メイクのプロたちが「やめた」こと
工程を省いたり、使用アイテムを最小限におさえたり、必要だと信じ込んでいたことをやめてみたり。メイクの目新しさを引き出すには「足す」ではなく「しない」ことにヒントがあるのかもしれない。そんな視点からマスカラは黒をやめる、ビューラーは使わない…など「やめる」ことで好転したエピソードをプロや美容通たちに調査。すぐに実践できるリアルなテクニックは必見。
(SPECIAL THANKS)
AYANAさん(@tw0lipswithfang) ビューティライター
植木祐里加さん(@y.makeup.u) ヘアメイク
MAKOさん(@mako_oikawa) KATE Mirrorディレクター
木部明美さん(@kibeburu) PEACE MONKEY所属・ヘア&メイク
SAORIさん(@saori000917) W EYE BEAUTY 表参道本店 総括マネージャー
笹本恭平さん(@kyoheisasamoto) ilumini所属・ヘアメイク
塩澤延之さん(@shiozawanobuyuki) mod’s hair所属・ヘアメイク
スガタクマさん(@sugatakuma) ヘアメイク
常岡珠希さん(@tamaki.tsuneoka) 化粧品会社経営
藤井明子さん(@fujiko0207) FATUITE ディレクター
まぃまぃさん(@maimai.007) ビューティライター
mao itoさん(@wit_mao) ヘアメイク
Rumiさん(@ru0711) Rula ヘアスタイリスト
「ビューラーをやめて」大人びた目元に

「まつ毛を上げると目がクリッとし、かわいい雰囲気になってしまうのが嫌で、あえてマスカラのみに変更。下向きのまつ毛で下まぶたに影ができる、アンニュイな感じが好きです。ビューラーをしないと傷むこともなくなり、以前よりも長く健康的なまつ毛になりました」(藤井明子さん・FATUITEディレクター)
アイシャドウは「上まぶたをやめて」派手さを軽減

上まぶたに塗るとアイシャドウの存在感が前面に出てしまい、濃いメイクになってしまうのが苦手。そのため下まぶただけに塗布することが多いです。そうすることで色の印象はしっかり出せるのに目立ちすぎない、という絶妙なバランスに仕上がります(mao itoさん・ヘアメイク)
「チークはハイライトと兼用」で透明感を加算

「チークにハイライトを重ねていた工程をハイライトに一本化。粉っぽさがなくなりメイクくずれも気にならないように。Diorのハイライトはほどよいピンクで肌のトーンも上がり、繊細なラメによってパッと明るくなる」(MAKOさん・KATE Mirrorディレクター) ディオールスキン フォーエヴァー クチュール ルミナイザー 02 7,150円/パルファン・クリスチャン・ディオール
発色の良さよりも「透けさせて」アイラインを立体的に

「しっかり発色するアイライナーから半透明のものにチェンジ。目のフレームを強調したいけど盛っている感は出したくないという欲をかなえてくれます。ディー・アップのものは繊細なブラシで細いラインが描きやすくて好き」(常岡珠希さん・化粧品会社経営) シルキーリキッドアイライナー シフォンブラウン 1,430円/ディー・アップ
「黒をやめて」自然な陰影

「マスカラは黒を使わず、深いパープルやオリーブに。黒の延長色なので、派手さが出ず、ほどよいメリハリとトレンド感を出してくれます。アイシャドウやアイライナーもトーンを合わせると一体感が出てオススメ」(スガタクマさん・ヘアメイク)
「メイクツールを使わない」ことでほどよい抜けを確立

「スプーンをビューラーに代用。温めたスプーンをまつ毛に押しあてることでまつ毛のカールを生成。ビューラーだと均一にまつ毛が上がりますが、スプーンを使うことで不規則な上がり方がまざる。そうすることで抜けにつながると思っています」(塩澤延之さん・ヘアメイク)
「脱スポンジ塗り」で肌との一体感を高める

