“Zombieland”
『ゾンビランド』(2009)

ホラーが苦手でも楽しめるゾンビエンタメ
謎の新型ウイルスの感染拡大により、人類の大半がゾンビと化した世界。引きこもりの青年コロンバスは、生き残るためのルールを作り慎重に生き延びてきた。あるとき最強のゾンビハンターらと出会い、ゾンビのいない夢の遊園地をめざすが……。
「ゾンビ映画というとただグロテスクなイメージが強いですが、本作はユーモアもあってオススメしたい作品。」(ヘアメイク・小澤麻衣さん)




“Stand by Me”
『スタンド・バイ・ミー』(1986)

何年経っても色あせない青春映画の金字塔
ベン・E・キングが歌う主題歌も忘れがたい不朽の名作。オレゴンの田舎町で、行方不明になった遺体が森に放置されているというウワサが広まる。見つければ有名になれるに違いない、と4人の少年は死体探しの旅に出る。亡きリバー・フェニックス出世作。
「何度観てもよさを実感する名作中の名作。ゴールデンエイジの少年特有の淡さや残酷さを、しみじみ感じます。」(ヘアメイク・小澤麻衣さん)



“Zoolander”
『ズーランダー』(2001)

類を見ない抱腹絶倒ファッションコメディ
監督・脚本・主演のベン・スティラーがファッションモデル界のトップを演じるコメディ。業界に限界を感じて一時は引退したが、気鋭デザイナーの指名を受けて復活。しかしそこには罠が……。D・ボウイからトランプまで、カメオ出演者が豪華。
「続編公開時には、実際にVALENTINOのランウェイに主演二人が登場し、爆笑をさらったのもなつかしい。」(DIESELプレス・井上沙理さん)

“Falcon Lake”
『ファルコン・レイク』(2022)

16mmフィルムならではの淡い映像美
昨年のカンヌ国際映画祭監督週間で話題を呼んだ、俳優C・ル・ボンの監督デビュー作。バスティアン・ヴィヴェス著『年上のひと』を原作に、少年バスティアンがケベックの湖畔でともに過ごした、3つ年上の少女クロエとの特別な夏を映し出す。
“Mars Attacks!”
『マーズ・アタック!』(1996)

風刺と皮肉が効いた贅沢なおふざけ映画
ダークファンタジーの巨匠、ティム・バートン監督が、ジャック・ニコルソンら豪華キャストとともに贈るSFコメディ。突然地球に襲来した火星人が、地球人を相手に大虐殺を開始。彼らに追いつめられる人々の姿を、悪ノリとユーモアたっぷりに描く。
「ケンダル・ジェンナーがハロウィンに、本作の火星ガールの仮装をし、スタイリッシュだったことも印象的。」(DIESELプレス・井上沙理さん)


“Swiss Army Man”
『スイス・アーミー・マン』(2016)

予想の遥かななめ上をいく奇想天外さ
両監督の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022)がアカデミー賞を受賞し、再脚光を浴びる本作。無人島で遭難した青年が、打ち上げられた水死体の浮力を利用し陸を目指す異色サバイバル。遺体役はまさかのD・ラドクリフ。
「スカッと爽快のギャグ映画かと思いきや、とても中身が濃い作品。ラストのシーンは複雑な感情が押し寄せます。」(カメラマン・菊地史さん)

「笑いたいとき」の映画【3選】
『ドント・ルック・アップ』(2021)

皮肉な笑いに満ちたブラックコメディ
巨大彗星衝突?という地球の危機を察知した天文学者と教え子の大学生。政府や世間にその事実を伝えるべく奔走するも空回り。しかしXデイは刻一刻と迫り……。昨今の政府やメディアなどに対する風刺を痛烈に盛り込んだブラックコメディ。
「アメリカらしい社会風刺が見事。コメディですが、壮大なテーマを描いているので鑑賞後スッキリした気分に。」(ヘアメイク・小澤麻衣さん)

『南極料理人』(2009)

料理シーン必見のほのぼのコメディ
南極観測隊の調理担当だった西村淳氏のエッセイが原作。些細な日常をおもしろくすることに定評の沖田修一監督が映画化。南極という閉ざされた空間で、学者や医師など個性豊かな人々の間に、食を通して絆が生まれる過程をユーモラスにつづる。
「堺雅人さんの空気感も、登場人物のキャラもよい。観ているとおなかが減ってきて、作中に入ったような気分になります。」(カメラマン・菊地史さん)


『花嫁のパパ』(1991)

笑いあり涙ありのファミリーコメディ
1950年の『花嫁の父』のリメイク版。娘を嫁がせる父親の複雑な心情を『ピンクパンサー』シリーズのスティーブ・マーティンが愛嬌たっぷりに演じるコメディ。幅広く共感を得るテーマだけに1995年には続編も。さらに2022年にはリブート版も誕生。
「結婚することになった娘を心配するがゆえの父親の奇行の数々に、思わず爆笑してしまいます。」(映画館 Strangerスタッフ・吉田晴妃さん)
「泣きたい」ときの映画【3選】
『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』(1992)

