デニムやTシャツをはじめとする、カジュアルな服がよく似合う人。うまくこなす秘訣は、服の選び方や着方だけじゃなく、メイクの仕方にもあるかもしれない。自然体で親しみやすい。人となりまで垣間見えるような「頑張りすぎないメイク」のバリエーション。
メイクにもある「好配色」ベージュ+ブラウン
メイク感を出さずに、自然で立体感のある顔立ち。さらにどんな色をのせてもバランスよくまとまる基本色「ベージュとブラウン」。2色だけで、あるいは+1色を重ねて、混ぜて作る「オシャレな顔」への5つのアプローチ。
【1】目元に自然な立体感を生む「ベージュのグラデーション」
ヘルシーでやわらかいイメージの白を生かすため、メイクも淡いベージュトーンを選択。しっとりマットな質感でグラデーションをつくったら、骨格の丸みがきわ立ち目元が立体的に。この「適度なメイク感」はひかえめな配色だからこそ。
→USE COSMETICS
1.ケイト ポッピングシルエットシャドウ BE-1 1,540円(編集部調べ)/カネボウ化粧品 肌へのなじみがよいニュアンスベージュ。
2.プロ ブロウ ディファイナー 1MM-チップ ペンシル(5月14日発売) ストラット 3,630円/M·A·C 1mmの極細ラインで、まるで本物のような自然な毛流れに。
3.アラウズ リップス 12 3,960円(セット価格)/セルヴォーク もとの血色感を引き上げながらシックな印象をかなえる。
【HOW TO】
→「ベージュのグラデ」で目元を立体的に
1. 1のAを眉下まで広く、Bをアイホールと下まぶたのキワに塗る。
2. 下まぶたの目頭部分にCのグリッターを小さくのせ、抜けをプラス。眉は、先にマスカラやブラシを使って毛並みを整え、毛のないところだけを2で描き足す。リップ3は直塗り。
【2】黒マスカラが引き立つ「白っぽいベージュのまぶた」
黒マスカラにベージュシャドウという、見慣れた配色を更新するべく、選んだのは「白っぽいベージュ」。まぶたの明度を上げることで、ぬれたようなツヤを帯びた黒のまつ毛がよりキレイに。リップにはブラウン系を。
→USE COSMETICS
A.ワンダー クラウド リキッドアイシャドウ 005 1,320円/リンメル まぶたにのせると、クリーミィな質感からパウダー状に変化。 B.グロッシーラッシュ マスカラ 3,850円/UNMIX まつ毛をすこやかに見せるために考えられた黒マスカラ。 C.ルナソル プランプメロウリップス サテン EX11 4,400円/カネボウ化粧品 グレーのニュアンスを感じる大人なオレンジブラウン。
【HOW TO】
→「ラフ塗り」によってベージュが新鮮に
1.Aを指でまぶたに数カ所のせてから、ラフに塗り広げる。
2.塗り終えたら、今度は付属のチップでアイホールの中央をやさしくたたくように色を追加。まんべんなくなじませるのではなく、わざとムラができるように塗るのがポイント。
3.上下のまつ毛に黒マスカラBを塗布。目元がマットなので、つややかなリップCでメリハリを。落ち着いた雰囲気のブラウンが相愛。
【3】オレンジシャドウも使って「血色ベージュをセルフメイク」
知的な見た目のまま、フレッシュさと遊び心も欲張るなら、ベージュの上にオレンジシャドウを薄くレイヤリング。高発色なオレンジもベージュと一緒だとまろやかに落ち着き、互いにとっていい作用。
→USE COSMETICS
A.Color Leeway Eye Palette 02 Sienna Brick 2,800円/MOS 新進気鋭の韓国ブランド。細かなカラーパウダーとワックスを絶妙に配合しており、見たままのカラーがまぶたにフィット。 B.ルージュ スナイデル 17 3,080円/スナイデル ビューティ ふっくらとやわらかな唇を演出する、ピュアな発色とナチュラルなツヤ感が魅力。モダンで都会的な表情をあと押しする、キャメルベージュ。
【HOW TO】
→理想のベージュは「自分で調合」
