「オーダーはこう伝えてください」 人気スタイリストに聞いた「これからのヘアスタイル」

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親しみやすい、品がいい、凜としていてクールなど…。スタイルを決定づけるうえで、髪も大事な要素のひとつ。ストレートかウェーブか、質感はドライかツヤか。髪のニュアンスだけで見違えるアイディアをご紹介。



プロが提案する「ヘアスタイルの今」

日々のサロンワークで、旬の髪型を生み出し続けるヘアスタイリストの声をピックアップ。今っぽく、オシャレな空気を漂わせられるヘアのオーダー方法や自宅でできるアレンジを伝授。



巻かなくてもさまになる

「38mmなど太めのヘアアイロンでゆるく巻くか、もしくは巻かずに顔まわりにニュアンスをつくるスタイルにハマっています(sample-1)。巻き髪にすることを想定してレイヤーカットをほどこす場合も多いので、巻かずにさまになるヘアにしてほしいと伝えるといいと思います」(TETRO・宗万夏子さん)




オイルだけでまとまるスタイル

「以前に比べて、巻いて仕上げるスタイルが少なくなっている気がしますね。毛先が薄いとヘアアイロンを使わなければまとまりづらいため、ぷつっとした質感を顔まわりや毛先に残してカットし、オイルだけでまとまるように調整しています」(Hank.・米澤香央里さん)

「Hank.でも扱っているLOA THE OILは、ロングヘアでもつけたてのうるおい感が長続き。ハチ下の毛の根元からオイルをつけていくと、テクニック要らずでほどよいツヤがかないます」(Hank.・米澤香央里さん)


LOA THE OIL LATTE ROSE 100mL 5,500円/JadeJapan ボディやハンド、ネイルケアオイルとしても使えるパフュームオイル。可憐なローズの香り。少量づかいでもしっとりまとまる。


抜け感を出すには「顔まわりの毛を操る」

「前髪を額になでつけてうぶ毛を見せると、かわいらしさが生まれて雰囲気を変えられます。前髪の根元に向けて上からドライヤーの風を当て、毛を寝かせたらヘアマスカラで額に沿うようコーミングしていくだけ。


また、耳の前に細い毛束をたらすと一つ結びの完成度がアップカットの際に美容師に伝えてニュアンス用の髪をつくっておいてもらうとラクできます。ヘアアレンジの最後に、バームやオイルが残った指で毛束をつまんで下ろすだけで、こなれ感につながるニュアンスが手に入ります」(齋藤愛さん・LOAVE AOYAMAヘアスタイリスト)


ヘアスタイリストが愛用している「ケアとスタイリングを兼ねる」名品

「髪のキメ」を磨くお気に入り

〈右〉メイソンピアソン ハンディブリッスル 28,600円/オズ・インターナショナル 「硬い毛質で知られる猪毛を使用。髪の通りがよく、静電気を防ぎながらブラッシングが可能」(齋藤 愛さん・LOAVE AOYAMAヘアスタイリスト)




ボディの保湿にも使える「マルチユース」

〈左〉トゥーグッド マルチベネフィットオイル 01 Purification of Mind 50mL 3,850円/シン ピュルテ 「ドライヤー前はもちろん、スタイリング時にもつけやすくシーンを選ばないテクスチャー。体にも使用可能」(齋藤 愛さん・LOAVE AOYAMAヘアスタイリスト)




「つくりこみすぎない」質感がつくれる

「ご紹介したとおり、とかすだけでキレイなツヤが出る、メイソンピアソンのブラシは、切りっぱなしボブなど面を美しく見せたい髪型にぴったり。スタイリング剤は、シン ピュルテのヘアオイルを愛用。


ベタベタにならずちょうどいい束感がつくれます。オイルとバームを3:1の比率でまぜて使うと、より今っぽい雰囲気に。柑橘系のフレッシュ感から心癒されるウッディーノートに移ろう香りも最高で、お客様からも好評です!」(齋藤 愛さん・LOAVE AOYAMAヘアスタイリスト)





