装いに重みを与えるダークトーンにいま着目。色そのものが重厚感をそなえているから、組み合わせることでよりいっそう大人の深みやクラシカルな趣を加えられる。そんな意外性を秘めた「暗色」を用いて、新たな配色パターンを拡大。
白黒使わず「暗色だけで新配色」
トーンを落とすだけで気品がそなわるから、ダークカラーでまとめれば大人っぽさを保ちながら鮮度アップが可能。色をきわ立たせるために、アイテム自体はシンプルにとどめることがポイント。
まじめを貫くスポーティ

全部ラクなアイテムがネイビー×グレーで知的に
涼しげなシアー素材のジャケットとゆるやかな落ち感のリネンパンツも、暗色ならクールな印象に。どちらも冷静なイメージのある色どうしだから、お互いにケンカせずすんなりなじむ。
飾るように鮮やかなパープル

レイヤード専用のパープルスカートを主役にスリムなIラインを抑揚づけ
動くたびにゆれるしとやかなサテン生地のパープルスカートを重ねて、ヴィンテージライクな奥行きをメイク。
さっそうとパリジェンヌ風

ドラマティックなスカートに端正なネイビーで落ち着きをプラス
ハリのある赤スカートを日常に引き寄せる、深みのあるネイビーニット。ボリューミィなスカートに、冷たいダークカラーを効かせることでメリハリがつく効果も。
トーンをおさえて暖色×寒色

適当にひっかけたパープルニットでブラウンをほっこりさせない
ツヤっぽいブラウンとドライな質感のパープルで配色に質感のコントラストを。明度を落としたノーブルな色合いを暗く沈ませないテクニック。
ワークパンツをクリーンに

無骨なカーキパンツを紳士なグレーで都会的に引き上げ
カジュアル要素の強いカーキパンツを、インテリなグレーベストでクールダウン。グレーベストのシャープなVネックラインと、つややかな質感が相まって、女性らしさを上乗せできる。
Iラインの中でカラーブロック

シルエットは直線を保って深色どうしを親しみやすく
ややコンサバティブな要素がきわ立つタンクトップとテーパードパンツの組み合わせを、モードな配色でブラッシュアップ。ボディラインにフィットするスリムなシルエットも、品のいいダークトーンならちょうどいいセンシュアルのさじ加減に。
クラシカルな着こなしを鮮やかなブルーでさわやかに

BASE:BROWN
NEW:SKY BLUE
ブラウンのタートルトップスを軸に、ハンサムなスタイルが完成。寒色の中でもネイビーより発色のいいブルーを選ぶことで、クラシックなムードのまま、春に合う軽やかさが手に入る。
ヴィンテージライクな色合いをオフショルで今っぽく

BASE:KHAKI
NEW:DARK ORANGE
ブラウンの延長で使える熟れたオレンジはカーキと好相性。深くて味のある配色は、旬のオフショルダーでわかりやすく鮮度を維持。
ルーズなワンツーに奥行きを生む涼しい色+あたたかい色

BASE:BORDEAUX
NEW:PALE YELLOW
パステルイエローとボルドーのコントラストを生かしてボリュームのあるシルエットを引き締め。甘さが漂う暖色系でまとめたことにより、ボーイッシュに着くずしてもメンズに傾かない。
面積の広いグレーに隠れてフレッシュピンクに挑戦

BASE:CHARCOAL GRAY
NEW:VIVID PINK
ポイントづかいにも向く発色のいいピンクは、コンパクトなタートルニットで採用。アクセサリー感覚で小さく飾るように、チャコールグレーのワンピースからちら見せ。
トーンアップしたアースカラー配色で軽快にニットONニット

BASE:BEIGE
NEW:FRESH GREEN
ライムグリーンのきりっとした色で、上下ニットのほっこり感を払拭。映える色を悪目立ちさせないように、肉厚なベージュパンツで発色をぼかして。
羽織れるベージュでレディな赤の迫力を緩和

BASE:BEIGE
NEW:DEEP RED
ドレスに近い華やぎがある、赤のAラインワンピース。色の主張をぼかすようにベージュを重ねて、デイリーづかいに落とし込み。
スタイリストが解説! 「○○すぎない」 色と服の選び方
甘すぎ・堅すぎ・ラフすぎ…などオシャレに必要な「〇〇すぎないバランス」をつくるテクニック。今季のコレクションなどをアイデアソースに、スタイリストたちが今気になるデザインや色とともに、リアルクローズで解説。
甘くなりすぎない

ピンクは黒よりブラウンと一緒に

「毎年惹かれる淡いピンクは、黒と強く着るより、ブラウンで少し甘さを残すのが今の気分。コーディネートを引き締めつつ、辛口にふり切らない深みで、ピンクを大人に似合う色に。(樋口さん)」 辛口好きがピンクを着るなら、シャツやナイロンコートなどメンズライクな服で微糖に転換。ブラウンのとろみスカートで上半身のボリュームを流して。
STYLIST 樋口かほりさん
ベーシックなアイテムをベースに、流行にとらわれず新しさを生み出す着方や組み合わせに、業界内にもファンが多数。毎号表紙をはじめ、数々の企画を担当。
アクティブになりすぎない

モノトーンにまぎれてスポーティに進化

「引き続き注目のスポーティなテイストは、ジャケットやローファーなど正統派な白黒と一緒にとり込めば、街でも浮かない仕上がりに。ハーフパンツ感覚でレギンスを合わせました」(船戸さん) 小さなスウィッシュロゴが地味な飾り気に。
STYLIST 船戸唯さん
着心地はラフ、配色でスマートに寄せる、白黒アイテムを使った都会的なカジュアルスタイルが得意。自身のふだん着もほぼモノトーン。
リゾートすぎない

優雅なワンピースはあえて秋色で採用

「涼しく軽い素材のフレアワンピース。マスタードイエローなど、あえて渋色でレトロに寄せると、日常と非日常を行き来きできるふり幅の広い1枚に仕上がります。(出口さん)」 アースカラーの延長で使える、深くくすんだイエロー。カーディガン感覚で黒ブラウスを羽織り、カラーワンピースをオケージョンにも向く見た目に昇華。肌を隠しても涼しいコットン素材で夏じゅう紫外線対策もばっちり。
STYLIST 出口奈津子さん
着まわし企画を担当することも多く、長くフレキシブルに使えるアイテム選びのポイントを熟知。大人に似合うカジュアルルックに定評アリ。
派手すぎない

ドライな配色の中で柄ON柄

「例年以上にバリエが広がった柄を試すなら、グレーやベージュなどくすんだ色みがおすすめ。模様が主張しすぎず自然と抜けが出るため、たとえ上下でつなげてもくどく見えません。(塚田さん)」 細かいチェック柄を共通点に紳士とレディに一体感を。
STYLIST 塚田綾子さん
遊び心のあるアイテムを大人っぽく落とし込む、足し引きバランスは必見。服以外に、文房具やポーチなど雑貨類もかわいいものに目がない。
(秋からもデニムでオシャレに)
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