「16時間断食」やってみる前に知っておくべき「正しい知識」


根拠にもとづいた「オートファジー」の知識

「オートファジー」という言葉を耳にして、16時間断食を始めてみた、あるいは興味を持っている方も多いのでは? SNSでも「細胞が若返る」「肌がきれいになる」といった魅力的な情報が溢れているオートファジー、確かにノーベル賞を受賞した重要な科学的発見。


しかし、実は日常的に目にする情報の中には、科学的にまだ確立されていない部分や、知っておくべき注意点が意外と多いもの。オートファジーと断食について「実は知らなかった」科学的事実や、安全に実践するために押さえておきたいポイントを解説。 (この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的アドバイスではありません。健康に関する判断は、医師や専門家にご相談ください)



なぜ「16時間」断食?

よく聞く「16時間」という数字。16時間食べないでいると、オートファジーが活性化するという情報を見たことがある方も多いのでは? しかしこの「16時間」という具体的な数字は、実践しやすく覚えやすいため、広く知られるようになったというもの。

【実はまだ明確な根拠はない】

ヒトにおいて「16時間でオートファジーが最大限に活性化する」という科学的なコンセンサスは、現時点では確立されていません。動物実験では、断食によってオートファジーが活性化されることが確認されていますが、ヒトでは個人差(年齢、性別、体質、食事内容など)が大きく影響すると考えられており「何時間が最適か」については、まだ研究が進められている段階。



【まだ研究途上】

これは「16時間断食が意味がない」ということではなく、間欠的断食自体には様々な健康効果が研究で示唆されています。しかし、その効果は必ずしもオートファジーだけによるものではなく、インスリン感受性の改善やカロリー制限など、複数の要因が関わっていると考えられています。



実践する前の注意点は?

あらためて、ファスティングは「効果がない」ということではありません。細胞レベルや動物実験では、オートファジーが細胞の健康維持に役立つことが示されており、断食により体内の炎症マーカーが低下する可能性が、一部の研究では報告されています。間欠的断食に興味を持っている場合、安全に実践するために知っておきたいポイント。



水分とミネラルの補給

食事からは1日約1リットルの水分を摂取しており、断食中は食事からの水分摂取がなくなるため、意識的に水を飲むことが大切。また、断食中は体内の電解質バランスが変化しやすくなり、頭痛やめまい、倦怠感や集中力の低下は脱水や電解質不足のサインの可能性があります。

【POINT】
・断食中も水をこまめに飲む(1日2リットル程度)
・必要に応じて少量の塩分を補給
・特に運動する日は注意



食事可能時間の栄養バランス

よくある誤解として「16時間我慢すれば、残りの8時間は何を食べてもいい」ということ。断食の目的はカロリーを減らすことではなく、代謝のリズムを整えること。よって食べられる時間こそ、栄養バランスの良い食事が重要。断食後のジャンクフードでは、かえって健康を損ねてしまうという結果になりかねません。

【特に意識したい栄養素】

☐タンパク質=筋肉量の維持に必要(肉、魚、卵、大豆製品)
☐鉄分=特に女性は不足しやすい
☐ビタミン・ミネラル=野菜・果物から
☐良質な脂質=魚・ナッツ・オリーブオイル



実は「間違いだらけ」 科学や医学に基づいた「真実」
≫【7つの真実】 やっている人も・やってみたい人も「美容効果について分かっていること」