「ブーツをしまう前に」クリーニングの専門家もやっている4つのこと


プロ直伝!「ブーツが長持ちする」ケアの秘策


もう二度と出会えないかもしれない、自分的お気に入りの1足を大切に、ずっとつきあっていくために。その大きな分かれ道となる、あなどれないきちんとしたメンテナンスの方法。おろしたての見た目を保つ、お手入れ方法を靴の専門家が徹底解説! 手持ちのブーツも、新しく買ったブーツも。おろしたての見た目に近づける&保つ方法を。



【取材したスペシャリスト】
(コロンブス 小高公次さん 皮革関連業態に100年の長きにわたり、靴仕上げ剤・靴クリームを提供してきたコロンブスの企画部。靴磨きの講師として幅広く活躍。 (R&D 小坂遼太郎さん シューケア商品の専門商社として40年以上業界をけん引してきたR&Dの営業企画部。ヨーロッパ伝統のシューケアアイテムを熟知。 (ルボウ 石津麿美さん フランスの高級シューケアブランドSAPHIRをとり扱うルボウの営業部に所属。高価な靴にも安心して使える製品やケアに精通。




1.【カビの防止と生えてしまったときの解決策】


・カビの生えた部分に専用シートをON「除菌力が高いカビ取りシートを使い、カビが発生している箇所を徹底除去。布を使うと、1度カビをふいた布から移ることもあるので、使い捨てのシートタイプが衛生的」(小坂さん)


・モールドクリーナーを吹きかけ除菌
「布にスプレータイプの除菌剤をつけ、靴を丁寧にふきます。カビ取りシートだけでも問題ないですが、スプレーの除菌剤を加えることにより、カビの再発防止につながります」(小坂さん)


・乾燥後、通常のお手入れを
「そのあと、風通しのよい場所で完全乾燥させたら、いつものメンテナンスをしてください。乾燥したままはくとひび割れの可能性があるのでクリームで保湿するのが大事です」(小坂さん)

〈右から〉M.MOWBRAYモールドクリーナーシート 880円 モールドクリーナー 100mL 2,200円 /ともにR&D



2.【購入時の型紙で形くずれさせない】


「買ったときに入っていた紙や型紙が意外と有能。保管時に入れておけば、除湿+美しい形をキープしてくれます。ないときは新聞紙を靴に合わせて丸めればOK。また、エナメルは靴どうし密着したまま収納すると色移りする可能性があるので、気をつけて」(小坂さん)




3.【手間をかけずにケアできるクリーム】


「ロングやミドルなど丈の長いブーツはレザー部分が広いだけにふつうの革靴より手間がかかるのが難点。そのため、汚れ落としとツヤ出しをあわせもったクリームを使用すると効率的。色あせが気になるときは同色の靴クリームを塗布し、豚毛ブラシで磨き上げてください」(小高さん)

レザークリーン1200 170mL 1,320円/コロンブス 汚れを浮き上がらせ吸着する泡状汚れ落とし。革を傷めないカルナバワックスを主成分とし、ツヤ出しも同時にかなえる。




4.【ムートンブーツはスエード同様のケアを】


「外側はスエードと同じお手入れで問題ありません。ただ特有のふんわりとした内側は汗で湿りがちなので注意。カビ防止のため、着用後は靴用乾燥剤を入れてください」(石津さん)



【キレイを保つ5つの習慣】


・着用後はブラッシングを!
汚れやシミの発生を防止。「ホコリが付着していると革に必要な栄養分をかわりに吸ってしまい、お手入れの質が低下してしまいます。あまりはかない靴でも定期的にブラッシングをするのがいい」(石津さん)


・1度はいたら中2日はあける
カビの発生を防ぐ策。「1度はいた靴はそうでもないと思っていても湿気がこもっているものです。お気に入りのシューズでも毎日はかず、完全に乾いてから着用するようにしてください」(小坂さん)


・シューキーパーを使う
服でいうハンガーの役割。「見落としがちですが、収納時にシューキーパーを靴に入れるだけでより長くはけるようになります。すぐに用意できないときは最低限、新聞紙を丸めて入れましょう」(小坂さん)


・毎回靴ベラを使用する
毎日の積み重ね。続けることでダメージや型くずれが大きく軽減。「はきやすくするだけでなく、靴のかかと部分の傷みも軽減してくれるので必要不可欠。革靴だけでなくキツいヒールやスニーカーにも使うことで、靴ずれを防げることも」(石津さん)


・週に1度の防水スプレーの効果
油汚れからも守れる一石二鳥のルーティン。「水をはじくことに目がいきがちな防水スプレーですが、ホコリや油分を含んだ汚れからも保護してくれます。雨にぬれたあとは効果が弱まるので、しっかり吹きかけて」(小高さん)




「アクセとスニーカー」メンテナンス方法


普段遣いする小物ほど、手間をかけずにお手入れしたいもの。ファッション賢者やクリーニングのプロが実践に基づいておすすめする、汚れを落としてキレイを保つためのメンテナンス方法とは?


