ニットよりもスウェット派のスタイリストに聞いた「スウェット選びのマイルール」

ニットほど重たくない適度な肉厚感と、動きやすさが重宝するスウェット。どんなテイストにも染まれるスタイリング幅の広さも魅力。サイズ、色、素材……。豊富なバリエーションの中から、納得のいく1着を見つけるために、スウェットのあれこれを深掘り。 ※クレジットのないアイテムは本人私物です。



スウェットにまつわるマイルール

ラクとオシャレを両得できる一方で、色みやちょっとした丈感の差など、やぼったく見せないためのジャッジを求められるスウェット。聞き込みから見えてきたポイントの数々を、ぜひ参考に。



船戸 唯さん(スタイリスト) @liveinsimple
「1着1役。着方の幅を考えすぎない」

YUI’s POINT
□見せたいポイントを1つにしぼる
□気に入ったものを長く着る

「週3~4で着るほどスウェット好き。着まわしを考えすぎず、“これはこの役割”と決めてポイントを生かしてスタイリングを楽しみます」



Rosarymoon

「春に購入したスウェットで、肌見せを楽しめるクロップト丈です!」(船戸さん) リブつきのすそがウエストをさらに華奢に。そで口にはサムホールもついており、着方のアレンジも容易。



UNIQLO

「ロンTの延長で使える薄手のタイプ。オンライン限定サイズがおすすめで、これはXXL」(船戸さん) スウェットで欲しいゆるさありつつは、だぼだぼになりすぎない便利なオーバーサイズ。クリーンな白で選べば、やんちゃ見えも回避。



HYKE

「約10年愛用していますがまだまだスタメン」(船戸さん) ふだん使いしやすい黒のクルーネック。身幅だけでなく、スリーブにもゆとりのあるデザインで、1枚でもさまになる。



SLEEPY JONES

「ロゴの色とフォントが気に入っています!ベーシックな形、シンプルなグレーで使いやすい」(船戸さん) ニューヨーク発のアパレルブランド。ルームウェアらしい着心地のよさやリラックスして着られるシルエット。きちんと締まるリブや明朝体のフォントなど、ゆるくなりすぎないディティール。



「スウェットづかいが上手くなる」スタイリストがよく使うテクニック

よく見る組み合わせのはずなのに、なぜか目を引く人の共通点はカジュアルな中にしのばせたさりげない女っぽさ。今回はそんなムードをスウェットでリードする秘訣を人気スタイリストのテクニックから紐解きます。



【STYLIST】
(渡邉恵子さん)「カジュアルなのに女っぽい」「キレイなのに抜けもある」、絶妙なさじ加減のセレクトと合わせ技に定評あり。 (樋口かほりさん)アパレル関係者にもファンの多い人気スタイリスト。計算されたサイジングや着こなしの工夫により、シンプルなのに目を奪われるスタイルに定評あり。 (岩田槙子さん)まじめにもモードにも転ぶ、柔軟性の高いキレイめスタイルが鉄板。大人も使いやすい旬アイテムの提案にも注目。 (塚田綾子さん)一見キャッチーなデザインをほどよい華やかさに導く提案にも注目。バランス感覚に長けた色や小物使いはデイリーにマネしたいテクニック。



ハズさずにモノトーン

「甘いレースブラウスに、しなやかなパンツでまとめたALL白のクリーンな装い。甘さを引き算してくれるのは、キャッチーなロゴのインパクト。シックな黒をベースにしたモノトーン配色ならラフに傾かず、品のよさをキープ。ほぐすことに成功」(スタイリスト・渡邉恵子さん)



「彩度をおさえた」キレイ色をかぶせる

「夏に肌寒さを感じる日にも、カットソー以上ニット未満の厚みが好都合なスウェット。そのなめらからな風合いは、キレイな色をとり入れるのにも最適。白やベージュ、黒やグレーのベーシックカラーの組み合わせの+1色に」(スタイリスト・岩田槙子さん) 



上は覆って下は出す

「ショートパンツの肌感をおさえて品よく見せる、長そでのトップス。ニットを着るにはまだ早いこの時季は、ヘルシーさも残るスウェットの重みが好都合。えりつきシャツを仕込みつつ、タックインしたすそのあしらいで知的に誘導」(スタイリスト・渡邉恵子さん)



全部カジュアル+正統派ジャケットで背筋を正す

「さり気なくロゴスウェットをしのばせて、テーラードジャケットで正すシンプル好きにおすすめな鉄板の合わせ。ジャケットを重ねてももたつかない、コンパクトなスウェットとフレアデニムで、カジュアルながらもスタイルアップを」(スタイリスト・塚田綾子さん)



バイカラーをシャツでスマートに

「レングス違いのトップスを重ねることでツートーンの中に立体感が生まれます。品のあるボトルネックと主張をおさえた胸ポケットのデザインにも注目」(スタイリスト・塚田綾子さん)



モノトーンでモードに昇華

「しなやかな細身パンツとの、らくちんなワンツー。ともすると部屋着っぽくなりがちな組み合わせも、ミニマルな配色の力を借りて都会的な印象に。薄手だからタックINしてもかさばらないため、+αのきちんと感も着方で演出できる」(スタイリスト・出口奈津子さん)



ALL黒にとってさし色小物の要領で

「一見コントラストが強い2色も、オレンジを少量にとどめることで、ちょうどいいスパイスとして成立。適当にひっかけたヴィヴィッドな肩がけに合わせて、足元は気楽なサンダルを選び、黒一色のミニマルなワンピースの表情チェンジ」(スタイリスト・樋口かほりさん)



品のいいALLネイビーをパンツではずす

「ネイビーのワントーンは品よくまとめすぎると、かえってコンサバすぎます。スウェットのようにはけるベロアパンツでカジュアルにはずせば、親近感もアップ。抜けを出すボーイッシュな白小物も効果的です」(スタイリスト・樋口かほりさん)



とりあえずマネできるシンプルスウェットの肩がけ

「甘めな服やコンサバな服の着くずしにこそスウェットの肩掛けが有効なんです。ワンピース以外でも、たとえばブラウスやシャツなんかも。肌の出る服や、エレガントなドレスを簡単に、日常化できます」(スタイリスト・樋口かほりさん)



定番合わせはピンクで変調

「安定感のあるグレースウェットとデニムパンツですが、それだけだとやはり無難すぎる。そんなときは、足元でカラーを入れると簡単にムードチェンジできます。甘い雰囲気のピンクでもトラッドなローファーのデザインで、親近感のある正統派をきどれるはず」(スタイリスト・樋口かほりさん)



トラッドなアイテムの中にスウェットを一点投入

「そでも着丈もルーズなメンズのスウェットはトラッドな黒縁眼鏡とローファーで挟んで、ラフに転ばさずテイストのギャップを楽しむのがおすすめ。ダメージ加工からのぞく素肌の効果も相まって、ヘルシーなパンツスタイルが完成します」(スタイリスト・樋口かほりさん)



ドレッシーな黒にあえて投入してギャップを演出

「ともするとエレガントに転びがちなドレッシーな黒アイテムが確実に落ち着くのもシンプルなスウェットのなせるワザ。春先に試すなら、黒いリブタンクに肩がけするくらいがリアルでかわいいと思います。胸元のロゴをチラ見せさせるのがポイント」(スタイリスト・樋口かほりさん)