人気ヘアメイク直伝「ヘアゴム・ヘアピンだけで」 飾らないまとめ髪のテクニック

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【1】ニットだからいい「あどけなさ」

ニットの素朴さを利用して、ヘアにもちょっぴり少女っぽさを残したある意味「ひねらない」発想。アレンジのさじ加減やニットの抜け感を計算すれば、ただ幼いだけには終わらない。



-肌見せニットとガールなボブ-
「Vネックで強調される鎖骨の艶っぽさには“かわいい”ヘアがちょうどいい。パウダリーのヘアスプレーでボリュームを出したドライなクセ毛風ボブのセンターわけで、あえてレトロに仕上げたのがポイントです。ざっくり開いたVネックニットでもいやみのないセンシュアルに落ち着きます」(担当ヘアメイク:岡田知子さん)




-メンズライクをくずすために-
「セットアップとローファーを合わせたストレートにメンズライクなニットスタイルだったので、ヘアはわかりやすくかわいい三つ編みに。おくれ毛が出ないよう、ぎゅっとタイトに結び、かえってヘアに抜け感を出さないほうが、そのやぼったさがプラスに働いてこなれて見える。リップも強めの赤を選び、遊び心のある女性像をイメージしました」(担当ヘアメイク:扇本尚幸さん)



【2】ひとつ結びにも「いろいろある」

首まわりの重みを理由に、タートルネックを着る日はついひとつ結びに頼りがち。結ぶ高さや位置にこだわって、「とりあえず」じゃないニットに適したまとめ方を選択。

-流れを止めないゆれるポニー-
「ニットの質感を上質に見せるため、クリーム系のスタイリング剤にオイルをまぜて髪全体にツヤ感を出しました。高すぎず低すぎずの位置で髪を1つに結び、ニットにゆるやかに沿った、流れるようなポニーテールに」(担当ヘアメイク:スガタクマさん)




-ハンサムを助長する高め位置-
「ニット×デニムは、そのままだとカジュアルな印象。ややアーバンな印象を与えつつ、タートルネックのクラシカルさを助長するためケイト・スペード的なイメージでハイポニーテールに。都会的で品があるけど、少しメンズな要素もあるバランスに仕上げました」(担当ヘアメイク:塩澤延之さん)




-ムードが漂う「ちょっと下」-
「ふつうに1つで結ぶと首まわりがさみしくなりそうなシンプルニット。わざと重心を落としてボリュームを出し、後ろ姿にレディなニュアンスを」(担当ヘアメイク:扇本尚幸さん)




【3】ニットにならってカジュアルでいい

ときにはニットのテンションに合わせて、無造作感を楽しむのも手。とはいえ、意識すると難しい自然体。手抜きには陥らない計算された抜け感を検証。

-2枚重ねたぶん「上」は軽く-
「ニットのレイヤードを主役にしたかったので、首まわりのヘアはスッキリと。黒とグレーのごくベーシックな配色を地味に見せないように、カジュアルなアップと赤いリップをかけ合わせたポジティブなバランスを意識しました」(担当ヘアメイク:小澤麻衣さん)




-海外SNAP風ハーフトップノット-
「コンサバにならないよう、メンズっぽいカジュアルにくずせるアップスタイルに。通常はゴールデンポイントに向かって毛流れを整えますが、このときはほぼ真上に直線上に毛流れを持っていくことでマニッシュさを表現したのがポイントです」(担当ヘアメイク:塩澤延之さん)




-ニットもヘアもざっくり-
「エフォートレスなALL白のニットルックには、清潔感と抜け感が大切。手入れの行き届いたヘアをスッキリまとめるだけで、スタイルが生まれます」(担当ヘアメイク:岡田知子さん




【4】すっきり・同時に気だるく

女っぽさがほしいとき、単純にアップにするだけでは物足りないとき。おくれ毛や少しの乱れを駆使して、「キレイ」以上にムードも含んだセンシュアルさをねらって。

-おくれ毛がアクセサリー-
「テーマは“計算してないようで計算している”。ボリュームのあるタートルネックにはただのコンパクトなヘアではなく、ランダムにおくれ毛を残した、アンニュイなヘアが心地いい」(担当ヘアメイク:岡田知子さん)




-うなじが主役のあざとさ-
「バックオープンニットは、ヘアをおろして遠慮がちにまとうのはもったいない。大胆に背中とうなじを見せ、かえって“強さ”を表現したかったのでおだんごに。オイルやワックスを生えぎわまでしっかりなでつけ、タイトにまとめると隙がありつつも知的な印象に」(担当ヘアメイク:小澤麻衣さん)




