タイトな服の輪郭をなごませたり、ワントーンに奥行きをつくったり。服どうしの境界線をあいまいにしながら、装いに表情をもたらす透けアイテム。単品よりも組み合わせることで見えてくる、涼しくて快適なだけじゃない数々の魅力に焦点を。
【1】 「季節感のある定番」透けるトップス
この時季よく着るアイテムをシアーな質感に切りかえるだけのさりげない変化。見慣れた組み合わせの鮮度が上がり、また新たな気持ちで向き合える。
重量感のない「ビッグシャツ」

オーバーサイズ=メンズライクにとどめない
なびくすそのアクセント
さまになる一方で、ともすると膨張感や、やぼったさも出やすいビッグサイズ。透過性を持たせてボリュームをうまく引き算。
シンプルすぎないカットソー

「カットソー以上ブラウス未満」なトップスで
気負わない女らしさを
長そでと同素材のタンクがセットに。くたっとした薄手の生地で、ラフなダメージデニムをレディに導く奥ゆかしいエッセンスを。
甘さが落ち着く半そでブラウス

シルエットの迫力を弱めて
パフスリーブの甘さを微調整
コートを着なくていい時季になると出番が増える、そでに特徴のあるブラウス。抜け感のある素材で主張をなじませるのが派手にも地味にも陥らないあんばいに。コルセット風の切り替えで形はキレイをキープ。
【2】 「あるとないで変わる羽織り」
タンク1枚の肌感をおさえるように、透過性をそなえた羽織りをプラス。隠しすぎないことでミニマルな印象は保ちながら、素材の繊細さのおかげで上質な雰囲気も獲得。
カジュアルなのに華がある

素材のマイナーチェンジで得られるプラスの効果
素材自体がセンシュアルだから、形はあえてメンズライクなブルゾンを。ユニセックスならではのほどよいゆとりと、てろっとしすぎない適度な硬さも透けを着やすくするポイントに。
ジャケットさえもチュールに変更

着方次第で一年中活躍する「なににでも重ねられる黒」
カーディガンのようにゆるく羽織れる長め丈+ビッグサイズ。重ねるだけで、ヴェールに包まれたようなエアリーなシルエットを容易く形成。直線的なシルエットのスカートやレザーの小物で印象はクールダウン。
派手とは違う「映える見た目」

派手とは違う「凝ったデザインのカーディガン」
シルク混のコットン素材で、素肌に着ても心地よいカーディガン。羽織ったり、トップのフロントボタンを開けたときにデコルテが美しく見えるよう仕立てられた、計算づくのシルエット。透けるレースの編み模様が、目立たず目にとまる絶妙なバランスを演出。襟ぐりやそで口は手編みでムードを残せる風合いに。
【3】 「白と黒をいっそうやわらかく」
インナーをかすかに感じられる、ざっくり編まれたニットの風合い。まじりけのない白の緊張をほぐし、ワントーンを単調に見せないニュアンスをメイク。
コンサバじゃないオールホワイト

さわやかな白に落ち着きをもたらす
サマーニットの適度な重み
編み目が大きすぎないから、洗練さも残せるバランスに。くしゅっとたるむ長めのそでが、質感を変えた上下にさらなる動きをもたらす飾りとして作用。
クールなまま緊張感を気だるくシフト

うでは隠しても涼しげ「透けとカッティング」
くたっとしたロンTのニュアンスで、黒1色なのにやわらかい雰囲気。ほんのりと透ける素材と大胆に開いたネックラインとのギャップで、シンプルな装いのまま奥行きが出る。手のひらまでかかる、長めのそで丈もさりげないアクセントに。
【4】 モノトーンだけで「全部リネン」
気楽な素材をきちんと見せるには、デザインや形以外に辛口配色に頼るのも手。緊張感のある色合いとやさしい風合いが調和することで、あらゆるテイストがほどよいバランスに整う。
涼しげな顔してそれとなくガーリー

フラワーモチーフのカットワークジャケットを、アクセ感覚でON。白のリネンですっきりととり込むと、フレアパンツで少し甘口に寄せてもフェミニンになりすぎない。
ミニマルなシルエットに奥行きづくり

ニュアンスを生む風合いで、ベスト+ショートパンツのそぎ落とされた装いにムードが出る。
黒の縦じまを主役にキレよくリラックス

強気な柄を着やすくする、ナチュラル素材のオーバーサイズ。ストライプ柄が入ることで着ぶくれを防止できるから、臆せずゆるいシルエットを楽しめる。ボリュームボトムを合わせやすい、深いサイドスリット入り。
風になびく変型スカートで適度にモード

手早く鮮度が上がるアシンメトリーなスカートを素材でカジュアルダウン。
クラシックなジャケットでけだるさをセーブ

キャンバス地のようなハリコシのある仕立てで、リネンコットンジャケットにきちんと感を上乗せ。黒のパイピングやゴールドボタンのレトロなディテールが、リネンワンピースに深みを加算。
紳士なスタイルをさわやかに更新

シルクブレンドのほんのりとツヤめくリネン地で、チェック柄パンツを女性らしく。堅さを感じさせないことで、コンパクトな黒Tと親しみやすいインテリルックが完成。
【5】 「海にも行けてきちんと見える」セットアップ
特別なシーンでも肩ひじはらずに過ごしたいから。この時季よく着るスタイルを軸に、“もっと遠く”をかなえるシーン別着まわしを敢行。1セットに小物を足して、インナーを変えて…空気をガラッと変える+1のアイディアにフィーチャー。
どこでも行ける「夏仕様のセットアップ」

ベージュジャケット 64,900円、ベージュハーフパンツ 31,900円/ともにSACRA(インターリブ) オフィスムードなベージュのテーラードを、ナイロン素材で息抜き。スカート見えするAラインショートパンツは、ウエストがドロストデザインでモードっぽさも加味。
アウトドアなディテールをオールベージュでモダンに格上げ

足元や小物まで穏やかなベージュで統一し、素材やミニ丈のアクティブさを大人っぽく中和。ワンポイント的に中に白を差すことで清潔感が加わり、リゾートすぎないバランスに着地できる。
しっとりとしたベロアをしのばせてレディがチラつく計算高さへ

サバサバとしたセットアップのムードを落ち着かせるブラウンベロアという選択肢。ジャケットからちらりとのぞくたびに、表情にうるおいをもたらす。
“海に行く日”を盛り上げる肌見せはヘルシーに

下着としても水着としても着用できるカップつきブラトップをトップス的にイン。レイヤードした服に響かない、華奢さとバックオープンストラップも魅力。チューブトップ風のスポーティな形で露出によるセクシーさを回避して。ハイウエストパンツとのバランスも絶妙。
カジュアルな素材のジャケットをスカーフ1枚で印象操作

70年代気分なスカーフを巻くだけで、非日常感のあるシーンにふさわしいレトロな華やぎが。チョーカーのように巻いて品よく。
