三井不動産株式会社
900㎥超の木材を活用し、純木造のオフィスを実現
本リリースのポイント
– 三井不動産グループ保有林を含む900㎥超の木材を活用
– 主要構造部である床・壁・柱・梁に木材を使用した高層階では、純木造のオフィス(共用部等を除く)を実現
– 内装・仕上げ材にも木材を積極的に活用し、都心で働きながら自然を身近に感じる執務空間を創出
– 積極的な木材の活用および既存杭の活用により、建築時CO2排出量を約25%削減する想定
– 1万平方メートル 超のオフィスビルで都内初、Nearly ZEB認証(事務所部分)を取得予定
三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:植田 俊、以下「三井不動産」)は、(仮称)日本橋本町一丁目5番街区計画(以下「本計画」)が2025年11月1日に着工したことをお知らせします。
本計画は、三井不動産が持続可能で豊かな環境を広げる街づくりを推進する代表エリア、東京・日本橋に位置しており、COREDO室町1・2・3に近接する江戸桜通り沿いに位置し、「日本橋本町三井ビルディング &forest」に次ぐ当社2棟目のハイブリッド木造賃貸オフィスビルとなります。先進的な木造設計に強みを持つ株式会社山下設計と、純木造建築を含む多様な木造建築物の施工実績を有する株式会社大林組との協働により、2028年2月の竣工を予定しています。
当社グループの保有林を含む木材を活用した、木造賃貸オフィスビルへの挑戦を通じ、都市木造を推進し、持続可能な森林循環に貢献することを目指します。

外観 完成予想パース

エントランスホール 完成予想パース
オフィス専有部(高層部) イメージパース
■本計画の背景と意義
三井不動産は、街づくりにおける環境との共生宣言「& EARTH for Nature」のもと、自然と人・地域を一体で「環境」と捉え、持続可能で豊かな「環境づくり」を推進しています。この活動の一環として、北海道に約5,000ha(東京ドーム約1,063個分)の森林を保有しており、「植える→育てる→使う」のサイクルをまわし続けながら、持続可能な森林経営による“終わらない森”創りに取り組んでいます。
本計画は、「& EARTH for Nature」における重点課題の一つである、「自然資源を循環させる」の実践に向けて、三井不動産グループとして2棟目となるハイブリッド木造賃貸オフィスビルを実現するものです。伐採適期を迎えて計画的に伐採した木材および森のメンテナンスのために間伐した木材の活用が日本の林業の課題となる中、本計画においては、三井不動産グループの保有林の木材約40㎥を含む、約900㎥の木材を活用いたします。

街づくりにおける環境との共生宣言「& EARTH for Nature」
三井不動産グループの“終わらない森”創り
■本計画の特徴
1.一部純木造のハイブリッド木造オフィス
高層階の8~11階においては、主要構造部である床・壁・柱・梁に木材を活用し、純木造※1のオフィス空間を実現します。低層階の2~7階においても主要構造部の一部にて木造耐震壁を採用。こうした建物全体での木材の積極的な利用により、900㎥超の木材を活用することで約660トンの二酸化炭素を固定化するとともに、建物全体の軽量化・構造合理化にも貢献しています。
※1 高層階のみ。共用部等を除く。

構造イメージ図(全体)
構造イメージ図(高層階・9階平面)
―高層階における木造技術・部材についてー
– 三井ホームが独自開発した木造技術「MOCX WALL」をオフィス向けに改良し国内初適用
三井ホーム株式会社の木造住宅向け製品である木造耐力壁「MOCXWALL」を階高の高い木造オフィス向けに改良し、国内で初めて適用します。
– 活用機会の少ない大径木(末口30cm以上の丸太)の製材を活用
柱の一部は、木材を集成材に加工せず、これまで活用機会が少なかった大径木製材として使用します。※3
– 使用する木材の加工を合理化すべく、一般流通規格の木材を積極的に活用
小梁には流通集成材(120×450)を活用するなど、一般流通規格の木材を活用することにより木材の加工を合理化します。
※2 CLT:Cross Laminated Timberの略称で、ひき板(ラミナ)の繊維方向を直交するように積層接着した木質系材料
※3集成材:ひき板(ラミナ)の繊維方向をそろえて積層接着した木質系材料、大径木製材:末口30cm以上の丸太から直接切り出した断面積の大きい木材
内装・仕上げ材としても木材をふんだんに利用し、専有部内では木に直接触れられる窓際スペースを設けながら、都心にいながらも自然を身近に感じられる執務空間を実現。高い環境性能と快適性を兼ね備えた、次世代の「行きたくなるオフィス」を創出いたします。

北側外観 完成予想パース
オフィス専有部(低層部) イメージパース
2.運用時・建築時ともに高レベルの環境性能への挑戦
(1) 1万平方メートル 超のオフィスビルで都内初、Nearly ZEB(事務所部分)を取得予定
本計画では、1万平方メートル 超のオフィスビルで都内初となるNearly ZEB(事務所部分)の取得を予定しており、建物のエネルギー消費量を基準値に対して75%削減します。
運用時における高い環境性能の実現にあたっては、環境負荷の少ない建物計画を進めるとともに、高効率の設備を導入し省エネを推進。建物全体の基準値に対して、空調では44%、照明では26%のエネルギー消費量の削減を想定しています。

省エネ・創エネの内訳
(2) 建築時CO2排出量約25%の削減効果を想定
積極的な木材活用および従前建物の既存杭の活用等の取り組みを通じて、同規模の一般的な鉄骨造のオフィスビルと比較して、躯体部分において建築時CO2排出量を約25%削減する想定です。※4

CO2削減効果
※4炭素貯蔵量については林野庁「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン」に基づく
【計画概要】

※今後の検討状況により、変更となる可能性があります。
【位置図】

■三井不動産グループのサステナビリティについて
三井不動産グループは、「共生・共存・共創により新たな価値を創出する、そのための挑戦を続ける」という「&マーク」の理念に基づき、「社会的価値の創出」と「経済的価値の創出」を車の両輪ととらえ、社会的価値を創出することが経済的価値の創出につながり、その経済的価値によって更に大きな社会的価値の創出を実現したいと考えています。
2024年4月の新グループ経営理念策定時、「GROUP MATERIALITY(重点的に取り組む課題)」として、「1.産業競争力への貢献」、「2.環境との共生」、「3.健やか・活力」、「4.安全・安心」、「5.ダイバーシティ&インクルージョン」、「6.コンプライアンス・ガバナンス」の6つを特定しました。これらのマテリアリティに本業を通じて取組み、サステナビリティに貢献していきます。
【参考】
・「グループ長期経営方針」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/innovation2030/
・「グループマテリアリティ」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/esg_csr/approach/materiality/
・「& EARTH for Nature」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/business/development/earth/for-nature/
また、2025年4月に、街づくりにおける環境との共生宣言「& EARTH for Nature」を策定し、「環境」を自然と人・地域が一体となったものと捉え、豊かな「環境」を広げ、未来の世代へつなぐ街づくりを推進しています。本宣言における重点課題として、「緑を守り育む」「水の魅力を生かす」「生態系を豊かにする」「地域の想いをつなぐ」「自然資源を循環させる」の5つを定めています。本リリースの取り組みは、「& EARTH for Nature」における重点課題の2つに貢献しています。
