1枚で・羽織りで。今季はTシャツにならぶオシャレの軸として活躍する、コーディネートに何かと都合がいい白のビッグシャツ。ときにカジュアルに、ときに女っぽく。自身もシャツ好きという人気スタイリスト・樋口かほりさんによる常識にとらわれないシャツの着こなしアイディアをご紹介。
【樋口かほりさん】
表紙や特集を担当する人気のGISELeスタイリスト。トレンドに流されないシンプルな服を基調としながら、新しさを感じさせるシルエット選びが得意。大人に適した甘さのさじ加減も絶妙。
(CONTENTS)
【1】白シャツの適材適所
【2】ボタンをはずして着るメリット
【3】シャツをOUTしてボトムにツヤを
【4】軽い白シャツを「重く着る」
【5】役立つ白シャツの選び方・合わせ方
【6】印象が変わる「隙間を飾って埋める」方法
【7】旬の「色・柄・素材感」新しいビッグシャツ
【1】 白シャツの適材適所
樋口さんいわく「白シャツは難しい服」。正統派ゆえのかた苦しさに陥らないよう、なじみのいいカジュアルな白で親しみを。
(FROM STYLIST)
「端正な白シャツのよさを生かすために、中に着るトップスは白やベージュなどの白になじむカラーを選択。メンズライクな大きめシャツに白Tを合わせるときには、形というより素材の薄さが重要。女性らしいニュアンスを残してバランスが整い、首のつまった白Tでも重く見えません」(樋口さん)
ボーイッシュを大人化するレイヤード
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ニットパンツを包み込む役割
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白タンクに欲しい立体感を形成
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フロントスリットでより大胆に
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【2】 「ボタンをはずして着る」メリット
シャツをOUTして着るときに、前ボタンを思いきりはずして動きを出せば、だらしなさとは無縁に。女らしさだけでなく、抜けも見込めるスリットのようにとらえるのも手。
(FROM STYLIST)
「シャツをOUTして着る場合、ボタンをはずしてスリットがわりに見せることで、縦が自然に強調される。ウエストラインまではずすことで動きを出しやすいので、ボトムは「見せてかわいい」ハイウエストのものをとり入れて、スリットを深くするのがオススメです」(樋口さん)
上はとめて下ははずしてリズムをつくる
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デニムを退屈に見せないために
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【3】 シャツをOUTしてボトムにツヤを
女っぽくしたいとき、単純にシルエットを強調するのはつまらない。異なる素材やストンと落ちるボトムのデザインでも抑揚を。
(FROM STYLIST)
シャツのすそをOUTすると、よりメンズライクに見えるので、ツヤのある素材でレディな印象をプラス。ボトムは落ち感のある長めの丈を選び、シャツから流れる曲線美を意識。
華やぐスカートはクールな色で
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隙のある白とツヤのある黒
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落ち着く色みでほのかな光沢
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【4】 軽い白シャツを「重く着る」
「着るだけでさまになる」白シャツは「着方を楽しめる」のも長所。計算された着方があって、はじめて絵になる王道の白シャツの魅力にあらためてフォーカス。
1.ロールアップで生まれる「フォルムの重み」
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「肌を生かして」えりは詰めて・すそでさらなる重みを
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「きっちり折り返したそでのロールアップに、腰位置でギュッとさせたすそ結び、えりは潔く立てて。ただの白シャツに見せない「つくり込んだ重み」が、シンプルなスタイリングのスパイスに」(樋口さん)
白シャツ 31,900円/ATON(ATON AOYAMA) 黒テーパードパンツ 28,600円/UNITED TOKYO(ユナイテッド トウキョウ 神宮前店) 眼鏡 37,400円/ワンスリー コンパウンド フレーム(デュアル) ピアス 5,500円/アビステ
2.上にも下にもしのばせる「素材の重み」
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素材も配色も重いから「白シャツは流すように着て力を抜く」
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「極端に軽い足元によって、ニットINとジャカードスカートの厚みがより引き立つ」(樋口さん)
