シャツを新調するなら「ゆるめがいい理由」まじめなシャツを「まじめに着ない」コーディネートのポイント


シャツはスタンダードなアイテムゆえに「まじめすぎる」「どこか垢抜けない」ことも。その「おかたい」イメージを逆手にとれば、着心地のよさやさらりと羽織るだけの着方でも、シンプル以上につながる結果に。ゆるさを軸にどんなシャツを選べばいいか、実例を通して検証します。



気張って見えないゆるいシャツ「選び方・組み合わせ方」

透けのある素材や縦に落ちるドレスのような質感など。やわらかい生地が旬の今季は「キレイなのにかたくない」バランスのとれたシャツが豊作。落ち着いた色やひらひらしない厚みを意識することで、シルエットはゆるく・心地いいものでも「街にとけ込むけだるさ」が手に入る。



ルーズな形でエレガントなたたずまい

白シアーシャツ 2,290円/GU オフ白パンツ 49,500円/ギャルリー・ヴィー(ギャルリー・ヴィー 丸の内店) バッグ 9,350円/ナノ・ユニバース(ナノ・ユニバースカスタマーサービス) ストラップサンダル 19,800円/ダイアナ(ダイアナ 銀座本店)


シルクのようなとろみと、ほのかな透け感。ゆったりとしたシャツは、横に広がらず「縦に落ちる」ようなシルエットが作れる、とろみ素材を選択。シワになりにくい生地というのも利点のひとつ。後ろの丈が少し長いため腰まわりも上手に隠してスタイルカバーにもひと役。


【着方のPOINT】ほのかに透ける素材は、単調になりがちなワントーンのメリハリづけにも最適。チュールライクなパンツと縦落ちする質感をつなぐことで、全身ゆるくてもすっきり。きゃしゃなサンダルで足元はキレを残して。



メンズアイテムならではの「余白」

ネイビー×白ストライプシャツ(メンズ) 39,600円/ATON(ATON AOYAMA) チェーンつきブラウンミニバッグ 6,990円/MANGO カーキフレアスカート 18,920円/ReNAVE(NAVE) デニムパンプス 7,990円/MANGO 


そでも長く身幅も広い、オーバーサイズのゆるさを1枚で堪能。丈が長いぶんただ着るだけだともったり見えてしまうから、首元に加えてすそのボタンも広めに開けてスリムなスカートをのぞかせることで、ボリュームを調整。



【着方のPOINT】メリハリを生む、シャツのドライな質感と、ナロースカートのしっとりした質感。スカートは無骨なカーキで、パンプスはデニム素材で。キレイめアイテムもラフさのあるデザインでとり入れ、女らしさをすぎないバランスに。



色はシックに「素材は気楽に」

黒リネンシャツ 31,900円/カレンソロジー(カレンソロジー 新宿) グレースカート 31,900円/ロエフ(エイチ ビューティー&ユース) イヤリング 8,800円/アビステ リング 74,800円/ノアーク(ノウン) バッグ 44,000円/メゾンエスアッシュパリス(フレームワーク ルミネ新宿店) シューズ 15,950円/ダイアナ(ダイアナ 銀座本店) インナー/スタイリスト私物


「カラミ織り」という透け感がありながら耐久性も高い上質な仕立てのシャツ。光沢のある黒リネン素材で、ざっくりと羽織っても品のいい見た目に貢献。短すぎず、長すぎないほどよい丈感だから、合わせる服やテイストを選ばず、1枚でも羽織りとしても活躍が期待できる。


【着方のPOINT】体にまとわりつかないオーバーぎみのシャツをほんのり透けるリネンでさらにレイジーに。あえて辛口な黒で選ぶと、ラフな着方でも品を保てる。



「どのようにでも着られる」あり余る丈

オフ白ワイドシャツ 35,200円/アストラット(アストラット 新宿店) ブラウンテーパードパンツ 23,100円/THE SHINZONE(Shinzone ルミネ新宿店) 眼鏡 47,300円/アヤメ ゴールドワイドリング 3,590円/ZARA(ザラ カスタマーサービス) ミュール 31,900円/PIPPICHIC(ベイジュ) インナー/スタイリスト私物 


あり余るほどの丈感で、1枚で雰囲気が出せるオーバーサイズ。ほのかに透けるタフタ素材+フライフロント仕様でシルエットの重たさを感じさせず軽やかに。素材の適度なハリ感・前後差のある丈により、ゆるく丸みを帯びたバッグシルエットを形成。アウターとしてもミニワンピとしてもさまになる、シンプルなのに迫力のあるたたずまいに。


【着方のPOINT】オフホワイトのシャツから、こっくりとしたブラウン、ゴールドとなんとなく色調をそろえてなじみよく。シャツ+テーパードパンツを合わせたハンサムなルックスに、ウエストから開いたシャツのフロントやゴールドのサンダルで隙をつくり、「ねらった無造作」を表現。



大きい面積に「繊細なストライプ」

ブラウン×白ストライプシャツ(メンズ) 39,600円/ATON(ATON AOYAMA) 黒ベアトップ 9,350円/LE PHIL(LE PHIL NEWoMan 新宿店) 黒リネンワイドパンツ 20,000円/バナナ・リパブリック バッグ 11,000円/ケッシュ ル エッセンシャル(エディット フォー ルル)


