「買ってよかった」から考える
賢い買い物の秘訣は、「買って良かったと実感した時」から逆算すると見えてくる。合わせる服に悩まず済んだ、鏡を見た時にすらっとして見えた、他人から“似合ってるね”と思いのほか褒められた、など…。ニューシーズン目前、湧き上がる衝動をおさえて考えたい、購入前の心構え。
1.
「迷いがなくなる」
どんなデザインも受け止めるデニム、着くずしてもキレイを貫けるシャツ、いつでも大人のさじ加減に整えるジャケット。ハズさないスタイルを支えるベーシックな服のおかげで、忙しい朝や新しさを試すときに着方を悩まなくて済む。
品格が高まる「3つボタンの黒ジャケット」

まるで紳士服を借りてきたような、ヒップまで隠れる着丈のどこかなつかしいルックス。どう着てもクラシカルに傾く3つボタンは、マーブル模様を採用し細部も抜かりなく。「きちんと着ても軽やか」というより「ラフに引っかけるだけでもかっちりとさまになる」肩パット入りのワイドなボックスシルエット。
古きよき正統派「濃紺デニムにベージュのトレンチ」


イメージソースは品のいいおじさんのような、古きよき正統派スタイル。白Tとデニムありきなら、ほっこり感やお堅さをおさえて洗練されたクラシック感へ。時代を超えて愛される、A.P.C.のリジッドデニムへベストを合わせて、白Tもすっきりとしたノースリをセット。
夏着たワンピースの上に羽織るだけ

オーバーサイズでもしゃんと見えるうえに透けにくい、ややハリのある生地。小ぶりなえり&ボタンが隠れる比翼仕立てのミニマルさも使える理由の1つ。幅広のカフスがそのまま着ても、そでを巻くっても、さらりと羽織っても適度に目を引くさりげないアクセントとして作用。
女らしさが出せる一方、ふだん使いにはやや勇気がいる細身&華奢ストラップのワンピース。素肌をそれとなく隠すように白のえりつきシャツを羽織れば、品をわきまえた「日常になじむセンシュアル」へと変化。
2.
「意図せずスタイルよく見える」
自分の体型に合わせたサイズや丈選びにこだわることで、着飾る以上に目にとまる姿に。脚を長く見せるハイウエストや腰まわりがすっきり整う細身など、コンプレックスをものともしない美シルエットは迷わず買っておいて損なし。
華奢に見える「わきまえたゆるさ」

シャープというより「端正」という言葉が似合う、テーパードのないストレートフォルム。腰まわりや脚線を拾わない程度の太すぎない筒幅が、すらっと縦に伸びた脚を簡単に演出。
高い位置に設定したウエストは、凹凸が気にならないミニマルなデザインでタックインもよりスマートに。サイドの目立たない位置にウエストゴムを通し、ラクな着用感でもキレイな見た目を保てる。
タイトじゃないけど「広がりすぎもしない」

動くたびに軽やかにゆれるサテンスカート。角度によって光の入り具合が異なり、自然な縦のラインが完成する。タイトスカートほど直線的じゃないけれど、ダイナミックに広がることもない、都合のいい微フレアシルエット。締めつけのないウエストゴム仕様で、着用時のストレスもなし。
スキニー未満の「細身テーパード」

腰まわりにはゆとりを、ひざ下はほっそりと見せるボーイズテーパードの「ANN」。細身でもはきやすいストレッチの効いた素材。スキニーまではいかないけどすっきり見える絶妙なシルエットはこれからのニットとの相性も抜群。
3.
「急な予定に対応できる」
友達からの急なお誘い、前日に決まった打ち合わせ、時間の隙間をぬっていく弾丸旅行。スケジュールが突然変わってもTPOに合わせて装いたいから。正反対な場面でも対応できる、シーンレスなデザインは何枚あっても困らない。
肩ひじ張らない品が身につく「シャツワンピース」

アレンジ力の高さから稼働率の高いシャツワンピをブラウンにカラーチェンジ。少々気だるく着ても穏やかな品を保てる、こっくりとした色みのコーデュロイ素材は気温差のある季節の変わり目に最適。気になるほっこり感を気にせず着られる、スマートなシャツタイプ。
スラックスのようで「スラックスよりも尖らない」美形スカート

ほのかにつやめく上質なポリエステルを採用した、体の凹凸さえもカバーするタック入りのIラインスカート。フォーマルなパンツのような洗練された佇まいながら、スカートならではのやわらかさを兼ね備えた「カッコいいけどシャープすぎない」、都合のいい1着。
「ノンストレスな形+スニーカー」でも成立するきちんと感

チノながらしなやかではき心地がいい、ほどよくライトなリネン混。きちんと感があるだけでなく、のっぺり見えも解消できるフロントタックは、外側から内にむかってカーブを描くよう設計することで、ワイドながらスタイルアップにつながるすっきり感を獲得。
落ち着いた雰囲気ではけるうえ、スニーカーとも相性がいいすそ幅。腰から下の気どらなさが、ONに向く装いのほどよい抜けとして作用。
「ジャケットを脱いでも」カッコよく整っている




タンクの抜け感でかなうさわやかなクラシックスタイル。シャツではできないアメスリデザインによるヘルシーな肌見せで、ジャケット&黒パンツのシーズンレスなスタイルをさらに柔軟に。
下着の代わりに着られるカップインつきのタンクトップ。羽織りや透けトップスのインナーはもちろん、変形デザインのおかげでトップス的にも使える3WAY。カッティングが深いアメスリフォルムは、肩まわりをすっきり華奢に見せるのにも効果的。
4.
「ほめられることが増える」
好きな服と似合う服が同じとは限らない。家族や友人、パートナーから客観的にほめられた服は、自分では気づかなかった新たな可能性を見いだすチャンス。似合わないと決めつけず、3回ぐらい試しに着てみると案外しっくりくるもの。
細身ニットで秋色に挑戦

