コーディネートにおけるヘアの役割は大きい。服やメイクのように毎日コロコロ変えられるものではないからこそ、「服はそのまま、着方を変える」ように、ヘアにおける再構築のパターンも多く持っていたほうがいい。
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DETAILS, NUANCE
「何か違う」は細部に宿る
まず手始めに、それぞれの分野のトップランナーの頭の中をのぞき見。質感1つ、分け方1つをどう考えて落とし込むか。その強いこだわりから得られるヒントは多い。
NOBUYUKI SHIOZAWA
mod’s hair HAIR&MAKE-UP
「決める日もあれば、ハズす日もある」
「総合的には服とのバランス」とひかえめに語り始めながらも、その髪型に行き着くまでの思考はこのうえなく深い。「力を入れる/抜く」をとらえたエッジィ、ときに遊びのある硬軟あわせもつヘア&メイクを得意とする。
1. 前髪=印象をあと押しする演出
シースルーバング〈左〉は大人っぽさも抜けも両得。コンサバをゆるめたいときにちょうどいいし、太め眉に1枚フィルターをはさんでぼかす役割も。反対にウエットタイトな前髪〈中央〉は強さをあと押しする感覚。ベイビーヘアを生かす前髪〈右〉は個々の生えグセがそのまま出るので表情にやわらかさが生まれます。
2. メンズ用ならではのよさもある
意図して逆のことをやるのが好きで、メンズ用スタイリング剤を使うこともあります。女性用だとなじんで落ち着いてしまうところが、グリースならかたいテカリや毛の流れがつくので、ナチュラルな人におさまらないひっかかりになります〈上〉。かたいワックスをムラにつけて、ただのふわふわやクセ毛の延長に見せないボサッとくずしたニュアンスを出すことも〈下〉。
3. 『パルプ・フィクション』のユマ・サーマン
黒髪なのに「いかにも」な行きすぎ感がまったくないし、赤リップなのにセクシーすぎず、肩につくこの長さのボブなのに大人っぽい。多くを語らずともその世界観に引き込んでしまうストーリーの一部を担うツールとして、バランス感覚がすごくいいですよね。