素材やシルエットが勝負のベーシック服は、こだわりを持ってセレクトすることが肝心。リアリティのある提案で支持される二人への取材から見えてきた、「最強のシンプル服」とは? 2回目は、モノトーンやシンプルなスタイルの人にぴったりのアイテムを。
KAORI HIGUCHI
表紙のスタイリングを毎号担当。私服でもデニムを着ることが多く、大人に似合うカジュアルや品のいいメンズっぽさの提案が得意。
MAKIKO IWATA
毎月数多くの企画を抱える人気スタイリスト。旬を押さえながらも、女性らしさやエレガントさの漂うアイテムの選定に定評アリ。
WITHIN MONOTONE
「モノトーンの中での冒険が安心」
普遍的な色・黒と白の幅をさらに広げるべく、目新しさのある4着を選んでもらいました。甘い黒やドレッシーな白。いつもとひと味違うテイストで、定番色のムードが劇的に変わる。
樋口さん:流行り廃りのないモノトーンを選んでおけば、トレンドのアイテムや攻めたデザインも、ワンシーズンだけで終わらず、きっと「また着たい」と感じると思う。
岩田さん:この春注目したいキーワードのひとつ、〝テカリ”。よく着る黒はそのまま、素材だけ更新するのが簡単だし確実。「ホリデイ」のドレス[1]はスタンドカラーだったりくるみボタンがついていたりと、クラシックなデザインだから、モードすぎず着やすい。
樋口さん:クラシカルな黒は、きつく見える心配がないからとり入れやすいよね。私がリースした「ナコ パリ」のスカート[2]も、昔っぽい水玉柄がかわいい。「派手だけど地味」っていう色と柄のバランスがタイプです。私だったらトップスも黒を合わせるかな。人からどう見られるかっていうより、自分の「着たい」っていうマインドに沿って選んだ甘い柄や派手なデザイン。黒か白なら、トゥーマッチに見えないから安心。
岩田さん:私が選んだ「アイレネ」のドレス[3]は、ジャンパースカートのような甘いフォルムが特徴。これでデニム地だと幼く見える危険もあるけど、潔いホワイトだとハンサムな雰囲気になる。黒のインナーを仕込んで、とことん辛口にもっていくといいと思います。
樋口さん:黒だとドレッシー一択に陥りがちなシルエットも、白だったらデイリーづかいしやすそうだね。「エンフォルド」のドレス[4]もクリーンな白、さらにはシャツ素材だから、大胆なデザインだけどヘルシーに着られる。デニムやニットパンツなど、ラフなものを下にはきたいな。
[1]HOLIDAY|「光沢をまとった黒」
黒ナイロンドレス 36,800円+税/HOLIDAY(ホリデイ)
[2]NACO PARIS|「地味な色で派手な柄」
スカート 38,000円+税/ナコ パリ(ジャーナル スタンダード 表参道)
[3]IRENE|「ガーリーな形をあえて白で」
ドレス 60,000円+税/IRENE(ルシェルブルー カスタマーサービス)
[4]ENFOLD|「カジュアルに着る白のドレス」
白ギャザーマキシドレス 88,000円+税/ENFOLD