【PROFILE】

TETRO
宗万夏子さん
透明感を引き出したニュアンスカラーや、重めのカットでつくるモードカジュアルなスタイルにファン多数。
@souman_natsuko



Hank.
米澤香央里さん
柔らかな動きのあるレイヤーカットに定評あり。女性らしさを感じるナチュラルモードなデザインが人気。
@kaori_yonezawa



LOAVE AOYAMA
齋藤 愛さん
ボブやマッシュ、マッシュボブ、うねうねパーマなど、レトロな雰囲気の漂う大人ガーリーなスタイルが得意。
@ai___saitoo





「めざす女性像別」ニュアンスヘアの作り方

人気ヘアメイク・塩澤延之さんに、1人のモデルでイメージ違いのスタイリングをオーダー。ウェーブとストレート、ドライとツヤ。それぞれをどのように捉え、組み合わせて作る?


(ヘアメイク・塩沢延之さん)
mod’s hair所属。表紙をはじめ、GISELeのファッションページのヘア&メイクを多数手がける。飾らないのにカッコいい女性像に落とし込む足し算・引き算のバランスが絶妙。




【SIDE-A】
イメージはシャープでカッコいい女性

1_N. ポリッシュオイル 150mL 3,740円/ナプラ パサつきや広がりが気になる髪にうるおいとツヤを与える。 2_N. オム アクアグリース 100g 2,200円/ナプラ のびがよく、タイトからウェーブまで幅広いアレンジに対応。(ともにサロン専売品) 白Tシャツ 7,150円/ローラス(ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム)



【HOW TO STYLING】

「手ぐしで髪の絡まりをほぐしたら、1のオイルをつけていく。髪を根元から3分割にし、毛先からまん中にかけては軽め、ハチから根元にかけては多めに塗布。根元は2のグリースを混ぜ、耳横の髪の色よりもワントーン暗くなるように濡れ感を加える。毛先からオイルをつけるのがポイントです」(塩沢さん)




【SIDE-B】
イメージはヘルシーで自然体な女性

S&L シーミストスプレー N(シーソルト&ラベンダー) 2,750円/ジョンマスターオーガニック 海から上がったあとのような無造作感を演出。保湿しながら、自然なボリュームを与えてマットな質感へ。



【HOW TO STYLING】

「髪の毛をねじりながら巻くツイスト巻きに。コツは毛束を均一にとらないこと。少ない毛束で巻いたところと多めの毛束で巻いたところをランダムにMIXすれば、気張った感のないカジュアルな見た目に。ブラッシングをしてウェーブをほぐしたら、シーミストスプレーを全体に振って完成」(塩沢さん)





ヘアスタイルはメイクとセットで考える。
「ラフに見せるための作り込み」がオシャレな抜け感につながる」


「〈上〉はシャープで辛口、〈下〉はヘルシーで自然体な女性をイメージしました。テンションの違う2つですが、ともに抜け感が出るように手を加えていて、それによって大人の品とこなれた雰囲気を両立できます。ストレートヘアは、手ぐしで髪をとかしてキマりすぎないように調整。質感がウェットというだけで手が込んで見えるし、白Tの飾らないよさを生かすためにも、毛先をキレイにまとめる必要はないと思っていて。


こだわっているのはオイルのつけ方。根元部分は髪色が暗く、毛先に向かって明るくなっていると気づくはず。それは、根元からハチにかけてはオイルとジェルのW使いでしっかりツヤを出しているから。濡れると暗く見えるという光の性質を利用して、毛先にかけてオイルの量を減らしていき、明るいトーンを保って意図的にグラデーションをつくっています。そうすることでできた色ムラが、抜け感を演出するんです。


ウェーブヘアのポイントは、ずばりキレイに巻かないこと。不均一なカールを作ってくせ毛っぽく見せています。エアリーな髪と相まってラフに見えるメイクですが、ルーズな印象に傾きすぎないように工夫しています。クマをきちんとカバーしたり、日焼け風にチークを入れてヘルシーだけれど上品な血色を表現したり……。どんな女性像に近づきたいか、服をどのようにテーマづけるのかを決めたら、ヘアとメイクの双方を足したり引いたりしながらつくると、バランスのとれた仕上がりになると思います」(塩沢さん)