アウターを着るほどではないけれど、何かに包まれていたいこの時季。厚手ニットにかけても暑苦しくならず、さっとまとえるストールは、あたたかなこの冬を支える要。コート不要で成り立つ、選び方とアレンジ術を検証。
スタイリスト的「ストール逆引き辞典」
今年らしさや着こなしの幅を引き出す新たなキーワードから、とり入れるメリットや使い方をスタイリスト・船戸 唯さんが指南。選び方のコツなど、プロならではの視点に注目!
【PROFILE】(スタイリスト・船戸 唯さん) カジュアルなのに品よく、キレイめなのに親しみやすい、絶妙なさじ加減のコーディネートで支持を集める。
なじませ役のカーキカラー
50,600円/SAYAKA DAVIS(ショールーム セッション) モヘアニットで色みがよりまろやかに。角度によって色の見え方が変わるから、シンプル服の単調さも回避してくれる。
「定番色に飽きたら、今季注目のカーキをセレクト。穏やかながらシャープな二面性で、合わせる服の明暗にかかわらず洗練された印象に。」(船戸さん)
ニュアンスの出るローゲージ
42,900円/ebure(LITTLE LEAGUE INC.) カジュアルなケーブル織りながら、アルパカ混のニットにひかえめなスパンコールをのせることでスタイリングの格を上げてくれる。
「風合いが印象を左右するストールは、編み地でニュアンスの出るローゲージにも注目を。たとえばケーブルならトラッドな趣に。」(船戸さん)
カットソーのような超薄手
各37,400円/ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー) メリノウールとコットンを混ぜた、ややハリのある高級素材。巻いたり束ねたりとアレンジしやすい正方形。
「アレンジしやすい大判ながら、カットソー気分でいっそうラフに羽織れる薄手タイプ。やや透け感のある、シーズンレスなものが重宝。」(船戸さん)
部分的にダウンの重み
6,996円/MOUSSY(バロックジャパンリミテッド) ボリュームがとけ込みやすい、ニュアンスカラーを選ぶと、合わせのバリエーションが広がる。
「冬に恋しくなるダウン素材は、首まわりだけで楽しむのも手。身軽なのにあたたかく、立体感のおかげで、テクいらずでさまになる」(船戸さん)
試したい色でバイカラー
59,400円/アソース メレ(アイネックス) ネイビーと濃厚なピンクのバイカラー。ベーシックカラーはもちろん、ネイビーの面積次第で同系色のペールカラーに合わせても。
「巻き方によって面積を調整しやすいバイカラーなら、着てみたかった色も身近に。落ち着いたダークトーンとのかけ合わせがオススメ」(船戸さん)
色をそろえてスヌードとジャケット
ジャケット 26,400円、スヌード 8,800円/ともにスローン(ザ ショップ スローン 新静岡セノバ店) やや起毛感のあるポコポコとした生地が、顔をやさしく包み込む。
「首をおおうだけで十分暖かい日こそ、スヌードにトライ。軽アウターとのセットが増えていて、タートル感覚で着られるのも高ポイント」(船戸さん)
薄手の大判ストールで「フロント交差のぐるぐる巻き」
ストールの魅力をさらに引き出すために。たらす・ひっかけるだけではない巻き方の基本をレクチャー。まずは首まわりにボリューム感を加える大判ストールの巻き方をご紹介。ストールのタイプは大判でも厚みがひかえめなぶん、巻き方次第で雰囲気を変えやすいしなやかなハイゲージ。
STEP-1
1.横幅がせまくなるよう意識しながら→無造作に束ねたストールを→首にぐるっとひと巻きしたあと→両端を長さがそろうようにフロントにたらす。
STEP-2
2.首にできた輪に手を入れて→ストールの片側をひっぱり→その引っ張った方でループを作る。
STEP-3
3.できたループをキープしたまま・・・
STEP-4
4.たらしていたもう片方のストールをつかんで→3で作ったループの中に引き入れる。
STEP-5
5.4でループの中に引き入れたほうの先端を引っぱって結び目のボリュームを調整。
FINISH!
全体の形を整えてフィニッシュ。
「結び目は後ろで」キレイに巻く方法
無地はもちろんのこと、柄のストールもキレイに見える、カジュアルに見える結び目を背面ににした巻き方をご紹介。後ろ姿にも表情がうまれて、単調に見せない手の込んだスタイルにクラスアップ。
STEP-1
1.細めにまとめたストールを、首から均等にたらす。キレイに整えすぎず、適度にくしゅっさせてキメすぎないバランスに。
STEP-2
2.両端とも背面にまわす。フロント部分に少し動きが出るよう、あえてラフにふんわりと巻くのがポイント。
STEP-3
3.後ろ側にきたストールを広げて、両端とも上のほうだけを持つ。
STEP-4
4.持ったところを小さく結ぶ。ほどけるのを防ぐため、かた結びに。
FINISH!
5.前から見た際に結び目が隠れるよう、少し後ろに落としながらバランスを確認。残した部分が三角を描くようにすると、大きく結ぶよりボリュームがおさえられるうえ、デザイン性も高く。
アウター不要で成り立つオシャレ
【全20選の一覧】≫「巻かずに羽織るだけで」 シンプルな服が見違える「服のようなストール」