「組みかえない」着回しのテクニック 「服は変えずに印象が変わる」コーディネートの実例集


羽織りを足したり、小物を変えたり。時間のない朝やコーディネートに悩みたくない日などに役立つ、定番コーディネートのアップデートを計画。



(CONTENTS)
①「セットで着回す」グレースエットとブルーデニム
②ニットよりもいい 「キレイに見えて着回せる」理想のスウェット
③センスのいい人が選んでいるスウェット
④「セットで着回す」白シャツとスカート
⑤「スタイル重視」 細く見えるデニムパンツの名品


「セットで着回す」グレースエットとブルーデニム

グレースエット 4,026円/ユナイテッドアスレ(キャブ) デニムパンツ 36,300円/ebure(LITTLE LEAGUE INC.) コーディネートを組みかえずに、カジュアルアイテムのスタンダード、スエットとデニムパンツをセットで着回し。どちらも薄めの色みを選ぶことで、重厚な秋冬の素材にも軽さを加えられる。




小物でドレスアップ

グレーの延長でシルバーを飾る

煌びやかな小物も、グレーと同系色のシルバーなら浮かずにコーディネートになじむ。


グレースエットとブルーデニムは着まわし。ネックレス 3,630円/アネモネ(サンポークリエイト) ヘアバンド 4,950円、バッグ 14,080円/ともにRosarymoon シューズ 12,100円/ル タロン グリーズ(ル タロン グリーズ ルミネ新宿店)


スタイルアップ

前だけタックイン+ 「V字アクセ」の視覚効果を利用

白Tシャツを少しのぞかせて上下の淡い配色を黒小物とともに引き締め。全体的にぼやっと見えがちなシルエットに、縦に落ちる大ぶりモチーフのペンダントでメリハリよく。フロントだけラフにタックインして脚を長く見せることでバランスアップ。


グレースエットとブルーデニムは着まわし。中に着た白Tシャツ 2,420円/ヘインズ(ヘインズブランズ ジャパン カスタマーセンター) ネックレス 16,000円/バナナ・リパブリック バッグ 33,000円/トーヴ(トゥモローランド) ブーツ 13,200円/ロデスコ(アーバンリサーチ ストア ルクア大阪店)




+タイブラウスで愛嬌を

首元を正す「ノーブルなフリル」

からふんわりとリボンを立たせたブラウスをのぞかせて、見慣れた1枚に立体感を。ブラウスのリボンは、結ばずにタイとしてたらして着ても。


グレースエットとブルーデニムは着まわし。ブラウス 19,800円/マカフィー(トゥモローランド) カチューシャ 7,700円/ジェニファー オーレット(ロンハーマン) パンプス 16,500円/ダイアナ(ダイアナ 銀座本店) 


スウェットを脇役に

ストールのように首に巻いたり肩にかけたり

ストールのように扱えるのもスウェットやニットのいいところ。シャツはそでをまくり、ワントーンっぽい配色のもたつきを防止。


グレースエットとブルーデニムは着まわし。シャツ 27,500円/ルルヴェ(ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム) サングラス 23,100円/ロンハーマン サンダル 15,950円/A de Vivre 




着込まずに暖かく

アウター代わりの「ビッグマフラー」

心地よい肌ざわりでプラスの効果を生む、風合いも長さも満ち足りたマフラーを。アレンジ次第で見た目にも変化がつき、マンネリも回避。


グレースエットとブルーデニムは着まわし。中に着たロンT 11,550円/スローン(ザ ショップ スローン 新静岡セノバ店) ストール 50,600円/SAYAKA DAVIS(ショールーム セッション) バッグ 11,000円/ヤーキ(ヤーキ オンラインストア) シューズ 52,800円/レペット(ルック ブティック事業部)


レイヤードを駆使してメリハリを出す

スウェットと同系色の柄+白で奥行きを

シンプルなグレースウェット+白インナーのスタンダードなレイヤードが軸。ひっかけるように着たダンディなジャケットで、クラシカルなムードに。


グレースエットとブルーデニムは着まわし。ジャケット 33,000円/アンクレイヴ スタンダード(uncrave) シャツ 19,580円/ザ シンゾーン(Shinzone ルミネ新宿店) サングラス 12,100円/ペタ アンド ジェイン(ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム) バッグ 35,200円/ラ・ヴェニール(D.L.T) サンダル 25,300円/カミナンド(グラビテート)