ベースメイクはスポンジを使用していたのですが、めんどくさくて手で塗ったところ、かえって肌なじみがよくなり、びっくり! 下まぶたなど細かい箇所に薄くつけたいときはスポンジを使用し、うまく使い分けています(mao itoさん・ヘアメイク)
眉マスカラは「色をのせない」ことで毛流れよく

「アイブロウマスカラの塗った感が気になり、思いきって色つきからクリアのものに切り替え。ナチュラルな仕上がりになるのはもちろん、抜け感が出るように。お気に入りはKANEBOのもの。ツヤがあり立体的に見えます」(SAORIさん・kakimoro arms PR) カネボウ クリアアイブロウフィクサー 3,300円/カネボウインターナショナル Div.
「ポイントを1つにしぼって」こなれ感

「顔に1つだけ主張しているところを出せば、だいたいメイクはキマります。そのため、今日はリップが主役などとメインを決めてそれ以外は何もしないのもあり。すべてのパーツを飾るより洒落た印象に仕上がります」(木部明美さん・ヘアメイク)
マスカラは黒をやめる

「1つで、ラクしてさまになるということにぴったり。悪目立ちせず品もいい濃いブルーやグリーンもおすすめです」(木部明美さん・ヘアメイク)
【木部さんのお勧め】ザ マスカラ カラーニュアンス WP Starry Sea 4,180円/アディクション ビューティ ニューアンビエンスカラーマスカラ アンディファインド 2,200円/hince
「アイシャドウをせず」に目力アップ

シマリング グローデュオ 01 4,950円/THREE 「愛用中のハイライト。塗るとクリーミーな質感がパウダリーに変化。濃い色をまぶたに塗るのが定番でしたが、くすみを飛ばすためにハイライトをのせたことがきっかけ。塗ったとたん、二重幅がはっきりし目が大きくなったのに驚愕。それから目元はハイライトのみに」(及川さん・KATE Mirrorヘアスタイリスト)
「眉毛はしっかり描かず」雑に仕上げてナチュラルに

「どうしても作った感が出てしまうので、眉毛はきっちりとキレイに描きすぎないことを意識しています。パウダーでふわっと描いて眉マスカラで毛並みを整えるくらいが今っぽい。ラフさが出て、自然な目元に仕上がります」(笹本恭平さん・ヘアメイク)
プロが明かす「仕上がり段違い」ベースメイクの正解
同じようなコスメを使っていても仕上がりが全く違う。そんなプロのヘアメイクたちが現場で行っている、ベースメイクの本当の正解・マル秘テクニックをこっそり公開。ファンデやコンシーラーそのものでのカバー・さらにテクニックでのカバーを上乗せした、今日からすぐに役立つテクニックは必見!(コスメやスポンジの価格は変更の可能性がございます)
【MEMBERS】
(塩沢延之さん)mod’s hair所属。GISELeの表紙ヘアメイクを担当。伸ばしたり重ねたりするのが容易にできるため、ファンデはブラシで塗る派。シャネルのレ ベージュ オーデゥタンを買うとついてくるブラシを愛用。 (スガタクマさん)質感をたくみに操り、絶妙な抜けを生み出すメイク。ナチュラルだけどキレイに見えるベースメイクに定評。 (小澤麻衣さん)mod’s hair所属。GISELeではファッション特集のヘアメイクを多く担当。光を反射することでワントーン明るく見えるような、保湿された肌が好き。 (木部明美さん)PEACE MONKEY所属。鮮やかな色づかいのカラーメイクにファンも多数。
【顔全体にファンデは塗らない】

「足りないと思うくらいの量を顔の中心につけるのがオススメ。生え際を塗らないことで厚塗り感は出ず、老け顔になることも回避。あえてワントーン明るめを選べば、小顔効果も発揮できます」(小澤さん)
【コンシーラー→ファンデの順に塗布】