【取材した方々】
永井良房さん)100%水洗いクリーニング専門店「Licue(リクエ)」で工場長を務める、洗剤や繊維・素材の扱いを知り尽くした洗濯のエキスパート。 (千國めぐみさん)モデル・俳優として活躍する傍ら、美容関連の資格を多数保有しコラムも執筆。みずからの実践を通じた、簡単にできる衣服のケアにも詳しい。




Q.重曹+アルミホイルでシルバーアクセがピカピカに?

A.重曹が皮脂汚れを落としてくれる
「アルミホイルを敷いた容器に重曹をとかしたお湯を入れてシルバーを沈めると、付着していた皮脂汚れがふやけてキレイになります。繊細なデザインのアクセも、細かい部分までクリーニングでき安心」(モデル・俳優・千國めぐみさん) お湯1カップにつき大さじ1杯の重曹が目安。



Q.[オキシづけ」でスニーカーが真っ白になる?

A.効果アリ。ただし黄ばみ防止に必ず中和して!
「オキシクリーンは漂白に便利ですが、酸素系の粉末漂白剤は弱アルカリ性。すすぎが不十分だと黄ばんでしまう恐れがあるので、酸性のクエン酸や、ない場合はお酢を入れた水でしっかりすすいで、必ず中和してください」(Licue工場長・永井良房さん)




服のプロたちが使っているケア&便利なアイテムは?



スタイリストも絶賛「コレだけでケアはOK」

〈右から〉STEAMERY Cirrus No.3 アイロンスチーマー Sand 26,400円、Pilo No.2 毛玉クリーナー Sand 7,700円/ともにSTEAMERY


「スチーマーとアイロンのハイブリット。高温のスチームが悪臭をおさえ殺菌してくれるので、頻繁に洗濯できない素材のケアにも最適。スチームのかけ方によって、プレス加工したような仕上がりにも、優しく自然な仕上がりにも。デリケートな素材にも使える毛玉クリーナーも便利」(スタイリスト・小山田早織さん)




360°スチームが発動

スチーマー NI-FS580 7,980円(編集部調べ)/パナソニック(パナソニック 家事商品お客様ご相談窓口) すぐに立ち上がり、どの角度でも均等にスチームが出るので忙しい方にもぴったり(岩田さん)




圧縮してそのままハンギング

GENIAL バキュームシールハンギングバッグ 67x130cm(3枚入り) 1,980円/ともにスペースジョイ 「中綿入りのダウン素材やコートなど、クローゼットでかさばり場所をとりがちなアウターを、圧縮した状態でそのまま吊り下げて収納できるアイテム。スペースの節約に重宝」(小林さん)




コートの「もち」が違ってくるハンガー

〈右から〉AUT-02S 11,000円、AUT-03W 6,600円/ともにNAKATA HANGER えり元や肩の形くずれを防ぐ重厚なハンガー。前方にやや湾曲している形状により、肩まわりにフィットしてシワができにくい。




繰り返し使える除湿消臭剤

竹炭除湿消臭バッグ 200g 588円(編集部調べ)/KOKUBO いやなにおいを消す自然素材の竹炭と乾燥剤をMIX。上部に穴が開いているのでフックにかけ、クローゼットにつるして使用するのもオススメ。天日に干せば吸湿力が回復するため、長期間使えて経済的。




クローゼットに入れたい香り袋

Kerzon フレグランスサシェ チュイルリー庭園(2個入り) 1,870円/NOSE SHOP パリ最古の公園であるチュイルリー庭園がテーマ。ヒヤシンスの花に包まれながら歩く瞬間を閉じ込めたサシェ。




「クローゼットのために」という新発想

スーパー・フレッシュ(シダーウッドとイランイランの香り) 100mL 7,150円(編集部調べ)/Kerzon 体につけず「いい香りが身につく」。シダーウッドの持つ浄化作用と、上質なイランイランをかけ合わせた穏やかな香りが、クローゼットの中をやさしく包み込む。驚くほどフレッシュな香り。