ニットよりもいい 「キレイに見えて着回せる」理想のスウェット

「ニットよりスエット派」というスタイリスト・船戸 唯さんの視点で選ばれた名品をリストアップ。 (船戸唯さん) カジュアルなのに品よく、キレイめなのに親しみやすい、絶妙なさじ加減のコーディネートで支持を集める。




肩を落として着るのにも適したデザイン

16,500円/オニット(ヤギ) 「片方または両肩を下げオフショルにしたり、タンクをのぞかせたり、アレンジを楽しめます」(船戸さん) 「メンズトップスから着想を得たサイジング。コットン素材を切りっぱなし風に仕上げたルーズな雰囲気と、デコルテが見えるすっきりとしたネックが好バランス」(onit・プレス担当)


ロンT以上スエット未満

各25,300円/TICCA 「薄手かつ、すそがリブ加工されていないためシルエットに厚みが出ず、重ね着に適しています」(船戸さん) 「表面にはウールの糸を用い、裏面はやわらかなコットンなので、あたたかく着心地も抜群。素材の縮率差を利用したシワの凹凸感が絶妙な風合いです」(TICCAプレス・土屋百合子さん)




ON/OFF問わずブラウスのように

16,500円/MANOF 「フレアなすそと、ふくらんだそでで上品な印象に。甘め派やブラウス派の人にオススメ」(船戸さん) 「吸水速乾機能つきのポリエステル素材で、さらっとした見た目と肌ざわり。ウエストにきかせたタックデザインが、ボディラインをカバーしてくれます。」(プレス・松本英理さん)




生地の質で選ぶフーディ

28,600円/グラフペーパー(グラフペーパー 東京) 「ストリート感の強いフーディこそ、洗練されて見える素材が決め手に」(船戸さん) 「サイズ展開が豊富なユニセックス。なめらかな手ざわりや、適度なふくらみとハリ感にこだわり調整を重ねました。度つめで型くずれもしにくいです。」(プレス・土屋 文さん)




えり元の開き具合で印象操作が可能

22,000円/エトレトウキョウ 「隠しボタンのため、ボタンによって幼く見えてしまう心配がないのがうれしい」(船戸さん) 「えりつきのデザインで、きちんと見えをかなえてくれる一着。何度も着用検討を重ね修正した、こだわりのコンパクトシルエットもポイントです。」(プレス・雨宮咲子さん)




迷わず買った名品

グレー、黒スエット 各7,920円/カランシエル(シップス インフォメーションセンター) 「身幅も適度なゆるさで丈感もスタンダード。すそとそで口はすぼまり、そではボリューミィ。着たときのシルエットが素晴らしい1着」(スタイリスト・船戸唯さん)




センスのいい人が選んでいるスウェット

ラクとオシャレを両得できる一方で、色みやちょっとした丈感の差など、やぼったく見せないためのジャッジを求められるスエット。聞き込みから見えてきたポイントの数々を参考に。




1枚でかわいく見える」デザイン

知久 友里恵さん
(SeaRoomlynn PR @chiku_y34

【POINT】
□大きくゆるく、すそはきゅっと
□そでは長くてボリューミィ


「無地の場合はシルエット重視で、丸みのあるルーズなサイズを。ロゴ入りやカラフルなものも好きです。コーディネートが3色以上になるときは、どれか1色を2アイテム以上に。小物のトーンを合わせるだけでも、まとまりが出て大人っぽく着られます」




スウェットだからこそ個性的に

小林 萌絵さん
(U by SPICK&SPAN ショップスタッフ @u___moe)


【POINT】
□スエットをいいことに思いきったデザイン
□ヘアスタイルはガーリーに


「地厚なメンズっぽい素材を女らしく着るのが気分。SELENAHELIOSのパーカは、くびれのギャザリングと長めのそでにひとめボレ。U by SPICK&SPANの杢グレーのスエットは、実は背中開き。肌見せに辛口スカートを合わせた、抑揚のあるスタイリングにしました」




どこかに「レディな要素をプラス」

西村 あかねさん
(fashion PR @akn720)

【POINT】
□重ね着もできる薄手生地
□スエットにこそモードなメイク


「だらしない印象にならないよう、ゆとりがあるけど薄手、軽量ですっきり見えるものをよく着ます。スエットのカジュアルな雰囲気にレディ要素を足してバランスをとることも意識。赤やブラウンを使ったモードなメイク、華奢なゴールドアクセサリーを合わせます」




