見た目がよくなるシルエット
すらりとしたIライン、メリハリがつくフィット&フレアなど。バランスのいい仕上がりを約束し、さらにスタイルアップもかなう鉄板シルエット。服ではなく「形」から入れば、自ずと着回しもきくお気に入りの1枚も、悩まずに選びやすく。人気スタイリスト・樋口かほりさんによる「見た目がよくなるテクニック」もお見逃しなく。
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「下はほっそり・上はフレア」
スレンダーなボトムに対し、迫力の出るAラインのトップスでコントラストをつけて、視線を必然的に高く誘導。ワイドなすそのおかげで、細身ボトムで気になる腰まわりはうまくカバーできるうれしい効果にも期待。
すその僅かな広がりと細身デニム

80’sのようななつかしさ
イエロートップス 27,500円/JANE SMITH(ジョン メイソン スミス ジェーン スミス ストア) デニムパンツ 50,600円/HAIKURE(ショールーム ロイト) 手に持ったジャケット 39,600円/STUNNING LURE(スタニングルアー 新宿店) サングラス 16,500円/STATUS ANIXIETY.(ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム) ローファー 16,390円/A de Vivre 広がりは胸下だけにとどめたペプラムで、膨張見えを回避。
チュニック丈とタイトなショーパン

スキニーより抜けが出るひざ丈のレギンスで糖度も迫力も引き算
ブルーワンピース 67,100円/マーレット(LITTLE LEAGUE INC.) 黒レギンス 42,900円/スージー コンディ(RHC ロンハーマン) 黒バッグ 33,000円/ラシット(ラシット 西銀座店) 黒サンダル 47,300円/FLATTERED(ショールーム ロイト) ボリューミィなティアードを引き締める、わかりやすいシャープな黒パンツ。素肌がのぞく短め丈なら重さや暑苦しさを感じさせず、ブルードレスのさわやかさを維持できる。
すそのデザインとIラインボトム

すそ揺れトップスがシックに転じる深スリット入りのタイトな白
ブラウンタンクトップ 33,000円/BIRROT(ショールーム ロイト) 白スカート 30,800円/LE PHIL(LE PHIL NEWoMan 新宿店) 黒かごバッグ 14,850円/アフリカンスクエアー(ル タロン 有楽町マルイ店) 黒サンダル 31,900円/ヘンリエンヴァーゴ(トゥモローランド) ヒップラインをごまかせるトップスとなら、タイトな白スカートのハードルも下がる。足首まである長め丈で、すらりとしたリーンな印象もあと押し。
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「上は短く・下はボリューム」
+ハイウエストのボトムでさらにバランス・スタイルUP。タイトなシルエットでなくとも、ワイドやフレアのボリュームボトムをスマートに導ける丈の更新。体のラインを拾いすぎることなくやぼったさとは無縁のすっきり感が手に入る。
薄軽アウターも「パンツを隠しすぎない丈を」

ブルゾンでゆったりとした上下をショート丈でスタイル良く
白ブルゾン 27,500円/IENA(メゾン イエナ) ベージュスラックス 47,300円/ユニオンランチ(LITTLE LEAGUE INC.) 黒バッグ 77,000円/カルボッティ(トゥモローランド) ローファー 18,700円/レメ(ビーミング ライフストア by ビームス ららぽーとTOKYO-BAY) ボトムとシューズのカラーをリンクさせて、足の長さをいっそうカムフラージュ。メンズライクに徹することで、やわらかな配色のぼやけも防ぐ。
上下の丈とシルエットに「極端に差をつける」

上はとことんコンパクト・下も潔くボリューミイに
ブルーデニムトップス 9,900円/Ungrid 黒チュールスカート(アトレ恵比寿店 限定色) 46,200円/HER. 黒バッグ 42,900円/VASIC(ヴァジックジャパン) 黒サンダル 33,000円/エディット フォー ルル 武骨なデニムとふんわりチュール・質感にも緩急をつけて着映えを図って。素材に甘さがあるぶん、色は黒、合わせるトップスにはデニムで辛口な要素を補填。トップスはアームホールがやや内側に入ったアメスリで、よりミニマルな印象。
ゆる系ボトムにぴったり似合う黒のニットベスト

