ジュエリーの変わらぬ美しさを保つために、よりよいケア方法をファッション好きやプロから深掘り。基本的なケア方法から使えるメンテナンスアイテムまで、お気に入りと長く付き合うために気になる疑問点の最適解をご紹介。 ※( )内の数字は、サイズで縦×横、単位はcmです。
【PROFILE】
□高垣健太さん((カデンシア&コンシェル)/ジュエリーの修理やリフォーム、オーダーメイドを専門とするお店で、現在オペレーションマネージャーとして働く。お客さまの大切な記憶を次世代に受け継ぐ手伝いをしている。 □菅野けやきさん(Jouete)/トレンドを取り入れたカジュアルで日常的に使いやすいデザインのアイテムが多い「Jouete」。プレスという立場でさまざまなジュエリーと向き合ってきたプロ。 □machimohoneyさん(インフルエンサー)/肌にやさしいオーガニックアイテムを紹介するインスタグラムが人気。元アパレル勤務の経験を生かした、身近なものを使ったお手入れの豆知識が豊富。
【1】プロに聞いた「自分でアクセの輝きをとり戻す」方法
常に汗など汚れの原因となる環境にあるため、ケアを怠ると輝きが半減してしまう可能性も。まずは長もちさせるためのちょっとしたひと手間からスタート。
「はずすついでに」クロスで輝きをキープ
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「使用後のジュエリーは、汗や油分で汚れてしまうもの。はずしたついでにジュエリー用のクロス、または眼鏡ふき用クロスなどでやさしくふきとるとくすみを防げます。研磨剤NGの素材もあるので、研磨剤が入っていないクロスを1枚持っていると便利です」(高垣さん)
良品の名品「研磨剤入りのクロス」
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貴金属のお手入れが手軽にできる研磨剤入りの綿布。超微粒子の研磨剤とツヤ出しワックスが含まれており、汚れや小さな傷がとれ、ツヤを出せるところがお気に入り(りぃさん・フリーランス)
専門店の間違いないケアアイテム
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「研磨剤が入っていないからこそ、どんなジュエリーや腕時計にも使用可能。洗って繰り返し使えるエコなポイントもあり。小さくカットすることで持ち運びにも便利に」(菅野さん)
「シルバーをつけるだけ」専用クリーナーで時短ケア
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「出番の多いアクセサリーは汚れをためないよう、手早くこまめなケアを心がけています。愛用のスピーディップは、ストーンつきやメッキには使えませんが、シルバーは一瞬でキレイに。10秒つけるだけでくすみがとれます」(machimohoneyさん)
「磨きの手間が減る」パールにも使えるクロス
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「エンヨーのクロスは、何もつけずに磨いてもツヤが出るのでパール磨きに使っています。一度ふきとった汚れをキャッチして離さない特殊素材だから、磨いているうちに再度汚れをつけてしまう心配がないのも安心」(machimohoneyさん)
「幅広いジュエリーに対応する」スプレータイプ
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金やプラチナ、硬度の高い宝石などに使えるスプレータイプのクリーナー。メッキ製品、ガ ラス等にも使用可能。「手軽で即効性もあるため、撮影前のクリーナーとしても重宝」(スタイリスト・出口奈津子さん)
ぬるま湯と中性洗剤で汚れを浮かす
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「蓄積した汚れを洗浄する場合は、ぬるま湯に台所洗剤を少量入れ、やわらかい歯ブラシでこすって落としてください。その後水気をとり、ドライヤーの冷風で細かい水分を飛ばすと劣化しにくくなります。ただ水に弱い素材や石もあるため確認が必要です」(高垣さん)
細部に届くペンタイプクリーナー
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金、プラチナや硬度の高い石、メッキ製品にも使用可能。 「125年の歴史を持つ、英国王室御用達メーカーのペンタイプジュエリー用クリーナー。アクセサリーの細かいデザイン部分や、石の裏側、隙間などお手入れの難しい箇所のケアに最適な便利アイテム」(編集部)
くすみを秒速でとり除く
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「10〜15秒ほど液に浸けるだけで即座に汚れやくもりをとり除く、珊瑚・真珠等用の液体クリーナー。ポンと入れておくだけでいいため、時間がないときにもオススメ」(編集部)
薄膜コーティングで保護する
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「変色しやすい金属部品に塗ることで、ジュエリーの輝きを長期間保つコーティング剤。水のようなさらさらした液体を塗布するだけで外的刺激からしっかり守ってくれる」(編集部)
キットで手軽にケア
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金・プラチナ・ホワイトゴールド用のキットジュエリーにやさしい成分配合のウェットティッシュタイプのクリーナーで汚れを除去し、クロスで輝きがよみがえる(編集部)
【2】アクセでよくある「やっていいのかわからないこと」
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生活をともにする中で出てくる見て見ぬふりをしてきた「そういえば」な疑問。やってもいいこと、やったほうがいいことをよくある状況別にプロがアンサー。
Q.ネックレスが絡まった!
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A.無理に引っぱらないように
机の上にネックレスを置き、つまようじなどの先端が細いものを2本使用し、切れないように少しずつほどいてください(高垣さん)。
Q.よく見るとリングに傷がついていた…
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A.研磨剤の力を借りる
素材によりますが、研磨剤が含まれたジュエリー用のクロスで磨き上げると、細かい傷などは目立ちにくくなります(高垣さん)。
Q.そのままハンドクリームを塗ってもいい?
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A.クリームの油分は変色の原因
塗るときは、なるべくジュエリーをはずしてください。このひと手間が、長く愛用するための秘訣です(菅野さん)。
Q.服やティッシュでふくのはアリ?
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A.基本はクロスに頼る
ティッシュや服の生地によって傷つくだけでなく、大切な洋服も傷めてしまう可能性があります。ジュエリー専用のクロスを使ってください(高垣さん)。
Q.パーツがとれた!
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A.長く使うためにプロに任せて
ジュエリーには専用の接着剤が使用されています。接着剤の量の配分も難しいため、なるべく自分で修理を行うことはやめましょう(高垣さん)。
Q.ヴィンテージ物を自分でキレイにしてもいい?
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A.時代を経た風合いを楽しむのも手
時を経てあらわれる美しさは、一度キレイにするととり戻せません。長旅を楽しんだことによる変化にふれるのも愛着がわく大事な機会です(佐々木さん)。