洗いざらしたようなドライな質感のビッグシャツ。オーバーサイズならストライプのおかたいイメージも和らぎ、繊細なニュアンスに好転。ストライプの色はブラウンを採用することで、リラクシーなムードにもお似合いのマイルドさに。


【着方のPOINT】カーディガンがわりにオーバーシャツをさらりと羽織り、黒いワンツーの迫力をエフォートレスに。シャツのまじめさがあれば、ベアトップも都会仕様。



身ごろとそでに境目がない「絶妙なゆとり」

アイボリーシルクシャツ 16,500円/バナナ・リパブリック カーキフレアスカート 18,920円/ReNAVE(NAVE) カーキキルティングバッグ 49,500円/ダブルスタンダードクロージング(フィルム) ブラウンローファー 17,930円/A de Vivre


ゆるっとしすぎず、コンパクトでもないフォルムに、肌をすべるようなしなやかさ。それらがボリュームを縦に流して幅広ボトムと合わせてもすっきりとした印象に。日の光で淡く透けるシルク100%の上質感が、涼しく装ってもラフに転ばない雰囲気を演出。


【着方のPOINT】締めつけないけど広がりもしない、上下落ち感のある素材だけで構成されたワンツー。すそのボタンを開けた意図的な逆Vラインのキレが、ソフトな見た目を引き締めるのに効果的。



ワンピースの上から「長いシャツをもう1枚」

白ワンピース 20,900円/MIESROHE ピンクストライプシャツワンピース 67,100円/マディソンブルー グリーンサングラス 53,570円/Oliver Peoples(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス) シルバーフラットシューズ 36,300円/PIPPICHIC(ベイジュ)


毛羽立ちの少ない、軽くなめらかな素材感。メンズのシャツをそのまま大きくしたような、シャツワンピース。白+ピンクのさわやかな配色なら、縦長+柄も威圧感なく爽快な仕上がりに。


【着方のPOINT】Iラインのワンピースの上から、もう一枚ワンピースを重ね着。丈の異なるシャツタイプのボタンをあえてずらして、縦長シルエットに空気を含んだような立体感をメイク。すらりとしたイメージのまま軽やかなレイヤードスタイルに。



1枚でさまになる「個性的なデザイン」

白バルーンシャツ 36,300円/ENFÖLD ベージュワイドパンツ 13,900円/MANGO ピンクミュール 6,990円/MANGO ゴールドピアス 3,850円/ROSE BUD(ROSE BUD ルミネエスト新宿店) 


ハリのある素材のすそにはゴムが内蔵。身ごろからそで口までひと続きになったドロップショルダーも相まって、目にとまる立体感の完成。ボリューミィなフォルムに、左右差のあるユニークなえりが装いの感度を高く。



【着方のPOINT】立体シルエットに丈は短めだから、ワイドパンツと合わせてもバランスは良好。手持ちのやわらかな白シャツとはまた違う、個性的な印象が手に入る。

 

普通だけどキレイ「白シャツと定番ボトム」着回しパターン

基本的に着まわし力の高い白シャツの中でも、さらに使いやすさを追求した先に見えてきた3つの条件。ボトムを選ばないゆったり感、真っ白より浮かないあいまいな白、仕草に応じて表情が変わるやわらかさ。譲れない条件をクリアした優秀な1着で着回しを敢行。



【着回すシャツ】

白ワイドスリーブシャツ 28,600円/カオス(カオス表参道) 夏に向けて心地よいシャリッとした質感が特徴。第1ボタンがないことで、もとから抜け感を見込める仕かけが。



「形をゆるめて」辛口デニムをマイルドに

すそをしぼってダメージデニムに甘さをブレンド

余ったすそをベルトループに通してサイドに流し、シャツに新たな動きをメイク。アレンジすることで生まれる身幅のふくらみや透明感のある素材によって、ブラウスのようなやわらかな見た目に。切りっぱなしにした無骨なデニムがむしろ生きる「甘いアレンジ」として加えたい。



「ボトムを包み隠して」ショートパンツを堂々と

腰まわりを目立たせず短めパンツを大人っぽく

ワークテイストのタフなチノパンと、ソフトなシャツの異なる風合いがマッチ。ウエストまで開けたすそが、スタイリングに切れを生むスリットのような効果を発揮。


「すそをひねって」単調じゃないモノトーン

シックなスカートの緊張をとくすそのニュアンス

すそをアウトするとルーズに見えて、INするとかしこまりすぎてしまう。そんなときは「結ぶ」という新たな選択を。くすんだ白だからモードすぎず、ゆるい親しみやすさも残せる。



≫【シャツのテクニックをもっと見る】オシャレがレベルアップする「スタイリストボイス」

(CONTENTS)
【1】白シャツの適材適所
【2】ボタンをはずして着るメリット
【3】シャツをOUTしてボトムにツヤを
【4】軽い白シャツを「重く着る」
【5】役立つ白シャツの選び方・合わせ方
【6】印象が変わる「隙間を飾って埋める」方法
【7】旬の「色・柄・素材感」新しいビッグシャツ