毎号反響を呼ぶスタイリスト・樋口かほりさん。過去に手がけたスタイリングと自身の私服からもわかる、ファッションセオリーをあらためて大解剖。リアリティのあるスタイルを生み出すうえで大切にしている「言葉」から、ワードローブづくりのヒントが見えてきた。
※クレジット表記のないものは、すべて樋口さん私物です。その他モデル写真は、過去のGISELeに掲載したものです。
SIMPLE TALK
シンプルのよさにもいろいろある
スタイリングを組むうえで、樋口さんから頻繁に出てくるのは「シンプル」というキーワード。地味にはならない境界線。単純なのに目を引く理由。樋口さんにとってのシンプルには、いろんな意味が含まれている。
1. FORM
「形からはみ出さない」
抑揚のない長方形のようなシルエットの範囲内なら、映える色を使っても十分シンプルを保てる。つまったネックラインやロング丈など、隙をなくすとさらにミニマム。
2. COLOR
「色をしぼると単純に見える」
サテンコートなど難易度の高い素材感の服も、ワントーンにするだけで即落ち着く。色数をしぼることは、服から受ける情報量をリセットしてくれる効果もあります。
3. GIMMICK
「地味な遊びが生きてくる」
このスタイリングは、ベルトをたらしたことが実は最大のポイント。トップスとパンツだけだともの足りない。印象をくずさない程度の「地味なハズし」でも生きてくる。
4. IDEA
「逆の発見のきっかけをくれる」
たとえばレオパード柄のブーツ。単品で見ると「派手?」と迷うものも無地のワンピとセットで考えれば途端にハードルが下がる。その点で、「気づき」をくれることも。