一度見たら忘れられない美しい色彩や、アンティーク調のレトロな家具など。インテリアのインスピレーションをかき立てられる映画のワンシーンの数々を、実際にマネできそうなポイントとともにご紹介。
本は「置く場所が命」
サイドテーブルの上、テレビボードの片隅、何も置かれていない壁の棚。そんな「ちょっとした隙間」こそ、本の出番です。一冊置くだけで空間にストーリーが生まれ、重ねるだけでリズムが生まれる。本は、最も手軽で、最も奥深いインテリアアイテム。
窓際に本を立てかける
『君の名前で僕を呼んで』(2017)

アカデミー賞も受賞し、クラシックとモダンの音楽の融合にも注目が集まる本作。大学教授の父をもつ主人公エリオの家には、窓際にまで立てかけられた複数の本がまるでオブジェのよう。
広い部屋に適当に重ねた雑誌
『クルーレス』(1995)

今もなお人気を博す、ビバリーヒルズが舞台のガールズコメディ。主人公シェールが親友のタイとダンスの練習をしているシーンでは、乱雑に重なった雑誌が、気品あふれるリッチな豪邸の、遊びゴコロとして作用。
まるで壁紙のように見える本棚
『ぼくとアールと彼女のさよなら』(2015)

主人公グレッグが親友のアールとともに、白血病の幼なじみのために映画制作を行う物語。二人が映画編集を行うシーンでは、彼らの豊かな想像力を映し出すかのように、あらゆるジャンルの本が棚にびっしり。あえて整然とつめないまとまりのなさが、空間に深みを与えている。
お気に入りこそ「ラフに飾る」
壁にラフに貼るだけ、棚に無造作に置くだけ。策を弄さずとも空間に自分の色がにじむ、さりげないひと手間。
ポスターやアートを額に入れて飾る
『九月と七月の姉妹』(2024)

大小の額を重ねることで、部屋の中に立体的な奥行きが生まれる効果が。

部屋をごちゃついて見せないために、額自体はシンプルな縁がポイント。
10カ月違いで生まれた姉のセプテンバーと妹のジュライが徐々に、支配と共依存の関係に陥っていく姿を描くサスペンスストーリー。田舎を表現した室内には、いたるところに額に飾られたポスターや絵画を発見。
「レトロなあたたかみを感じる家具」
無機質でスピード感のある日常に、心を落ち着かせて時間の流れがゆっくりに感じられるような、独特の風合いと時代を超えて愛されるデザイン。
真っ白な壁に映えるアンティーク調の家具
『逃げた女』(2019)

© 2019 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved U-NEXT、Lemino、Rakuten TV、DMM TV、ザ・シネマメンバーズにて配信中
主人公ガミが女友達との再会をきっかけに自身の内面と向き合うストーリー。なかでも友人のひとりのスヨンの自宅では、白を基調としたミニマルな空間に、レコードプレーヤーやウッド調の家具が奥行きを与える。
モダンな趣を与えるなつかしい柄や色小物
『パディントン』 (2014)

イギリスの児童文学が原作で、アイコニックなクマの主人公が全世界で大人気。花柄の傘立てや机上のライトが、シックな木目家具にレトロなかわいげを上乗せ。落ち着いたブルーでまとめれば統一感も〇。
一面の壁色に対して「一点だけで狙うかけ算」
部屋の印象は「多くの足し算」ではなく「1つのかけ算」で決まる。お気に入りの壁色を引き立てる、狙いを定めたピンポイントなアイテムを一つ。
愛らしいピンクと調和する花柄カーテン
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』 (2021)

20世紀のフランスの架空都市で発行されたアメリカの雑誌『フレンチ・ディスパッチ』の編集部が舞台。目を引くピンクの壁紙に、花柄のカーテンが甘さを盛り上げつつ、ベースのクリーミィな白のおかげで、ポップな色の空間の抜け感づくりをアシスト。
質感を変えて派手な赤をとり入れやすく
『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』 (2024)

