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スタイリストが「ニットワンピを選ぶとき」気にすること
締めつけのないシルエットであることが前提。そのうえ、さらに気になる体のあたりや丈問題、色との関係性などワンピース選びでよくある「3つのお悩み」を解決するための見どころを、これまでGISELeで数多くのワンピース企画を担当してきた、スタイリストの渡邉恵子さんに聞きこみ。
POINT-1
着まわしやすさは「形より丈を見る」

「毎年、毎シーズンワンピース企画で、さまざまな着回しパターンを作ってきて分かったのは「着回せるワンピース」は意外と形よりも丈感が重要ということ。足首が少し見える長さだと、ボトムや靴が埋もれず、1枚で着ても肌が出すぎないのでバランスがとりやすいです」(渡邉さん)
POINT-2
体のラインを部分的に見せたほうがいい場合

「1枚で女らしく着たいときは体の線を出したほうがうまくいく。たとえば、タートルは面積が広いぶん、ウエストの形がわかるほうがキレイ。ゆったりめのシルエットに抵抗がある人は、首元が開いたタイプなど、首まわりをすっきりさせれば華奢に見えます。肩幅が広めな人は、デコルテの開きを意識することで良いバランスに落ち着くと思います」(渡邉さん)
【体の線を拾いたくない】
→ダーツとポケットで目くらまし

「ソフトな素材がゆえ、ゆるくてもラインは出やすいのでごまかせるデザインが大切に。たとえば立体感をつくるダーツやポケット。少しだけ体から浮くため、シルエットがあらわになるのを防げます」(渡邉さん) 背面のダーツがお尻をポケットが腰を自然とカバー。まっすぐのびるダーツがIラインを強調し、すらりと見せてくれる役割も。
【自分にぴったりの丈が見つからない】
→調整しやすいスリット&前後差

「とくにネットで買う場合も参考にすると良いと思います。短すぎると足が太く見えるし、長くてももたつく。ジャストな丈に出会うのはなかなか難しいですが、すでにアンバランスなすそなら、1枚でもバランスよく、重ねることでジャストな丈に調整しやすい」(渡邉さん) ハンパな丈を埋めてくれるロングブーツも不可欠。
【膨張感なくベージュが着たい】
→厚みがあるほうがむしろすっきり

「ベージュ系の淡い色をニットワンピでもとり入れるなら。ハイゲージだとシルエットをダイレクトに拾うため、かえってぼてっと見えやすい。あえて厚みを出すと余白が生まれてきゃしゃ見えが可能」(渡邉さん) タートル部分もまとわりつかないゆとりを意識。小物はわかりやすく黒を選ぶと、シャープな印象が強まる。
ワンピこそ「ブーツ以外の足元」を楽しむ

「秋冬のワンピの足元ってついブーツに頼りがちですが、コーディネートしやすいワンピースを頼りにソックスやタイツと靴の組み合わせを考えて試したり、ちょっと個性的な靴にチャレンジしてみたりと「今っぽさ」は足元で演出。着回しも服を重ねるよりも、足元にバリエーションがある方がが新鮮」(渡邉さん)
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スタイリストに取材 「間違いのないデニム」
毎シーズン「デニムから」ワードローブ作りを始めるというスタイリストたちに取材。「よく穿くデニムに似合う服=出番の多い服」という彼女たちのセオリーをもとに、その軸となる新しいデニム選びの詳細をレポート。
キレイめ派にお勧めの薄手インディゴ

インディゴデニムパンツ 80,300円/ロンハーマン 「ふだんあまりデニムははかないのですが、これはストレッチ性の高いしなやかな生地。デニムをあまり穿かない人にこそ試してほしい、デニムの領域を超えたキレイめパンツ。 クリーンなインディゴが、いつものスタイルを品良く格上げしてくれる」(岩田さん)
わずかな遊びを足せるペイントデザイン

デニムパンツ 24,200円/ニードバイヘリテージ(ゲストリスト) 「大人のかわいさが生まれるピンクやグリーンのネオンカラー。ネオンカラーのペイントも、これみよがしではない小ぶりな配置なら、洗練されたアクセント」(樋口さん)
胸下付近までとどくハイウエスト

デニムパンツ 25,300円/レッドカード トーキョー(ゲストリスト) 「胸下まで届くかのような深い股上が、スタイリングの大部分を占めることで、他に多くを語らずとも存在感が際立つ。 潔いほどのハイウエストが、シンプルな着こなしを格上げ」(船戸さん)
まっすぐでキレイな程よいワイド

白デニムパンツ 33,000円/BEIGE,(オンワード樫山 お客様相談室) 「白デニムをカジュアルにはきたい人にオススメなワイドストレート。通常のストレートよりやや筒幅を持たせたワイドすぎない絶妙シルエット。ハイウエストかつ、ヒップ部分の大きなポケットで後ろ姿までキレイに見えます」(樋口さん)
女性らしいカービィな形と色が最高

デニムパンツ 26,400円/リーバイス® ビンテージ クロージング(リーバイ・ストラウス ジャパン) 「かつてマリリン・モンローが愛用したことでも知られる名作の701。ウエストもくびれて見えて、ヒップラインもキレイに見える、細すぎないまっすぐなストレート。深みのあるインディゴが、いつものトップスを格上げします」(渡邉さん)
スタイリストたちにも人気のブルーデニム

デニムパンツ 39,600円/Oblada(シンチ) シンゾーンでクリエイティブディレクターを20年務めた染谷真太郎氏が2022年に設立。ヴィンテージデニムなどから着想を得た緻密な加工感に注目。「アタリやヴィンテージ風の色落ち加減などが絶妙。やや幅を持たせたストレートで、ウエストを少し細く仕立てることで、メリハリの効いた美しいシルエットに」(渡邉さん)
色も形も穿き心地もベストなデニム

黒デニムパンツ 29,920円/Oblada(シンチ) 「ラクとキレイを両立する完璧な黒。 ルーズなムードと、締まったウエスト。相反する要素を両立させたカーヴィなシルエットが、脚線を驚くほど美しく見せる。 股上は深めながら、ハイウエストなので脚は自然に長く見えます」(塚田さん)
丸みのあるシルエット

デニムパンツ 24,200円/ソフトハイフン 「気分は90’sムード。 ゆったりとしたウエストと丸みを帯びたシルエットが、今また新鮮。リラクシーな穿き心地ながら、腰位置を高く見せる計算されたパターンは、スタイルアップを確約。 ラクしてさまになる1本です」(樋口さん)
デニムカラーのコーデュロイで季節感を投影

ブルーコーデュロイパンツ 39,600円/venit(ハルミ ショールーム 「デニム感覚でぬくもりを纏う。 通年頼れるブルーデニムの面影を、あたたかみのあるコーデュロイにスイッチするだけで、カジュアルな装いにデニムとはまた違った奥行きが生まれる。 この冬まず投資したいのはそんなデニム見えする新たな相棒」(渡邊さん)
黒デニムだからモードに装える

黒ミディ丈スカート 37,400円/PHEENY 「レトロなミディ丈は黒デニムで辛口に更新するのが正解。 ともすれば甘くなりがちなアイテムも、黒の力強さとデニムのカジュアル感が加わることで、途端にモードな表情に。 アシンメトリーなウエストデザインで、都会的なムードに」(塚田さん)