白シャツ 18,700円/THE SHINZONE(Shinzone ルミネ新宿店) 中に着た黒ニット 23,100円/SLOANE ジャカードペンシルスカート 22,000円/TODAYFUL(Life’s 代官山店) サングラス 40,700円/ワンスリー コンパウンド フレーム(デュアル) バッグ 5,995円/SLY(バロックジャパンリミテッド) サンダル 8,030円/AKTE
3.手首だけ無骨に「ジュエリーの重み」
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アクセは「ちりばめず手元に集めて」オーバーシャツに負けない存在感を
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「バランスよくいろいろちりばめるとかえってふつう。目を引く無骨なジュエリーを「手首だけに」のアンバランスを楽しんで、大人の余裕も感じさせて」(樋口さん)
白オーバーシャツワンピース 14,850円、ハット 6,930円/ともにAKTE アイボリータックパンツ 7,700円/STYLEMIXER(バロックジャパンリミテッド) 〈右手〉ゴールドバングル 19,950円/アビステ 〈左手〉ゴールドブレスレット 16,500円/へレディタス(エレメントルール カスタマーサービス) サンダル 8,800円/TKEES(エスケーパーズオンライン)
【5】 役立つ白シャツの選び方・合わせ方
何を選んでどう合わせる? コーディネートに都合のいい白シャツとその着方のテクニック、そんな白シャツにぴったり似合うボトムを樋口さんの解説でご紹介。
「たるみのあるシャツ」がオシャレに好都合
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「そでや肩が落ちるような柔らかな素材とビッグシルエットのいい関係。まじめなイメージの白シャツこそ大胆に着くずしを」(樋口さん)
不規則な白シャツの強さも保てる「甘くないピンク」
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「見慣れた白をキャンバスに見立て、色を乗せていくことをイメージすれば鮮やかな色も身構えることなく、もっと自由に向き合えるはず」(樋口さん)
大きな白をキャンバスにタイトなニットを試すチャンス
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「そでもえり元もボタンを開けて、肌やインナーをのぞかせたダイナミックな着くずしも、この2色なら品を保てる」(樋口さん)
シンプルな色・今どきの形。 夏に向けて最も頼れるベーシックな1枚を
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「時代も性別もすべて超えて共有できる、白シャツが持つ清潔感。色を足したり、重ねたり。さらにはすそをひねったり、そでをまくったりと、夏へ向けて新たに表情を変えやすい1枚を」(樋口さん)
サイズだけをゆるめたパリッとした白シャツ
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ワントーンに動きをもたらす。ざっくりと開いたネックライン。「キレイな人、を印象づけるALLホワイト。ともするとぼやけて見えてしまうこともある懸念は、パリッとした白シャツ1つ入るだけでうまくいく。着くずしによってのぞく肌もスタイリングの一部に。シャツよりワントーンくすんだようなパンツの選びも、ALL白を退屈に見せない秘訣」(樋口さん)
白シャツの隙間を品よく飾るブラウンの小物
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「ネックラインやすそやそで。よく見るとシャツに多く存在する「隙間」。そもそも抜けのある白ならなおさら。究極のシンプル服=シャツやTシャツの装いを格上げしてくれる。シャツを上質に見せてくれる深みのあるレザーの風合いも重要」(樋口さん)
【6】 シャツの印象が変わる「隙間を飾って埋める」アイディア
えりを抜いたり、すそやそでのボタンをはずしたり。よく見るとシャツには「隙間」が多くある。無防備な状態のままにしない。間を見つけて、飾って埋める、6つのアイディア。
首を覆うトップスを仕込んで立体感を
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「たとえばオーバーサイズのシャツを利用して、コンパクトなタートルを仕込み、奥行きを。寒暖差が気になる時季にも使いたいライトなレイヤードテクニック」(樋口さん)
「ネックラインに沿わせるように」チョーカーを
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「ノーカラーにもの足りなさを感じたとき。ネックラインをなぞるようにチョーカーを添えて、ささやかなドレスアップを」(樋口さん)
ベルトループの隙も見逃さない
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「余ったすそをくるっと巻く。さらに余った部分をデニムのベルトループに通し、ウエスト部分をセルフデザイン」(樋口さん)
小さな黒で知性を飾る