スカート見えするパンツを主役に上はごくシンプルな黒で完結
黒ニットベスト 22,000円/VENIT(スピック&スパン ルミネ有楽町店) カーキドレープワイドパンツ 13,200円/AZUL BY MOUSSY(バロックジャパンリミテッド) 黒バッグ 7,700円/Le Talon GRISE(ル タロン グリーズ ルミネ新宿店) 黒フラットシューズ 30,800円/ヘンリエンヴァーゴ(プルミエ アロンディスモン) こう見えて実はパンツの意外性。カーキ色も手伝って、肌感のあるベストとでも、こびないバランスに。
服はシンプルでも「見た目が良くなる」テクニック
そのセンスもさることながら、人気スタイリスト・樋口かほりさんがコーディネートで多用するテクニックをご紹介。よく着る服をもっと生かすために。知っておきたい整ったスタイリングの裏に隠された「こだわりのポイント」を徹底取材。
(スタイリスト・樋口かほりさん)
ベーシックなアイテムを軸としながら、女性らしい小ワザを効かせたスタイリングが大人気。忙しく動きまわる日々をオシャレに過ごせる、リアリティのあるアイテム選びに定評。
「たるみのあるシャツ」が好都合

「ビッグシャツこそ、そのシルエットを活かしてきちんと着ない。素材も、そでや肩が落ちるような、柔らかい素材感がビッグシルエットと好相性。まじめなイメージの白シャツこそ大胆に着くずしを」(樋口さん)
上は軽く・下は重め

「ボトムから秋支度。ウール素材でパンツにほどよい厚みを持たせれば、薄手トップスと合わせてもメリハリのあるバランスに。辛口に整えたりリラックス感を与えたり、印象を操る使い勝手のよさにも注目。ウエストマークで着こなしにリズムを。ヒップまわりにゆとりのあるパンツだから、ウエストをキュッと締めると女性らしいボディラインに転換。薄いTシャツ1枚で着ても、ウールの厚みで抑揚のあるスタイルが完成」(樋口さん)
光沢とろみスカートでカジュアルにドレスアップ

「歩くとゆれて止まると落ちる、とろみ感を含んだボトム。Tシャツやタンク、カットソーやシャツはもちろん、ニットやスエットなどそのほっこり感を拭って、着こなしをスマートに整えてくれる。そんなコーディネート力にも優れる、柔らかなサテンスカートに再びスポットを当てて」(樋口さん)
色落ちデニムが上手くなる「INする前提のコンパクトな黒T」

「タイトなシルエットで整える「5分そでのリブニット」。シルエットの抑揚づくりに欠かせない、黒のリブニットはそでの長さに注目。見た目的にも新鮮な5分そではボディラインが出るぶん、肌見せ感も少なくバランス調整力にも優れる」(樋口さん)
ユニクロは「メンズ」

「ユニクロのデニムといえば形もキレイですが、それもメンズに注目。パンツは自分ではいてみても、最初はメンズだからけっこうゆるいかなと思いましたが意外にも、ゆるすぎなくて、形もキレイに出るややゆったりめのストレートという感じ。質感のやわらかい黒で、いい意味でデニムっぽさがないので着やすい」(樋口さん) レギュラーフィットジーンズ(メンズ)/UNIQLO
ゆるシャツと肌感

「雑に着くずした黒シャツから素肌をのぞかせた計算づくのバランス。飾りは黒ベースの花柄スカートで十分。黒にギャップを生むデコルテで、フェミニンな印象へとシフト」(樋口さん)
色より「配色で」キレイに見せる

