足元を埋めることで先の季節へと進めて、組み合わせ次第で多彩な印象操作が図れるソックス。より効果的にとり入れるべく、ソックス上手なスタイリングを観察。完成度を高めるアイディアをご紹介。
「コレで失敗しない・寒くない」ソックス実例集
カラーやデザインソックスをよりよく活用すれば、オシャレの幅がもっと豊かに。スタイリングから導き出された、上手な使い方を総まとめ。
あいまいな色を引き継ぐ「グレー」

ニュアンスカラーでまとめたスタイリングは、白よりなじむグレーをチョイス。同じトーンの中でもわずかな差がつくことで、のっぺり見えを回避。穏やかなトーンが足元まで続き、流れのよい見た目に。
赤シューズをなごませる「黒以外のタイツ」

あたたかみのあるグレーのリブタイツが、ドレッシーなシューズを日常に引き寄せ。かわいげのあるメリージェーンに落ち着きをもたらし、大人っぽくもノスタルジックな洒落感が手に入る。
「シューズと同色」でブーツ未満

スニーカーやパンプスに同じ色のソックスを仕込み、アンクルブーツのようにアレンジ。ブーツほどの重厚感がないため、ショート丈やさらっとしたワンピースなど、軽快なボトムと好相性。
厚手ニットに「レース」の抜け感

編み目がつまった肉厚なニットには、素肌が透けるレースのソックスで清涼感をプラス。素足だともの足りないけど、白ソックスだと主張しすぎてしまうときに重宝する、中間的アイテム。
ジャケットの力を抜く「ベージュ」

配色もシルエットもフォーマルなジャケット×ワンピに、やわらかなベージュソックスを投入。肌なじみがよく目立ちすぎないため、スタイリングのつつましい印象は維持しつつ、堅さを緩和。
「ヴィヴィッド」をモノトーンのさし色に

足元でも埋もれない華やかな発色で、モノトーンが陥りがちな無難さを回避。黒と白がトーンダウンしてくれるから、インパクトを放つ色も浮かれて見えず、感度の高さをうかがわせる。
奥行きをもたらす「シアー素材」

素肌感を生かし、パンツからパンプスにかけてやさしいグラデーションに仕上げてくれるシアー。幼く見えがちなドット柄も、シアーならモードに好転し、ヒールパンプスをよりスタイリッシュに。
スニーカーの引き締め役に「タイトな黒」

白よりもぼやけず、重厚感が増してシックな印象に。足首の華奢さをきわ立たせ、フレアスカートやスウェットパンツもすっきりと仕上げることができるため、スニーカーでスタイルアップがかなう。
小さいから試しやすい「キャッチーな柄」

服だと少し勇気のいる旬な柄も、ソックスならひかえめな派手さに。シンプルな黒のシューズやデニムに遊び心をプラスして、スタイリングを刷新。ロールアップして潔くのぞかせるのも一手。
ハンパな丈に「ソックスのようなタイツ」

バランスが問われるひざ下丈のスカートには、タイツをはくのが好都合。ソックスのようにドライな風合いのリブ編みやニット素材を選べば、パンプス合わせでもありきたりにならない抜けを獲得。
スポーティを引き寄せる「ライン入り」

無地の服ともなじみやすく、リズムがつくラインソックス。スニーカーにはカジュアルを高める太めのラインをセレクト。サンダルは細めの黒ラインで、ストラップと統一感を持たせれば都会的に。
「2枚重ね」のカラーブロック

色どうしでもケンカをしない、ペールカラーを重ねばきして、スウェット×スキニーの無骨なスタイリングに甘さをひとさじ。ミニマルなスニーカーにも動きがついて、もの足りなさを払拭。
スタイリストがよく使う「ソックスにパンツをイン」3つのコツ
街で見かけるおしゃれな人の足元で気になる、ソックスをタイツやスキニーの中でなく「外に出す」スタイルをオシャレのレパートリーのひとつに。ラクそうなのにこなれ見えるテクニックの詳細を、スタイリストに聞き込み。
【スタイリスト・渡邉恵子さん】

品がいいのに親しみやすいシンプルスタイルが鉄板。古きよきメンズスタイルに、女性ならではの品格やかわいらしさをとり入れた提案が得意。
ポイントは?
「手持ちアイテムでできますし、ただスキニーパンツとパンプスを合わせるだけよりもソックスが入るだけでがぜんおしゃれ感があがりますよね。だからソックスインはぜひみなさんにマネしてほしいのですが、確かに一歩間違うと野暮ったくなるのも事実。
意外と難しいのがスキニーやレギンスに合わせるとき。余白のないぴたっとしたソックスを合わせてしまうと、逆に足が短く見えてしまうこともあるので、基本的にソックスはくしゅくしゅできるものや、起毛感のあるタイプがおすすめです」(渡邉さん)
A.黒パンツ・タイツ+白ソックス

「黒スキニーパンツやレギンスなどをソックスにインする基本テクニック。タイツの上にソックスを重ねるのもおすすめです。美脚に見せるにはやっぱり黒と白のモノトーン配色が鉄板。このときもソックスをたるませることを忘れずに」(渡邉さん)
B.合わせるソックスはふわふわ・起毛素材がベター

「ピタッとしたソックスだと足元のラインがあらわになり、かなりのスタイルの持ち主でないとはきこなしが難しく、さらにスポーティになりすぎるきらいがあります。おすすめはふわふわしたモヘアや、たるませやすいリブ素材。ソックス自体のデザイン性も手伝って、シンプルなコーディネートのアクセント的な役割も」(渡邉さん)
C.脚線をごまかせる「スエットパンツ+ソックス」

「スエットをソックスにインしてる人っておしゃれに見えますよね。でも難しそう…って思っていませんか?実はこのスタイリングは脚線をごまかせるという意味では、やりやすいと思います。ピタッとした黒ボトムをソックスインするより失敗が少ないかもしれません。スエットのすそが細くなるように内側をおりたたんでなるべくすっきり見せるのがうまくいくコツです」(渡邉さん)