シンプルな服に似合う「コートの選び方」シンプル以上に整う「その組み合わせ方」

完成形から逆算する「コート探しのヒント」

秋冬の間じゅうともに過ごすものだから、妥協したくないコート選び。数ある中から理想の1着にたどりつくために、色みや素材、着方に至るまで、これからのコート探しに役立つトピックスをラインアップ。



「新調するにふさわしい」ベーシックな黒

黒ロングコート 85,800円、中に着た黒ベスト 53,900円/ともにüca ピンクニットパンツ 26,400円/エイチ ビューティー&ユース 頭に巻いたストール 6,600円/PROVOKE(ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム) パンプス 31,900円/TSURU By MARIKO OIKAWA


前を閉めてもボトムをほどよく見せられる、アレンジ力の高いひざ下丈。えりや前立て、ボタンにポケットなど、よく見るコートよりやや大きめにデザインされているから、黒のロングでもかっちりしすぎない。しなやかなウール素材と計算されたフォルムの相乗効果で、キレイめにもカジュアルにも使えるほどよいゆるさのシルエットに。


【POINT】ベビーピンクのニットパンツとパンプスをコートのすそから出して、重量感のある装いに清潔感を加算。まじめさのある大きな黒があれば、カラーのパンツやシューズも気分転換として手が届きやすい。

トレンチコートはオフホワイトと始める

白シャツ(10月展開) 18,920円/KUNIKO_NEM OTO×NAVE、白ジャケット(9月展開) 33,990円/ReNAVE(ともにNAVE) トレンチコート 170, 500円/ミラ ショーン バイ チカ キサダ(コロネット) 白チノパンツ 25,300円、ベルト 9,680円/ともにTHE SHINZONE(Shinzone ルミネ新宿 店) ゴールド2連チョーカー 99,000円/ガルニ(ガルニトウキョウ) ゴールドネックレス 36,300円/マリハ 黒ローファー 16,390円/A de Vivre


心地よくキレイな色だけで構成した、くどさのないグラデーション。純白よりも色みが落ち着いたオフホワイトと合わせることで、クラシカルなトレンチコートも気どらずきちんと装える。黒は小さく・要所に効かせるだけで、装いは十分シャープに。

風格が漂う「暗めのブラウン」

ファーコート 20,900円/SLY(バロックジャパンリミテッド) 黒ポロニットワンピース 35,200円/SLOA NE(ザ ショップ スローン 新静岡セノバ店) 中に着た白ブラウス 30,800円/ギャルリー・ヴィー(ギャルリー・ヴィー 丸の内店) 黒レザーグローブ 4,990円/Gap 〈左手中指・薬指〉ゴールドダブルリング 3,300円、〈右手小指〉ゴールドリング 3,850円/ともにアネモネ(サンポークリエイト) 黒ロングブーツ 71,500円/PIPPICHIC(ベイジュ)


色合いの陰影がしっかり表れるグラデーションフェイクファー素材を使用したコート。明度をおさえたブラウンと相性がよく、華美にはならないわきまえたエレガンスを演出。品のいい風合いを生かせる、ホック仕様のフロントやステンカラーの首元などすっきりしたディティール。


【POINT】手元や足元に黒レザーを配して、素材に強弱を。ファーとレザーで盛った素材感や重厚感も、つつましい白を添えたワンピース軸なら淑女の飾り気としてプラスに作用。

トレンチともケンカしない「深グリーンのマフラー」

グリーンマフラー 4,990円/MANGO トレンチコート 22,990円/古着屋JAM 原宿店 ベージュニットワンピース 26,400円/バビロン(バビロン新宿) ブラウンレザーショルダーバッグ 48,400円/COTSWOLD AQUARIUS(メイデン・カンパニー) ベージュスエードブーツ 13,590円/ZARA(ザラ カスタマーサービス)


ただのボーイッシュから脱却を図れる、高発色のグリーンストール。適度なエッジを加えてくれるカーキの長所をひきつぎながらクラシカルな印象を自然に上乗せ。華美というよりムードを高める盛り上げ役として効果的。