病に侵されるひとりの女性と、彼女の親友の姿を描く本作品は、映画内の配色に注目。くすみブルーの壁色に対して、フリンジの飾りやベロアのソファ、レザーバッグなど、さまざまな質感と濃淡の赤を組み合わせ、一見派手な色づかいがまとまりのある空間に昇華。
「植物を用いてナチュラルな飾り気に」
大がかりな模様替えは必要なし。空間が生き生きとさまがわりする、置くだけのグリーンで気軽な気分転換を。
「食卓を彩るコップに挿した花」
『ファーストキス 1ST KISS』(2025)

主人公がタイムトラベルを通じて、現世で事故死した夫の未来を変えようと奔走するラブストーリー。マグカップに飾られた白い花が、ありふれたテーブルのささやかな彩りに。家庭のコップでマネしやすい。
「ボリュームを生む観葉植物」
『mid90s ミッドナインティーズ』(2018)

16mmフィルムで撮影し、1990年代のノスタルジックな質感を表現。主人公スティーヴィーが家族と過ごすリビングには、棚横に配置された大きな観葉植物が空間をメリハリづけ。ベージュの家具で統一されたワントーンを、退屈させないファクターに。
「日用品も抜かりなく」アパレルブランドの小物やインテリア
つい生活感が出てしまう日用品も、お気に入りのブランドのものなら気分も上がる。自己満足な部分こそ、ときめきを判断基準に。
置いても掛けてもいいティッシュケース

ニットティッシュケース 6,050円/TRICOTÉ(Knot) 幾何学模様のようなデザインにより、生活感のある雑貨がインテリアとして成立。地厚で頑丈なくたびれないニット。
洗剤を使えない食器や調理器具に最適

ニットスポンジ 各1,650円/ThinKniT(イチーナ) ウール100%の弾力性と耐久性に優れた繊維で、頑固な汚れをしっかり落とせる。手を入れて使用するミトンタイプ。
バッグにいれて持ち運べるタンブラー

ピンクタンブラー 4,400円/STANLEY×THIRD MAGAZINE別注(THIRD MAGAZINE) 0.23Lのコンパクトサイズで持ち運びにも便利。シルバーロゴがアクセントに。
贈り物感覚で収納できるジップロック

ジップロック 〈右〉L 767円、〈左〉M 767円/ともにZiploc® × BEAMS COUTURE(ビームス 公式オンラインショップ) リボンのモチーフはラッピングをイメージ。
エッジの利いた小さな赤がアクセント

〈上〉マグカップ 2,750円、〈下〉箸 1,980円/ともにstudiolab404.com 話題のセレクトショップ「studiolab404.com」のオリジナル雑貨。食事の際の手元も映えるクリア素材。
世界中で人気のポロベアをインテリアに

POLOベア(表参道限定) 26,400円/ポロ ラルフ ローレン(ラルフ ローレン) アイコニックなフラッグセーターを身につけたかわいらしいベア。プレゼントとしてもオススメ。
シンプルな部屋に心地よさを演出

クッション(中身つき) 36,300円/ラルフ ローレン ホーム(ラルフ ローレン) つい抱きしめたくなるケーブル編みのニットクッション。カバーはボタンで取りはずし可能。
ブルーが基調の華やかなパッケージ

クッキー缶 4,320円/カレンソロジー(CSG BLUE CAFE AOYAMA) 上品な柄が目を引くクッキー缶。中身が空になったら小物入れとしても活用可能。
オブジェのようにユニークな招き猫

招き猫 8,800円/Yuki Inoue for LOEFF(エイチ ビューティー&ユース) 愛らしい招き猫は、なめらかな曲線とクリアな白磁のおかげで、部屋においても主張しすぎない。
さわりたくなるふかふかとした質感

〈右〉ハートバスマット 9,900円、〈左〉チェック柄ブランケット 11,800円/ともにSeaRoomlynn 甘口派にオススメしたい、ラブリーなデザインファブリック。
ネイビーの刺しゅうがワンポイント

クッションカバー 6,600円/シー(エスストア) 架空のスキークラブの名前をほどこした刺しゅうが遊び心たっぷり。シンプルなキャンバス生地だから空間になじみやすい。