リラックスと品の良さがわかるコレクションルック10

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肩の力を抜いて着られるファッションが気分とはいえ、品よく装うためには適度な緊張感も必要。そこで、抜けと締めの加減に定評のある、スタイリスト・樋口かほりさんに“SOS”。彼女の審美眼にかなったコレクションルックを参考に、「うまいバランス」を解説してもらいました。

-HOW TO MAKE STUNNING SILHOUETTE?-

1.
縦の切り込みで白シャツが変わる
「ボリューミィな白シャツに太シルエットのパンツは、まんま着るとのっぺり見える恐れも。スリット入りのシャツを選ぶか、すそのボタンを大胆に開けちゃうか。縦のラインを強調する選びや着方で、見え方に差が出ると思います」

〈右〉ひかえめなスリットながら、あるのとないのとでは全体の抜けぐあいが全然違う。〈左〉BIGサイズのシャツやシャツワンピは、ボタンをバーッと開けて着るのが好き。この着方はGISELeでもよくやっています。

2.
全部ではなく一部をタックIN
「脚長効果を高める手段としておなじみ、トップスのタックIN。全部だときっちりしすぎて隙がない印象なので、まん中だけをボトムの中にしまうのが好バランス。OUTした両脇のすそが気になるおなかまわりのカバーにもなる」

タックINによるウエスト位置のスッキリ感に加えて、VALENTINOのこのルックは肌を見せるバランスもお見事。大げさな小物と対照的にきゃしゃな首・手首・足首とのコントラストがキレイで惹かれました。

3.
パンツとシューズが同じトーン
「存在感のあるワイドパンツも、シューズまで同色でつなぐとなんとなくシンプルに見える気が。その場合、シューズはぽってりとした形よりとがったものを。腰から下を1色にすることで必然的に脚長見えにもつながります」

カラーパンツをはく日って、どうしてもシューズが浮いて見えがち。パンツと同系色を選べば、色数がしぼられて洗練された見た目がかなう。地面すれすれのパンツからちらりとのぞく、パープルのポインテッドトゥがかわいい。

4.
むしろシャープになるシアーな重ね着
「黒一色でミニマムにまとめていながら、シアーなトップスをとり入れたことによりちょっとした奥行きが出て完成度が上がる。黒のシースルー素材なら、レイヤードしても重たく見えにくいうえ、印象もシック」

あらゆるブランドでリリースラッシュの透け素材を、黒のコーディネートになじませて提案したAKRIS。黒に黒を重ねて“透けてる感”をなるべくおさえたスタイルは、落ち着いた仕上がりで大人もチャレンジしやすいはず。

5.
ぼやける淡色にキャメルの小物
「レザー小物のツヤっぽい質感がシャープさを演出し、ぼやっとした色からなる装いを引き締め。黒ほど強くなく、やわらかさも持ち合わせたキャメルなら、全体のアクセントになりつつ上品さをキープすることができます」

シルエットに余裕のある服をまとうとき、服の主張に消されないボリュームのバッグを選ぶのがオススメです。バッグとシューズの色をリンクさせれば、一体感が生まれてスタイリングが簡単になるうえ品のよさも増す。