丸首のほかボタンを開けてVネックのようにも着られる、ヘンリーネックデザイン。肩ぐちのステッチやくるみボタン、こっくりとしたマスタードカラーがクラシックな深みを演出。1枚でも羽織りやコートのインナーにもなるコンパクトなシルエット。素肌に着てもチクチクしない、自宅で洗えるウール素材。
まっ白は苦手でも使いやすい「白っぽいグレー」

黒デニムを徐々にブリーチさせて色を抜いた、スミっぽさがほのかに残る明るいグレー。清潔感をかもしつつ真っ白ほど気張らないデニムならではの絶妙な色みは黒い服ともなじませやすく、モノトーンの気分転換にも適役。シャープなシルエットを気負いなく手にとれるのも、淡い色合いのメリット。
「ふりふりしない」大人らしいキレイな甘さ

淑女の気品が漂う、たっぷりとしたフリルがあしらわれたブラウス。花柄やドットなどの多彩なカットワークがほどこされた、エレガントな1枚。ネックとそでにもフリルが仕立てられ、さらなる甘さをプラス。ふんだんに散りばめられたディティールのおかげで、コンパクトなシルエットでも華やかな印象がきわ立つ。
5.
「新たな選択に失敗しない」
シンプルな服で構成したワードローブには、そこから派生できる余白がある。同じような形で色の幅を広げたり、よくはくボトムに合う前提でトップスのデザインを変えてみたり。安心感のある新しさでまた好きがまわっていく。
(白Tとデニムから着回しリレー)
1.王道のベーシック

白Tもデニムも美形なフォルムを貫いて「自信が持てるシンプル」へ。髪にはスカーフを巻いて、小物まで手を抜かないマインドで。
(トップスを秋色に)
2.重厚感をもたらす「ブラウン」に変更

体に沿う、肩にステッチのないTシャツのシルエットはそのままに、色だけこっくりとしたブラウンで落ち着いた印象に。ウエストにはレザーベルトを巻いてきちんと感を高めれば、スニーカーでも充分大人っぽさを維持。
(カジュアルなパンツのバリエを増やす)
3.デニムと同等に万能なチノを新投入

グラデーション配色でONタイムにも向くTシャツスタイルに。デニムなみに使い勝手がいいのに、よりシーンレスにはけるチノパンは1本あると便利。Tシャツながら気品漂うブラウンとの計算高い濃淡で、きちんと感を底上げ。
(チノに合う新たな色のトップスを)
4.無骨なチノを変える淡いピンク

カジュアルなチノ素材を生かして可愛い色にトライ。ピンクでも甘さはひかえめな、コンパクトなニットを新たなベージュの相棒に。ショート丈だからハイウエストなチノを隠しすぎることなく、淡い色どうしでもおのずとメリハリよく。
(チノのようにタフなスカートを)
5.辛口に振れる「タフタ素材」のフレア

前だけはひざ上丈の緊張感で白+ピンクに強さを加算。迫力のあるシルエット、白の色み、アシンメトリーな丈感のスカート。どこをとってもドレスライクなデザインが、サマーニットの新たな引き締め役に。そのぶん足元はフラットサンダルを選んで息抜き。
(白ボトムに似合う新しい黒も欲しい)
6.黒ベストで直球ハンサムに

白のフレアスカートをモードに転換。すらりとしたトップスのシルエットはそのまま、マニッシュなジレでムードチェンジ。スカートのデザインが効いて、モノトーンが新鮮に。
(ALLブラックもハズせないから)
7.キレイな黒に合う「ラフな黒ボトム」

黒の中でテイストを変えて単調に見えないワントーンの完成。ラクなのにきちんと見える、すそがすぼまらないスエットパンツ。
(色で黒を気分転換)
8.わかりやすくえりつきの長そで

シンプルな白よりも華やぎが得られるカラーシャツを新投入。スエットパンツはしゃんと見え、シャツには脱力感が生まれるベストな関係性。なにを選んでも品を保てるシャツだから、白もいいけれどせっかくならイエローで、まじめすぎないハズしをプラス。
(頼れる黒ボトムはバリエが欲しい)
9.ワイドの気分転換にタイトな黒

スキニーといえど心地よくはける、肉厚なレギンスタイプ。リバイバル中のサブリナ丈で、今っぽさも意識。ワークアウトに向かう海外セレブのSNAPをイメージして、+リュックでスポーティなエッセンスを。
(短めボトムに合うトップスを加入)
10.長め丈のジャケット

シャツよりもさらに知的なジャケットで短め丈のパンツをフォーマルに装う。仕上げに羽織るだけで、レギンスの雰囲気が一変。インナーはタイトなタンクで、シルエットに緩急をつけて。
(ジャケット+デニムの王道に変化球)
11.注目は「ケミカル気味」の色落ちデニム

ジャケットがくだけて見える、古着のような色とフォルムを選択。デニムの中でもさらに味のある、ケミカル風のウォッシュ。丸みのあるやわらかなフォルムが、硬派なジャケットのお堅さをセーブ。
(色落ちデニムに似合う新しい白)
12.長くて薄い白Tでリラックス

ゆるいデニムと波長を合わせた白で、心地よい縦長シルエットをメイク。さっぱりとした組み合わせを盛り上げるため、小物で秋っぽさを。