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「ルーズなシャツが無条件で引き締まる、シンプルで小さな知的な黒。どんな色のシャツにも対応できる万能性を発揮」(樋口さん)
すその下に隠れたメッセージ
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「キャッチーな見た目に惹かれるものの、子どもっぽさは避けたい「ロゴ」問題。端正なシャツでおおって存在感をセーブ」(樋口さん)
「もう1つのえり」として柄スカーフ
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「ざっくり開いたデコルテにネックレスもいいけれど、「服の一部」のように主張するスカーフを仕込み、わかりやすい変化を」(樋口さん)
【7】 旬の「色・柄・素材感」をまとった新しいビッグシャツ
最後に春の新作から、おすすめのビッグシャツをピックアップ。狙いたい4つのタイプをコーディネートの実例でご紹介。
「余白のあるパステル」で正統派なスタイルを脱力
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首元やすそを適当にくずしてシャツ+ジャケットの緊張感を払拭
きちんとした装いに白シャツだとややかたくなりがち。旬のパステルカラーに更新して、さらにオーバーサイズを選ぶことで、知的な表情は維持しつつ今どきな抜け感が手に入る。
ピンクシャツ 26,400円/ティッカ(アルアバイル) ベージュジャケット 19,800円、ベージュスカート 13,750円/ともにアンクリード(ロコンド) スニーカー 14,300円/Reebok 淡いピンクシャツのやわらかいムードに合う、ベージュのセットアップをセレクト。パンツではなくタイトスカートを選ぶことで、硬派な服装をハンサム未満に。メリハリづけに足元はダッドスニーカーを採用。
「デニムとシャツで色っぽい」ドレッシーな質感に衣がえ
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エアリーな白シャツでスカートに頼らず甘いムードを演出
サテンやシアー素材の華やぎをまとった「ドレスシャツ」で、王道なトラッドスタイルを女性らしく。縦落ちするエレガントな風合いだから、すべてメンズライクなアイテムでもやさしい印象に。
白シアーシャツ 30,800円/DESCENTE ALLTERRAIN(デサント ブラン 代官山) デニム 19,800円/ローラス(アダム エ ロペ) サングラス 29,480円/Ray-Ban(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス) ピアス 21,340円/SOKO(ZUTTOHOLIC) スニーカー 8,250円/コンバース(コンバースインフォメーションセンター) 中に着たインナー/スタイリスト私物 しぐさとともにゆれ動く透け感のあるシャツが、普遍的なワンツールックのマンネリを回避。ニュアンスが出やすい大きめのサイズを選択。
ビッグサイズに深みが出る「暗色チェックのダディなシャツ」
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品のいいおじさんが休日に着ていそうな、暗い色のチェックシャツでカジュアルな装いに落ち着きを。渋い柄をほっこり見せないために、ストライプに近い細い線で描かれたものがねらい目。
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薄くてソフトなテクスチャーでストレスフリーな着心地も追求
シャツ 35,200円/ウィム ガゼット(ウィム ガゼット ルミネ新宿店) ショートパンツ(4月入荷予定) 31,900円/ヌー スイム(RHC ロンハーマン) シュシュ 8,800円/BELLA(シティショップ) ピアス 21,340円/SOKO(ZUTTOHOLIC) 手に持ったサングラス 54,450円/Oliver Peoples(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス)
大きなシュシュで結んだラフな髪型や、シャツに隠れるほどの短いパンツなど、あどけなさが生きてくるのはまじめな柄だから。
「シャツ素材のジャケパン」
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おかたい黒をちりばめて薄軽なセットアップに深みをプラス
着方や合わせる服を考えずともキレイなスタイリングが成立する、セットアップをシャツ生地にアップデート。薄くて着心地は軽やかだから、ラウンジウエアの延長でワークシーンに対応できる。
シャツジャケット 39,600円、パンツ 31,900円/ともにギャルリー・ヴィー(ギャルリー・ヴィー 丸の内店) 中に着た黒タートルネックトップス 10,450円/LENO(グッドスタンディング) バッグ 51,700円/VASIC(ヴァジックジャパン) 靴下 1,210円/靴下屋(タビオ) シューズ 17,930円/A de Vivre
裏地がないライトな着用感で、トップス的にまとえる。ジャケット&パンツともに身ごろがあるため力が抜けた印象に。黒のタートルネックやローファーなど、硬派な小物で引き締めてもちぐはぐに見えないのは、スクエアのシャープな形がベースだから。