「ファンデはコンシーラーと肌をなじませる役割。そのためコンシーラーを塗った箇所から薄くのばしていくイメージで塗ります。こうすればもともとの肌がキレイと思える自然な肌に仕上がります」(塩沢さん)
【下地は2種類をまぜて使用】

「ベージュ系の下地だと肌なじみはいいけどくすんで見えてしまうので、ピンクの下地を少量MIX。ピンクの下地だけだと白浮きする悩みもまぜることによってほどよくトーンアップ」(木部さん)
【1トーンから2トーン下げたファンデの色を】

「ナチュラルな血色感を意識するため、使う色は肌よりも1トーンから最大2トーンは下げたものを選択。さらにベースは肌の色みを問わず、オレンジ寄りのイエローにするとよりナチュラル」(スガさん)
【のばさずたたくように塗る】

「ベタッとのらないようにファンデを薄く重ねていくことを意識。リキッドやクッションを問わず、空気を含むように細かくたたきながら乗せると、カバーはしているけど厚塗り感が出ない」(スガさん)
【ファンデでクマやシミは隠さない】

「気になる肌トラブルはファンデだけでは隠れないので、潔くコンシーラーに頼るようにしましょう。コンシーラーで気になる箇所を隠し、ファンデは極力少量に。そうすることで素肌感が保てる」(小澤さん)
「肌のコーディネート」失敗しない肌づくりの組み合わせ法則
人気ヘアメイクたちが現場でやっている「肌づくり」を公開。「塗ってない感」「毛穴レス肌」「肌ツヤ増し」それぞれ「コスメの組み合わせ」によってかなうテクニックをご紹介。
「塗ってない感」をつくる肌のコーディネート法

「このコントロールカラーは肌の色みをうまく調整してくれるのでファンデが少なくてすむ。さらに油分が少なめなので、油分の多いシャネルのファンデと好相性です。仕上げのパウダーも少なくてすみ、地肌のような質感がつくれるから好き」(塩沢さん)
(右)レ ベージュ オー ドゥ タン(ブラシつき) 30mL 9,790円/シャネル
(左)ステップ 1 プライマー 30mL レッドネスコレクター、フレッシュブライトナー、ダルネスイレイザー 各5,390円/メイクアップフォーエバー(レッドネスコレクター:肌を保湿しながら赤みをカバー。 ・フレッシュブライトナー:顔色を明るくし、フレッシュな印象の肌へ。 ・ダルネスイレイザー:色ムラをカバーし、均一なスキントーンの肌をつくる)
2つのコスメを混ぜて作る「毛穴レスのさらりとした肌」

「セミマットの土台をつくったあとに、メリハリをつける意味でハイライトを入れるようにしています。白浮きしたくないのでエトヴォスのピンクがかったクリームタイプのハイライトが必須。仕上げにローズラボのパウダーを軽くたたけば、毛穴レスのさらりとした美肌になります」(木部さん)
〈右から〉ALL day シルキーモイストパウダーR 3,520円/ROSE LABO ミネラルラディアントスキンバーム 4,400円/エトヴォス
エトヴォスのバームはプロの愛用者も多数。植物オイルを閉じ込めたグロウコーティング処方により、リッチな保湿力を実現。乾燥しがちな肌もしっとり潤う。乾燥小じわを目立たなくすることが日本で初めて認められた名品。
肌ツヤが増すベースメイクの組み合わせ