1. A-1を眉下のくぼみのところまで、上まぶた全体に塗り広げる。下まぶたは目頭から目尻にかけて細めに。
2. 下地をつくり終えたら、A-2のオレンジを二重幅のやや上まで重ねてグラデーションに。下まぶたは、黒目の真下にのみA-2をのせる。
3. 目元をいきいきとしたカラーで仕上げたなら、リップBはイエロー系のベージュをセレクト。力が抜けつつオシャレな顔へ。
【4】プロたちが愛用するブラウン・ベージュのアイシャドウ・ライナー
定番色だからこそのプロたちのこだわり。色づきや質感、塗りやすさなど、ブラウン系アイシャドウの中でも「とくにいい」プロたちが使い続けている名品をご紹介。
最も失敗がない色。メイクを極めるならブラウンから
アイティント 22M 5,280円/アルマーニ ビューティ 「マットな質感にほれ込み現場でも愛用。ひと塗りで簡単に目元の奥行きが出せ、人を選ばず誰にでも似合うのはベーシックなカラーだからこそ。くすむことを恐れ、ブラウンを遠ざけてしまっている人には、固定観念をとっ払い、やさしげなベージュや淡いブラウンから着手してみて」(木部明美さん・ヘアメイク)
アイシャドウで影を仕込めばマスカラはなくてもいい
〈左から〉ユナイテッドフルイドアイカラー S01、S04、N02 各3,850円/THREE 「みずみずしく穏やかな発色が好み。目元を引き締めたり骨格を強調して深みを出すシェーディング感覚。たとえば顔立ちが幼いモデルを大人っぽくしたいとき。まつ毛が長い、多い、カールしているなどの子にマスカラを使うと甘く転びやすいため、下のTHREEのアイシャドウだけで仕上げることも」(小澤麻衣さん・ヘアメイク)
まぶたがきれいに見えるアイライナー&シャドウ
〈右から〉UZU EYE OPENING LINER BEIGE 1,650円/UZU BY FLOWFUSHI feelings palette melt リフィル 1,980円/rihka 「ベージュなどの薄色ライナーを効かせたいとき、アイシャドウはrihkaのmeltを選びます。血色感のあるベージュブラウンで、アイライナーも引き立つ」(スガさん)
赤みと黄みの最適バランス。肌色も、瞳の色も選ばない、目もとの新定番は万能なベージュ。ぬるま湯で簡単にオフできて、持ちやすい八角形のフォルム。色素沈着もしない、革新の染料フリー。アイシャドウはマットの温もりとシマーのツヤ感を合わせ持った、肌に溶け込むような質感が特徴。
「濃くなりすぎない」失敗のないピーチブラウンパレット
RMK シンクロマティック アイシャドウパレット03 6,380円/RMK Division 「ともするとキツく見えてしまいがちなブラウンも、この赤み系なら濃厚さを和らげるから失敗がない。服で色を楽しみたい日はこのパレットで落ち着いた目元に」(mao itoさん・ヘアメイク兼YEAUディレクター)
目的は2つ。「形を変えたいとき」「質感を主役にしたいとき」
NARS ザ マルティプル 1503N 5,500円/NARS JAPAN 「のびがよくマルチに使えるこのシリーズは複数色を常備。リアルに近い陰影が出せるので、もう少し大きく、少したれ目に…などの印象操作がしやすい色。
肌なじみがいいからこそ質感も引き立つので、ヘアがドライなら目元は下のNARSのようにクリーム系でつやっぽくといった、顔まわりでニュアンスを変えたいときにも重宝」(塩沢延之さん・ヘアメイク)
5色買いのうちの一軍カラー
イプノ パレット 1 8,910円/ランコム 「右2色のブラウンをその日のなりたい印象によって使い分けています。とても上質なマットなので、まぶたにとけ込むようになじみ、品のある目元に仕上げてくれる絶対的存在。優秀なので色ちがいも購入したほど」(常岡珠希さん・化粧品会社経営)
キャンドルに照らされたようなぬくもり