「セットで着回す」白シャツとスカート

鉄板の白シャツとフレアスカートをセットで着回し。正統派な白シャツと、ほどよい光沢感としなやかな風合いが特徴のレザーのフレア。すそにかけて広がっていくAラインシルエットが優雅な広がりを演出。 白シャツ 31,900円/TICCA カーキスカート 31,900円/サクラ(インターリブ)




+メンズライクなブルゾン

白シャツとフレアスカートは着まわし。ジャケット 106,700円/リトコフスカ(ユナイテッドアローズ 原宿本店) ニットキャップ 8,580円/イル ワンエイティ(ユナイト ナイン) 眼鏡 39,600円/ワンスリー コンパウンド フレーム(デュアル) バッグ 74,800円/ア ヴァケーション(シップス インフォメーションセンター) ブーツ 27,500円/ダイアナ(ダイアナ 銀座本店)

ビッグサイズを味方につければ、Aラインにさらなる迫力が。濃紺デニムのまじめすぎず清潔感も保てる絶妙な色落ち具合とシルエットが、端正な佇まいにボーイッシュな変化をもたらしてくれる。




「すそをしぼって」シルエットだけを変える

白シャツとフレアスカートは着まわし。キャミソール 13,200円/マイカ アンド ディール(MICA & DEAL 恵比寿店) パンプス 68,200円/ブレンテッラ(オデット エ オディール 新宿店) インナーはシャツと同じ白で、肌なじみのいいサテンをチョイス。華奢なキャミソールに結んだシャツのボリュームが重心を上げ、脚長にも。

ビッグサイズの余白を利用して、シャツのあしらい方で飾り気をプラス。ひとクセつけたことで、レザースカートの主張を分散させることにも成功。すそを少し内側に折り中央で結ぶと、ウエストまわりにメリハリがつく。




ニットを羽織って輪郭をやわらかく

白シャツとフレアスカートは着まわし。カーディガン 38,500円/マルモア(DMC) バッグ 38,500円/プンティ(トゥモローランド) ブーツ 55,000円/オデット エ オディール(オデット エ オディール 新宿店)

ニットのソフトな質感に似合う、落ち着いた深いベージュ。パリッとした白シャツと強気なレザースカートの緊張感をゆるめ、ワンツーの辛さをほどよいあんばいに。足元は黒にほど近い濃ブラウンで引き締めて、全体のバランスを調整。




前を開けて「ロゴ」を敷く

白シャツとフレアスカートは着まわし。ロゴTシャツ 8,250円/ハチイチブランカ(UTS PR) キャップ 10,450円/エイトンステイプルズ 黒ソックス 3,630円/パンセレラ(真下商事) スニーカー 19,800円/adidas Originals(アディダスお客様窓口)

ロゴの入っているTシャツ、キャップ、スニーカーなどのあえてカジュアルなアイテムを組み合わせ。上品な印象の強い上下だから、着くずして遊んでも品を損なわない。




長い黒でシルエットを操作

白シャツとフレアスカートは着まわし。ジレ 93,500円/サクラ(インターリブ) バッグ 41,800円/ROH SEOUL ローファー 83,600円/ヘリュー(ショールーム セッション) 小物はすべて締まる黒で統一。

ロングジレを羽織るだけでシルエットがフレアからリーンに変わり、一気に雰囲気が見違える。サイドスリットつきのものを選べば、黒で覆い隠しても重く見せない抜けを得られる。




「タートル」を仕込んでネックラインに変化を

白シャツとフレアスカートは着まわし。タートルネックニット 27,500円/アンデコレイテッド シューズ 42,900円/ピッピシック(トゥモローランド) シャツの下に仕込むタートルネックは、体にフィットする薄手を選べばもたつきにくい。靴は華やかでリッチな雰囲気をもたらすレオパード柄のジャカードをセレクト。

白シャツの下に黒のタートルネックを重ねるひと手間を加えることで、エレガントな印象を強化。さらに手首からも黒を見せることでモノトーンのコントラストを利用し、ビッグなシルエットをシャープな印象へ転換。