-毛先の流れで惑わせる-
「ふつうのVネックと違ってボタンが“途中”のデザインが特徴的だったので、ヘアも完璧を求めすぎないニュアンスに。鋭いネックラインをゆるめるように、毛先には動きを足す感覚で」(担当ヘアメイク:木部明美さん)




【5】ときには「重い」ほうがいい

ニットの厚みに乗じて少しボリューミィなヘアアレンジが、装いを盛り上げるきっかけになることも。ヘアアクセや毛流れのニュアンスで印象操作。

-重心を下げてスカーフを飾る-
「太めのタートルの場合、ヘアをタイトにするとアンバランス。正面はおくれ毛でゆるさを、サイドはニットに沿うまとめ髪で重心を下げました。結ぶときに整えすぎないのが重要」(担当ヘア&メイク:長澤葵さん)




-赤ニットと重めボブ-
「白ソックスにローファーを合わせる女性が赤ニットを着るなら?をイメージし、少し少女感を残そうと思いました。ドライなヘアであえて整えていないボリューム感を。ジョンマスターオーガニックのS&L シーミストスプレー Nは、ボリュームとマット感が自然に出るのでオススメです」(担当ヘアメイク:塩澤延之さん)




-「洗練」だけが正しいとは限らない-
「ケーブルニットと眼鏡のやぼったいかわいさを引き出すのに、そのまま前髪を下ろすとやや退屈。サイドにクセをつければ、丸眼鏡に似合うねらいどおりのやぼったさに」(担当ヘアメイク:塩澤延之さん)



【6】いつものニットにテーマを与える

ステディなニットにあと一歩の新しさを加えるなら?ヘアアクセの力を借りたりアレンジよりもテクスチャーに力を入れたり。「こうなりたい」をヘアスタイルに託す気分で。

-モードに寄せるスリークヘア-
「グレーのワントーンによる、ニットなのにシャープなスタイリングによせて、ヘアスタイルもモダンで凜とした女性をイメージ。タイトなセンターパートにすれば、ピアスも映えるバランスに」(担当ヘアメイク:吉田太郎さん)




-白を理由に自由なマインド-
「ヘアメイクによってどうにでも印象を操れる白ニット。BIGタートルの存在感に負けないように、ヘアピンをランダムに飾ったインパクト重視のアレンジ」(担当ヘアメイク:木部明美さん)




-レディな黒でクラシック-
「黒タートルと黒カチューシャのクラシックな雰囲気に合わせて、レディなフレンチガール風に。首までおおわれた黒によって重くならないよう、ムースでドライな質感と束感をキープ。軽やかにゆれも抜け感の要素になるように、高めの位置のラフなポニーテールに仕上げました」(担当ヘアメイク:スガタクマさん)



【7】人気ヘアメイク4人が指南「簡単できれいになれる」ポニーテール

海外SNAPやファッションアイコンの写真から、プロが注目したヘアスタイルをヒアリング。服とのバランス、ヘアアクセサリーの活用術など、すぐにとり入れられそうなテクニックを解説。

「ラフな装いに低めのポニーってやぼったく見えがちだけど、「リボンを長めにたらすことで、あえてのやぼったさに変換される」から不思議。リボンはカジュアルな服を抜けさせる万能アイテムだから1つ持っておくと便利です」(スガタクマさん・ヘアメイク)



「デザイン性のあるえり元とか紫のリボンとか「オシャレに気を使っている感じなのに、髪の毛はつくり込んでいないというギャップがかわいい」(木部明美さん・ヘアメイク)



「ふつうはゴムを隠すようにバレッタをつけるけど、「ゴムからズラしてつけている中途半端さが好き。ゴムを見せるとほどよいラフさが出るから、キレイめなバレッタでもきちんとしすぎないのがいい。黒髪でやる場合は同化するように暗めのゴムとバレッタをチョイスするとバランスがよさそう」(木部明美さん・ヘアメイク)



「オールバックだと、シュシュをつけたヘアスタイルがいい。派手なジャケットと、オールバックの強いイメージを甘めのシュシュが中和。結び目に淡さや、かわいらしさを入れてスタイルのつなぎにするのは、撮影現場でもよくとり入れている手法です」(スガタクマさん・ヘアメイク)



「カトリーヌ・ドヌーヴのオールバックのポニーテールが王道だけど素敵。耳の上と前髪をふくらませてポンパドール風にしているのがかわいいですね。女らしい服を絶妙にカジュアルダウンしている」(木部明美さん・ヘアメイク)



「テイストを統一しているより、ヘアと装いがアンバランスだと抜けがあって目を引く。たとえば、キレイめのジャケットにローテールのこの写真。2カ所とめたうえに、ぐるぐるとヘアゴムを巻きつけて、カジュアルに見せているのがポイント。髪と同色だから目立ちすぎないのもいいです」(笹本恭平さん・ヘアメイク)