「ベーシックカラーどうしでシンプルだけど上品、かつ華のある。そんな装いのキーカラーは「ブラウン・ベージュ」。コンパクトな白をつなぎ役に起用した3色でコーディネートすれば、ゆったりとした服どうしの組み合わせもルーズではなくエレガント。外側を一番濃い色にすることで、全体が引き締まるから、まろやかなカラーリングがぼやけない」(樋口さん)
肌感ワンピの「足元は重め」に

「華奢な体を連想させる繊細なストラップがアクセサリー。リゾート風にも、ドレッシーにも。垣根無く幅広いアレンジが楽しめる黒のキャミソールワンピースを、モードなストリートスタイルに味つけ。ごく軽いワンピースがあれば、ショートブーツにバケットハットという、重い黒をあえてこの時季同時に盛り込める」(樋口さん)
ノースリーブとストール

「素肌の見える面積が増える夏に必要な、カーディガンやシャツなどの薄軽羽織り。さらにもう1つの選択肢としてストールに注目。服と同系色のストールをプラスすれば色っぽさが和らぐだけでなく、デザイントップスのようにも見えて感度も上がります」(樋口さん)
ルーズなパンツにタックINしてスタイルよく

愛嬌のある丸みフォルムのニッカーズ風パンツ。「幅広めのぶかっとしたシルエットのパンツに、タンクトップなどの肌感のあるトップスをタックイン。メンズっぽいラフなパンツと、女性らしい肌見せがマッチし、腰位置が自然に上がって見えるので脚も長く見て、全体のシルエットにメリハリも出る」(樋口さん)
愛嬌のある姿に直結する「タックINしてロールUP」

「色自体に甘さを含んだピンクには多くを求めず、シンプルがいい。たとえばユニセックスなTシャツで。そのぶんデニムはレトロを意識。それだけでシンプルなのに「かわいい人」を印象づけられる」(樋口さん)
正統派のストライプシャツこそ「サイズ感でゆるめる」

サイズ感をゆるめて羽織ることで、ストライプ柄もかしこまりすぎず自然体なムードに。「遠目から見ると分からない、くらいの細かい柄がおすすめ。ボリュームのあるロングスカートと合わせれば、動きや空気感が生まれて、リラックスした印象に。足元はナチュラルなサンダルで抜け感をプラス。ベージュのワントーンでまとめることで、シンプルなのにどこか女性らしさと品の良さが漂う、頑張りすぎない余白のあるスタイルが今の気分です」(樋口さん)
シャツワンピースをデザインスカート風にアレンジ

「半分履いて巻きつけるだけ。まずはふつうにはおって腰から下のボタンだけとめ、上半身は脱いで腰位置でそでを結ぶだけ。即席でデザインスカートのでき上がり。もとがシャツだから派手になりすぎず、白Tなどシンプルなトップスが生きるいいアクセントに」(樋口さん)
ベージュは「濃く」 キレイ色は「薄く」

「好相性なベージュとキレイ色の組み合わせ。よりバランスよくまとめるなら、ベージュはコクのある色味を選び、合わせるキレイ色はペールカラーなど、薄めた淡い色味が適任」(樋口さん)
ビッグアウターとヒザ上のミニボトム

「すべて見慣れたアイテムで丈と幅だけを変更。例えば身近な存在である、白Tありきで定番アイテムの「サイジングの見直し」をはかることでシンプルスタイルの底上げを」(樋口さん)
黒ワンピースとカラースニーカー

「ロング丈の黒ワンピースに似合わない靴はないから。色やデザイン、ボリューム感など、第一印象で惹かれたスニーカーも試しやすいと思います。ポイントは長い丈で、ボリューム感をおさえたシルエットを選ぶこと。黒でボリュームのあるワンピだと、カラースニーカーの合わせは少々こってり見えがち。ノースリーブやIシルエットのワンピースを選ぶことで、スマートな印象に」(樋口さん)