今季の傾向を把握した、プロたち自身が欲しいものをヒントにすれば、リアルに使えて鮮度も上がる確かな1枚が見つかるはず。ストリートの今、スタイルの軸となるものや色から導いた、新しい服の選択基準をあらゆるアプローチから探ります。まずはスナップから旬のトピックスを調査し、今季取り入れたいアイテムを考えます。
– Talk STYLIST –
高木千智さん
メンズアイテムやヴィンテージ品をとり入れたスタイリングに人気が集中。キャッチィな色柄や、プレイフルな小物づかいも必見。
出口奈津子さん
ボーイズライクなカジュアルが定番。GISELeではバッグや靴など小物企画を担当することも多く、常に新鮮な合わせ方を提案。
岩田槙子さん
毎月多くの企画を担当する看板スタイリストのひとり。旬をいち早くキャッチし、シンプルでリアルなコーディネートに落とし込む。
樋口かほりさん
GISELe表紙のスタイリングも毎号担当。大人に似合うカジュアルをモットーに提案する、きちんと感と抜け感のバランスは絶妙。
渡邉恵子さん
ファッション誌だけでなく、テレビやCMと多方面で活躍。大人の気品や女性らしさを感じさせるコーディネートに支持が集まる。
石関靖子さん
さまざまなファッション誌から引っぱりだこの、人気スタイリスト。キレイめとカジュアルなど、相対するテイストのMIXが得意。
POINT01 / 世界のオシャレ事情を参考に
「SNAPから欲しいを探す」
まずは、スタイリストが注目する新たなトピックスを徹底調査。マークすべき旬色やスタイルアップががなう着方の工夫など、トレンドセッターたちをお手本にナビゲート。
編集部:春ものが出そろい始めましたが、気になる「新しさ」って?
石関さん:とにかく白に惹かれます!定番色ですが、今季はあらためて鮮度を上げてくれる色の1つ。[1]のような落ち感のあるオフ白は、メンズっぽいアイテムでも大人で女性らしい印象に仕上がります。
[1]「オフ白でワントーン」
クリームカラー×ビッグサイズのリラクシーなセットアップ。足元まで同色にした、「縦のひとつなぎ」がスタイルアップに貢献。
渡邉さん:引き締め役のインナーを黒にせず、旬色でもあるブラウンに変えた[2]右も新鮮味がありますね。クリーンな白を重ねているから、濃厚な色をたっぷり加えても軽やか。
高木さん:そうですね。[2]左の、ゆったりしたシルエットも、クラシカルな色ならきちんとさも出せて便利。タイトヘアやラウンドバッグで、品よくまとめているのもポイント。
[2]「ブラウンが軸色」
右…首元の小さなドット柄で、さりげなくフェミニンな表情をメイク。白ニットを重ねて、ゆるいブラウンを切れ味よく。
左…今風のボリューミィな形も、黒だとモードになりすぎることも。ブラウンなら適度に締まり品格も上昇。
岩田さん:あと、あいまいなキレイ色はいろんなブランドからたくさん出ていて、わかりやすいトレンドかも。ニュアンスのある色みなので、[3]みたいにブラウンとか、やわらかさのある暗色で締めるほうが好バランス。
[3]「黒で締めない」
ニュアンシーな配色でLADYなムードを加速。締め色はブラウンを採用し、マイルドな印象をキープ。
渡邉さん:ほんと多いよね。[4]の、定番の白シャツを淡いブルーに変えたことで、グラデーションスタイルも手軽に挑戦できる。シャツの着方の幅が広がります。
樋口さん:セットアップを深いグリーンなど、どちらか渋い色にすると、派手になりすぎず、色合わせも試しやすくなりますよ。
4.「白シャツを更新」
寒色系のグラデーションがまじめなジャケパンスタイルを高感度な装いへ。インナーの黒でぐっと落ち着いた雰囲気に。
岩田さん:服であいまい色が難しいなと思ったら、[5]右のようにさし色として小物でとり入れるのが簡単。
石関さん:派手色も好きだけど、くすんだ色みならアクセントにもなり、上品さも足してくれる。
出口さん:そうですね。[5]左の、まろやかなオレンジを加えたことで、よく見るグレーも新しく感じます。
[5]「小さく使うキレイ色」
右…目を引く淡いグリーン小物も、アイボリーとのあいまいな色でなじみよく。
左…おじさん風のグレーのロングコートに、オレンジをちりばめフレッシュに。白と黒の中間色でもあるグレーならコントラストがつきすぎず、色小物もまとまる。
樋口さん:今季はほんとカラーバリエーション多彩ですね。私はサテン素材などの光沢のあるスカートも気になるな。とくに長い丈のもの。[6]のスナップで着用している、クリームっぽい色だと、華やかな素材でも気張りすぎないからオススメです。
[6]「スカートは長くツヤっぽく」
サテン地のドレッシーなスカートは、黒のロング丈アウターでシンプルにそぎ落として。