【POINT】アースカラーの延長のグリーンは、ベージュのトレンチとワンピースでつくるあいまいトーンのアクセントとして有効。マフラーのボリューム感で小顔効果も期待。


襟もとまでフロントを閉めてワンピースライク

襟を立てながらフロントを閉めて着られるウールコート。コーディネート不要の手軽さに加え、ワンピースのような品のいい見た目に。いい意味で主張しないグレーの色みなら、前閉めによる圧迫感なく、どんな色の服ともキレイに似合う。

チェック柄はできるだけ細かく

フレンチシックな装いに向くチェック柄は、目の細かいものを選ぶと難なくとり入れやすい。黒タートルにデニムの間違いない組み合わせは、ブーツを白で選ぶとより女性らしいルックスに。

ベーシックが見違える「ブラウンに近しい赤」

ポイントは深みのある、ブラウンに近いような赤の色味。女っぽさ、引き締め力、飾り気など。シンプルを支える要素がつまった赤も、そんな色味ならベーシックカラー並みに使い勝手もいい。派手じゃないけど地味でもない、着やすくどんな服にも合わせやすい一着。


起毛素材は「質感を拾うアイテムとともに」

面積が広いゆえ、コートでとり入れると存在感も大きいシャギーなどの起毛素材。スカートで色みと質感をそろえると、バランスよくまとまり違和感のない仕上がりに。ほかはミニマルな黒に徹してコートとスカートの引き立てて。コートに似たウールのグレーパンツに置きかえるのもあり。


体を包み込むようなミリタリーコート

ぶかっと着られるボリュームとなじませるように、フレアワンピースを中に仕込む。コートの無骨さとドレープの効いたすそのドレス感がブレンドされ、辛さのあるコートスタイルに昇華。厚みをともなって広がるシルエットはスタイルカバーにもひと役。


ジャケットとコートの「間のシルエット」

ボトムの重厚感が増しがちな時季は、足まわりがもたつかないミドル丈のコートが頼りになる。ボリュームのある服どうしにメリハリがつくように、極力オーバーサイズを選ぶのが得策。ネイビーコートのかたさをほぐすように、動作とともになびく軽やかな白スカートを。


けだるさと気品が入りまじる「ベージュ起点のグラデーション」

白・ベージュ・ブラウンのナチュラルな配色を、直線的なシルエットでスマートに落とし込み。外側を一番濃い色にすることで、全体が引き締まるから、まろやかなカラーリングがぼやけない。きりっとしすぎないノーカラーは、落ち着いたブラウンにもマッチし、ほどよい大人っぽさに貢献。


ふっくらしすぎない「ダウン入りのミドルなコート」

膨らみすぎない、かつボックスシルエットのダウンコートは、ハンサムな装いに適役。カジュアルすぎず、かつメンズっぽい見た目を生かし、紳士のようなパンツと小物をそろえトラッドスタイルを構築。


レディなシルエットづくりは「素材のハリに注目」

ボンディング生地のような中厚手~厚手のハリ感素材は、さまになるシルエットで装いたいときに重宝。コードを閉めるだけで。メリハリのある立体感が生まれ、コートの中のスタイリングが不要なほど、それだけで完成された佇まいに。



気だるくキレイに着られる「チェック柄のステンカラー」

チェックステンカラーコート 8,999円/H&M(H&M カスタマーサービス) 黒ニットタンクトップ 11,550円/ルージュ・ヴィフ(ルージュ・ヴィフ ラクレ ルミネ有楽町店) 黒ブークレセンターシームワイドパンツ 57,200円/AKIRANAKA(ハルミ ショールーム) 赤キャンバス×スエードスニーカー 11,550円/コンバース(コンバースインフォメーションセンター) 


端正なステンカラーコートをチェック柄でマイルドに。スマートに着られる直線シルエットは、キレイな服とも難なくなじむうえ、カジュアルな服のゆるみを止めるバランサーとしての一面も。チェック柄はできるだけ細かいものを選ぶと、ほっこり感なく大人っぽく装える。映える色は、もたつくすそからちらりと見えるくらいで効かせると、派手に浮かず装いも引き締まる。