結婚について「彼の本音を探る」裏ワザ


東大卒・会社員兼恋愛ライターという経歴を持つジェラシーくるみさんが、恋愛や美容、女性の生き方の悩みについて、自身の経験に基づいて答えていく不定期でお届けしている連載。今回はそのジェラシーくるみさんの新著「私たちのままならない幸せ」から「結婚について彼の本音を探るワザ」をご紹介。



【ジェラシーくるみ】
東大卒の夜遊び職人。昼はしがない会社員。恋愛や美容、女性の生き方についてWebメディアを中心に執筆。フォロワーから寄せられた悩みに答えるPodcast(ジェラシーくるみのぶったぎり!)を配信中。初書籍『恋愛の方程式って東大入試よりムズい』をはじめ、仕事・恋愛・結婚・将来にモヤモヤを抱える25歳以上の生き方本「そろそろいい歳というけれど」も好調発売中。恋愛や人間関係を分析するツイートが人気で、Twitterフォロワー数は約6.3万人。


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「なんか、面接みたい」

この言葉とともに何度失笑されたことか。友人たちは私からの質問攻めに慣れているが、どうやら会ってまもない人には私は面接官に見えるらしい。学生時代は何か部活に入っていた? なんでそれを選んだの? 子どもの頃の夢は? 友達からはどんな人だって言われる? 譲れないこだわりってある?最近一番お金をかけていることは?

私は相手に興味を持つと、つい面接官になってしまう。詰めているつもりは毛頭ない。ただ、相手の“人となり”を知りたい、答えるときの相手の表情やスピードを見て、たくさんの情報をもとに相手がどんな人なのか想像したい。そんな不躾な願望が裏には潜んでいる。


この失礼な悪癖のせいで、読者や周りの女友達から寄せられる「結婚についてどう思っているか彼の本音を知りたいけど、切り出し方がわからない」という悩みにはなかなか共感できなかった。「結婚したいって思ったことある?」「子ども欲しいって思ったことある?」とドストレートに聞く体当たりスタイルばかり過去に実践してきたからだ。


だがこのような質問ラッシュには相手は圧を感じるらしく、それは私の本意ではない。


初対面の場や大事な相手との会話において距離感を見誤るのは、コミュニケーションにおいて致命的だ。そこで考えを巡らせた私は、本当に聞きたいことの前にワンクッションを置いてみると面接官呼ばわりされないことに気がついた。


「私はこうだったんだけど、あなたは?」のand you?方式や、「巷ではこう言われていますが、あなたはどうお思いで?」のご意見番方式だ。






インスタントラーメンに卵を落とすと味がまろやかになるように、このワンクッションのひと手間を加えると私の不躾な質問も少しだけ丸みを帯びる。

前作『そろそろいい歳というけれど』でも触れたことだが、結婚なんて「したい」と思ったほうから話を持ちかければいいし、女から多少の圧をかけても、プロポーズをしてもいいと思っている。


映画のエンドロールで「早くしないと私から言っちゃうよ?」とソファの下から彼を見上げた彼女、新年の抱負で「今年の目標は結婚かな〜。エントリーする?」と彼にふっかけた彼女の話も書いた。


結婚の話は押し売り営業ではなく、交渉と考えよ、とも。とはいえ、プロポーズへの透明な滑走路を全員が敷けるわけではない。いきなり結婚の話題を出すと彼に嫌われるのではないか、重い女だと思われないか、と葛藤を抱く女性も少なくないだろう。


そこで、先ほどの回りくどい「ワンクッションのひと手間」を加えるといい。話の導入としては、周りの友人や著名人の結婚ニュースでいいだろう。


「〇〇さん結婚したってね」のあとに「なんで人は結婚するんだろうね」とご意見番方式で質問を投げかけてみるのだ。面倒な改姓手続きを踏んででも法律婚する人があとを絶たないのはなぜだろうね、と(結婚したくない人もいる前提は崩さずに)問うてみるのだ。


町から出ていく若者があとを絶たないねえ、と独りごちるおばあさんのように。次の彼の一声こそが、彼の「結婚観」「家族観」を探る一手目となる。


好きな人と一緒にいたいから、老後が不安だから、子どもを持ちたいからなどの、無難かつ王道の答えが出てきたら、「あんたはぶっちゃけどうなん?」とand you?方式に持ち込めばいいし、「社会的圧力」などのややネガティブなワードが出てきたら、彼はそこまで結婚に積極的でないと解釈できる。

万が一、彼が「さあ」のひと言で切り捨てたり、話題をそらしたりしたならば、少なくとも今は結婚の話題を避けたい、ということだろう。目の前のあなた、ではなく顔の見えない〝人々〟を主語にして質問をすることで、結婚についての話題のハードルがぐっと下がるはずだ。



人の本心を探ることはとても難しい。心の中にまでAirTagはつけられないし、そもそも本人が自分の本心を知っているとも限らない。


人は都合の悪い本音を自覚することで、心のやわい部分がはがれてしまったり、新たな悩みや面倒ごとが増えてしまったりもする。人に問う、ということは、ときに泥のついた手を他人の懐に突っ込むような、暴力性を帯びた行為になりうる。


誰だって本当は脳の中をかき分けずにすむ楽しい話をして、穏やかな気持ちで眠りにつきたいはずだ。ハーゲンダッツで一番好きなフレーバーは何?」とか「1週間行くとしたら沖縄か北海道どっちに行く?」とか。


両者の心をえぐることも、相手を自己保身に走らせることもなく彼の本音を聞き出す方法があるとすれば、それは「社会を俯瞰する僕」という安全圏からいったん語ってもらうことだろう。



「私たちのままならない幸せ」

著者:ジェラシーくるみ
定価:1,400円(税込)
発売日:2024年3月18日
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