長い丈 のボリューム感のある白】
透けるトップスやキャミ・タンクなど軽く薄手のトップスも浮つかず、きちんと感をもたらしてくれる、重みのあるスカート。トップスに限らず、肌の出るサンダルにも好相性。「ボトムだけ重めにする」ことで簡単にバランスも整う。
白パンツの選択基準は「白Tに合う」白パンツ

【薄軽トップスにも好相性な透けない厚みのパンツ】
着回しにも重宝する服選びの1つの方法「白Tに合わせて違和感のない服」。白Tやシンプルなトップスと合わせたときにもニュアンスがつくセンタープレス、配色のコントラストを和らげるクリームがかった色味、薄手のトップスやボトムとも好相性な、透けにくく丈夫な生地など、必然的に「使える服」の要素を含んだボトムにたどりつける。
「ベージュに近い」サーマル素材のキャミワンピース

【スカートづかいしたワンピが上品な雰囲気をあと押し】
真っ白よりも力みがなく、形は甘めでも素材はカジュアル。ワンピは1枚で着ればドレッシーに、さらにトップスを重ねて着るのにも適する、フィット&フレアシルエットのキャミタイプをセレクト。かさっとした、ドライな質感のサーマルワンピの上に、かすれた色づかいのフォトTをON。ワンピはシルエットの切り替えも高めの位置なので、ショート丈のトップスを重ねるのにも最適。