「ツヤ肌に仕上げるときは、自然な光沢が出るシュウ ウエムラの下地を使います。ベージュのほうを先に塗り、その後トーンアップのためピンクをのせるダブルづかいがカギ。最後にスックを薄く重ねれば、ハイライトいらずの発光した肌に仕上がる」(スガさん)
〈右から〉スック ザ ファンデーション 115 30g 14,300円/SUQQU アンリミテッド ブロック:ブースター アンズ ベージュ、サクラ ピンク 30mL SPF50+・PA+++ 各5,380円/シュウ ウエムラ
全23色をそろえる、SUQQU史上最高にラグジュアリーなクリームファンデーション。シュウ ウエムラの下地は、独自のテクノロジーで色ムラ・凹凸感によるくすみやキメの粗さなどを一掃。肌の潤い感が続きコンディションを整え、透明感ある生き生きとした血色感へと導く。
プロも使い続ける「ファンデ塗布時の名品」
いつものファンデの完成度をもっと上げるために、プロたちが口をそろえて言うのは「塗るツール」。同じファンデでもスポンジやブラシを使ったかどうかで仕上がりは大きく変わる。プロの愛用品を含め、塗るときに欠かせない相棒を収集。
ヘアメイク・スガタクマさん愛用

たたき込むように塗布
&be ブラックスポンジ 770円/Clue 「肌当たりがよく、するするとすべりがいいので摩擦が起きづらく使いやすい。スキンケア、下地、ファンデなど一連の流れをすべてこれでやっています。黒いからファンデの汚れが気にならないのも好きなポイントです」(スガさん)
ヘアメイク・小澤麻衣さんの愛用

塗りやすい斜めカット
SIXPLUS 多機能メイクスポンジパフ(ピンク) 990円/勝美商事 「やわらかく弾力のあるスポンジです。斜めに切り落とされた面があるのが特徴。額などの広い範囲にも塗りやすく、ムラなくキレイにのばせます。先端で小鼻など細かい部分も塗れるからいい」(小澤さん)
ヘアメイク・笹本恭平さんの愛用

肌触りのいい風合いに変化する
ロージーローザ ジェリータッチスポンジ ハウス型 6P 528円/ロージーローザ 「水を含ませると肌ざわりのいいプルプルの風合いに変化するスポンジ。ファンデーションを塗ったあと、チークを塗る前にこのスポンジを使い、肌をなでるようになじませて。ファンデーションと肌を一体化させると、次につけるチークのなじみがよくなります。ファンデーションを塗るときにもこれを使えばさらにキレイ」(笹本さん)
ヘアメイク・木部明美さんの愛用

まとめ買いする理由がある
ROI プロフェッショナルスポンジ 1,320円/ROI 「リキッド、クッションファンデから、クリームチークにも使えるユーティリティスポンジ。キメが細かく弾力のある素材なので、余分なファンデをしっかり吸収し、厚塗り感のない肌へと仕上がります。楕円形で目尻や小鼻などの細かいところにもフィットさせやすいので、ストックするために複数買いしました」(木部さん)
モデル・俳優 千國めぐみさんの愛用

しずく形のモチモチパフ
ムーンショット マイクロ コレクト フィット クッション SPF50+ PA+++ 2,750円/シンビ ジャパン 「先がとがっている形が使いやすくて、かえのパフをムーンショット以外のクッションファンデーションにも使っています。パフの感じもモチモチしていて肌あたりが気持ちいいし、フィット感がしっかりあります」(千國めぐみさん:モデル・俳優)
ビューティスタイリスト・田中亜希子さんの愛用

この形状に意味がある
ティアドロップパフ 1,100円/エトヴォス 顔のどの部分にもフィットするこだわりのティアドロップ形で、水にぬらすと数秒で2倍サイズにふくらむ。粉ファンデのドライ/ウエット2WAYをこなせる。「チークもファンデもこれさえあればどこでもすぐ&完璧にリタッチできます」(田中亜希子さん・ビューティスタイリスト)
ビューティライター・AYANAさんの愛用

小回りが利くからいい
五角スポンジ(4個入り)660円/シュウ ウエムラ 「コンシーラーやハイライターなど部分づかいの、ベースメイクのサブとして使っています。小鼻まわりなど細かいところも小回りが利き、肌あたりもソフトなのでノンストレスです。同じくシュウのシンセティックのアイシャドーブラシ10とともに長年愛用しています」(AYANAさん・ビューティライター)