パウダー キス アイシャドウ マイ トゥイーディ 4,290円/M・A・C 「しっとりとしたマットな質感で、まぶたに置くとじんわり体温を感じられるカラー。オレンジはくすんで見える肌だけれど、これだけはむしろ顔色をよく見せてくれる。アイシャドウベースとしても活用中」(AYANAさん・ビューティライター)
攻めも守りもできるオールラウンダー
ミネラルマルチパウダー サンドキャメル 2,530円/エトヴォス 「目頭・目尻や下まぶたのラインぎわなどに影色として使用。ブラウンはもっとも色幅が広いからこそ、ちょっとしたニュアンスの違いで、カジュアルやモードなど幾通りもの魅せ方ができるポテンシャルの高いカラーだと思っています。ほかのカラーの引き立て役から骨格矯正まで、脇役もこなし、可能性は無限大」(スガタクマさん・ヘアメイク)
茶系アイライナーならシャネル
〈上から〉スティロ ユー ウォータープルーフ N943、20、36 各3,960円、スティロ オンブル エ コントゥール 12 4,950円/以上シャネル
「シャネルのアイライナーは茶系の色展開が豊富。ぼかしても落ちにくく、するすると描けてストレスフリーな使い心地」(小澤麻衣さん・ヘアメイク)
思いどおりの線が描けるしなやかな1本
ラブ・ライナー リキッドアイライナーR4 ミルクブラウン 1,760円/msh 「質と太さが絶妙なペン先で細いアイラインがするりと描けて、にじまない。眉毛を1本ずつ描くのにも使える自然で便利なブラウンは、3年ほど繰り返し購入して使用中」(小澤麻衣さん・ヘアメイク)
水や汗、こすれに強く、ぬるま湯で簡単にオフできるアイライナー。ペプチドやヒアルロン酸など、10種類の美容成分で、メイクするたびに美しい目元へ導いてくれる。ミルクティーのような色が肌になじみ、ヌーディーな印象に。
【5】ブラウン系のアイメイクを格上げする「もう1つ」
頼れる色をもっと生かすために。くすみや強さなど、気になることを解決する方法、それに適したコスメをプロたちがご紹介。
【ブラウンの黄ぐすみを解決】
→くすみを払ってトーンアップ
ニュアンス スキンプライマー UV 02 3,850円/OSAJI 「黄ぐすみを払拭し、肌色をワントーンアップ。目元をブラウンでまとめると、くすんだ印象になりがちなので、肌には透明感が欲しい。そんなときにパープルの下地を仕込んで全体のトーンを補正しています」(AYANAさん・ビューティライター)
【顔のトーンを沈ませない】
→まぶたの陰影を引き立てる血色をほおに
アフターグロー リキッドブラッシュ 02802 4,620円/NARS JAPAN 「ブラウンアイシャドウを使う日は、顔全体のトーンが沈みすぎないようにチークで血色をプラス。このライラックカラーは内側から火照ったような発色(Mayusaaaaaaaaanさん/インスタグラマー)
【ブラウンのくすみを生かす】
→ブラウンのくすみを生かしたコントゥアリング
トーンパーフェクティング パレット 01 4,950円/コスメデコルテ 「ブラウンアイシャドウを使うときはくすみを調整したい。適度に生かしつつ余分な影をコンシーラーで払い、ブラウンをきわ立たせるのが鉄則」(木部明美さん・ヘアメイク)
【ブラウンの濃さが気になる】
→ブラウンの濃度を希釈してくれるバランサー的存在
マルチスティック solitary pink 1,650円/uneven(レザボア) 「透け感のあるピンクでブラウンのアイシャドウに重ねて濃さを調整しています。チークとしても使えるので、顔のトーンを操作したいときにも活躍中」(森次まりなさん/Plageマネージャー)
【もの足りないとき】
→濡れたようなツヤ感を足す
双花彫刻 ハイライト 01 4,500円/花西子Florasis 「ブラウンもときにはもの足りなく感じることも。そこでハイライトを飾りとして使用。パウダーなのに水っぽい質感でぬれたようなツヤが、メイク全体を底上げします」(mao itoさん・ヘアメイクアップアーティスト兼コスメブランド・YEAUディレクター)