人と人との心の底からのふれあいに涙
気難しい盲目の退役軍人と、アルバイトで彼を世話することになった心やさしい苦学生の交流を描いたヒューマンドラマ。退役軍人役である名優アル・パチーノが、アカデミー賞主演男優賞7回目のノミネートにして、ついに受賞した記念すべき作品。
「じんわりと感動の涙を誘う作品ですが、アル・パチーノの最後のスピーチには涙が止まりません。」(Lilas/HARDY NOIRプレス・田井美也子さん)


『フェアウェル』(2019)

万国共通の複雑で普遍的な家族愛に涙
中国系アメリカ人のルル・ワン監督が実体験に基づき描いた物語。中国に暮らす祖母ががんで余命わずかとわかり、ウソの結婚式を口実に久々に親戚一同が顔をそろえることに。祖母に告知すべきか否か。スリリングだが愛にあふれた数日間が始まる。
「米国で育つ文化の違いや家族のすれ違いなど、自分の経験とも重なるところがあり、映画館で涙しました。」(DIESELプレス・井上沙理さん)



『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』(2017)

なんともはかないラブストーリーに涙
交通事故死した夫が、田舎の一軒家に残された妻を見守り続けるファンタジードラマ。幽霊となった夫がシーツをかぶったまま、現世をさまよい続ける姿が哀しく切ない。顔が見えない幽霊まで、夫役のケイシー・アフレックが演じているのもミソ。
「幽霊のたたずまいから、人間の存在や夫婦の愛のはかなさ、尊さを感じ、深い感動を味わえます。」(映画館 Stranger代表・岡村忠征さん)


「ドキドキしたい」ときの映画【3選】
『アバウト・タイム愛おしい時間について』(2013)

恋する二人からあふれ出る多幸感
タイムトラベルの能力を持つ家系に生まれた青年が、過去に戻って、想いを寄せる女性との関係を進展させようと試みるロマンティックコメディ。監督は『ラブ・アクチュアリー』(2003)などで知られる恋愛映画の旗手、リチャード・カーティス。
「失敗を繰り返してもアプローチし続ける彼の姿は、ツッコミながらも応援したくなります。」(Lilas/HARDY NOIRプレス・田井美也子さん)

『グーニーズ』(1985)

好奇心旺盛な幼少期を思い出す高揚感
S・スピルバーグ監督が製作総指揮を務めたアドベンチャー大作。港町を舞台に、悪ガキ集団“グーニーズ”が海賊の財宝を探す冒険に出る。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022)で復活したキー・ホイ・クァンが子役で出演。
「息つく暇もなくいろいろなことが起きる、ジェットコースターのようなわくわく感です。子役たちが最高にかわいい。」(カメラマン・菊地史さん)
『アンストッパブル』(2010)

エキサイティングなスピード感と臨場感
暴走を始めた無人貨物列車を止めろ! シンプルなストーリーながらハラハラドキドキが堪らない、王道のハリウッドアクション映画。『トップガン』(1986)でトム・クルーズを一躍大スターに押し上げたトニー・スコット監督の手腕が光る名作。
「大惨事を阻止するために総力を挙げて挑む労働者たちが非常にカッコよく、手に汗握る作品です。」(映画館 Stranger代表・岡村忠征さん)
「ハラハラしたい」ときの映画【3選】
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2020)

「007」シリーズ第25作であり、6代目ジェームズ・ボンドを務めたD・クレイグ最後の出演作。現役を引退したはずのボンドだったが、CIAの旧友が助けを求めてきたことで、凶悪な最新技術をそなえた敵を追うことに。悪役にラミ・マレック登場。
「冒頭の爆発からおなじみのカーチェイス、バイクでのアクションまで、終始ハラハラしっぱなし!」(Lilas/HARDY NOIRプレス・田井美也子さん)
『ゲット・アウト』(2017)

伏線回収とまさかのどんでん返しにハラハラ
米国が抱える根強い黒人差別問題を、人気コメディアンのピール監督らしい角度からブラックユーモアたっぷりに仕立て上げた、衝撃のサスペンスホラー。黒人青年クリスが、白人の恋人ローズの実家に招待されるが……。戦慄の夜へようこそ。
「恐怖がじわじわとくる作品。ただ怖いだけでなく、描写やストーリーも素晴らしいので最後まで目が離せません。」(ヘアメイク・小澤麻衣さん)

『Pearl パール』(2022)

無慈悲なシリアルキラーの言動にハラハラ
『ミッドサマー』(2019)を世に送り出した気鋭のスタジオ、A24が贈る最新作。人里離れた農場でスターを夢見る少女パール。厳格な母と体の不自由な父が彼女の夢を阻んだことで、少女がシリアルキラーへと変貌していく様を描くサイコホラー。
「推しのホラークイーンであるミア・ゴス主演。夏前に、友達とキャッキャ言いながら見るのがオススメ。」(DIESELプレス・井上沙理さん)
【番外編】映画好き編集が最近観たオススメ
「ジャック」(1996)

監督はフランシス・フォード・コッポラ。「人生は1度。その時間をムダにしてはいけない」ことを強く実感できる感動作。とにかく1度、観ることをおすすめしたい名作!
ブロンクス物語/愛につつまれた街

ロバート・デニーロ監督・出演。イタリア系アメリカ人の少年が、地元マフィアのボス・ソニーと知り合い、組織犯罪への誘惑と、勤勉な父との狭間に立ち、葛藤しながら成長していくさまが描かれる。父とは違う、父のようなソニーの愛に心打たれる異色のマフィア映画。