「スタイル重視」 細く見えるデニムパンツの名品

体のラインを拾わない、もたつかない、ヒップのボリュームが目立たない…限りなく多い理想のデニムに求める条件。そんな希望を満たす至極のブルーデニムをご紹介します。




色落ちもクラッシュもほどよい直線美

ブルーダメージデニムパンツ 14,300円/SOMETHING(エドウイン・カスタマーサービス


黒とダメージデニムでもハードすぎない理由は、丈は短く・そではフレアのロンTのデザインと、すっきりとしたストレートラインのデニムだから。INしなくても好バランスなショート丈Tシャツの長所を、シンプルにまとうことで再確認。




ヒップは小さく・脚は長く「後ろ姿がキレイに見える」

デニムパンツ 23,100円/THE SHINZONE(Shinzone ルミネ新宿店)


ヒップ上の切り替えラインに、やや大きく通常より上に配されたバッグポケット。行き届いたバッグデザインが、ヒップを小さく、きゅっと上に引き上げて見せてくれる。あからさまじゃない、絶妙な位置のハイウエストからすそに向かってほっそり伸びるVシルエットが脚線を自然に長く、すらりと演出。




「スキニーよりもぴったりしない」細身シルエット

デニムパンツ 25, 300円/THE SHINZONE(Shinzone ルミネ新宿店) ブラウン半そでニットトップス 26,400円、ニットカーディガン 39,600円/ともにブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン)


ストレートよりも細身で、スキニーよりもゆるめの絶妙な形。一見フレアかどうかわからないほど、すそに若干広がりを持たせた、端正に装えるシルエット。




ドレッシーなパールつき

ストレートパールデニムパンツ 27,500円/SOMETHING(エドウイン・カスタマーサービス) 白オーバースエット 28,600円/エイトンステイプルズ バッグ 43,500円/トゥティエ ソックス 880円/靴下屋(タビオ) パンプス 19,800円/ユナイテッドアローズ(ユナイテッドアローズ 渋谷スクランブルスクエア店) 

行儀よく等間隔に並んだサイドのパールが、カジュアルなブルーを上品に格上げ。やわらかさ、ハリ感を兼ねそなえた綿100%素材は、穿き心地がよく、まっすぐなシルエットもキレイに表現。背面のネームラベル部分は鮮やかな赤が、さりげないアクセント




スタイル「カバーとUPを兼ねる」バナナシルエット

テーパードブルーデニムパンツ 24,200円/ソフトハイフン


気になる下腹部をゆるりと覆いつつ、くびれの位置で絞りを入れた股上深めの仕立て。足首にかけてスリムに設計されたテーパードシルエットで、ヒップまわりにほどよい丸みを演出。脚にもヒップにも生地がまとわりつかず、もも・ヒップを上手に隠して目立たせない。穿きやすさとスタイルUPを両得できる理想的な1本。




「ヒップラインに丸みを作る」股上深めのハイウエスト

ダークグレーデニムパンツ 24,200円/ソフトハイフン ピアス 8,800円/アビステ バッグ 8,990円/MANGO ローファー 17,930円/A de Vivre

股上を深めにとったハイウエストで、ヒップラインをコンパクトに包み込むような美しいシルエットを形成。ひざから下もスキニーのようにぴったりしないから、抜け感も出て似合う靴の幅も増える。




「単なるフレアじゃない」さりげないスリット入り

スリットフレアデニムパンツ 24,200円/ホリデイ(ホリデイ/フラッグシップサロン オフィス) 黒レザーTシャツ 42,000円/COS(COS 青山店) バッグ 71,500円/ジア スタジオ(ザ・ウォール ショールーム) ミュール 6,590円/ZARA(ザラ カスタマーサービス) 細身フレアのすそにほどこされたスリット。華奢なヒールを合わせるといっそう女らしく。




穿きやすい「ややフレア」のシルエット

黒Tシャツ 16,500円/THE NEWHOUSE(アーク インク) 黒ジャケット(メンズ) 77,000円/グラフペーパー(グラフペーパー 東京) フレアデニムパンツ 14,300円/Levi’s®(リーバイ・ストラウス ジャパン) シルバーリング 29,700円/e.m.(e.m. 青山店) バッグ 16,940円/ヴュレ(キューズ) パンプス 29,700円/TSURU By MARIKO OIKAWA


一見ストレートかと思いきや「ほんの少しだけ」フレアなシルエット。そのメリットはヒザ上にシルエットの切り替えがあることえ、ヒザ下が長く見えること。すそにも余白があることで合わせる靴の幅も広がる。