秘訣はアンバランスな「新バランス」
ゆるいと細い、色をそろえる。そんな無意識にルーティン化している着方に甘んじず、いつもに磨きをかけるため。よくある組み合わせに少しのズレを生み、落ち着きと鮮度を同時に得る。「アンバランス=いいとこ取り」ととらえた、新たなスタイルバランスをご紹介。
「丈だけハンパに」ふまじめなコンサバ

丈も色もなじませないことでルーズなシルエットにメリハリがつく
オーバーサイズのシャツに、ひざ下丈のフレアスカート。長くも短くもないあいまいな丈を組み合わせることで、キレイなのに堅く見えない、理想のアンバランス加減に。1枚では難しさを感じる中途半端な丈は、2つ組み合わせることで悪目立ちせずむしろ調和がとれる。
「重ねることで軽くする」重量感のないレイヤード

上より下で重ねてデザインスカート風にアレンジ
エプロンみたいに手軽に巻けるチュールスカートをON。シアー素材を利用した「軽やかなレイヤード」でスカートを簡単にイメージチェンジ。もたついて見えない重ね着のレパートリーで、シンプルの枠の中で幅を出す計算。
「3色以上でも落ち着く」ひかえめなカラーブロック


甘い色だけで構成した、ピンクが主役にならない新バランス
ワントーンスタイルの延長で、近しい色どうしを集めていく。たとえば、ベージュを基準に、同系色の浅いブラウンやピンクを混ぜ合わせると、地味でも派手でもない絶妙なさじ加減が出来上がり。多色づかいするときは、セットアップや先細パンプスでシルエットはとことん端正に。
「イメージを決めつけない」ドレスにサンダル

服と靴のギャップをならすように色はダークトーンでそろえる
デザイン性の高い華やかなドレスに、あえて足元はサンダルというミスマッチ感。ドレスアップが目的だとアンバランスに見える組み合わせも、日常になじませるためならちょうどいい仕上がりに。靴の形を問わずバランスがとりやすい、Iラインに近いバルーンシルエット。ひざまわりのフリルデザインで、モードな印象に転びすぎずかわいげが残る。
「デザインよりサイズでひとクセ」服は脇役、小物が主役


大きなダッフルバッグを飾りにクラシックよりスポーティ寄りに
衒いのない組み合わせに、深色のキャンバス地で仕立てたダッフルバッグをプラス。大げさな変化を求めずとも、よく合わせる小物のサイズを上げるだけで、シンプルな装いのままモードな印象へ寄せられる。メリハリがつくビッグサイズで、スタイルアップも同時に実現。


ベルトとビスチェの間をとれるレザーのコルセット
ゆったりとしたフレアワンピースにコルセットを重ねると、フィット&フレアなシルエットにさま変わり。胸下までとどくワイドシルエットにより腰位置を高く設定できるため、脚を隠しつつ長く見せられるうれしい効果が。コルセット=レディなムードに傾かないレザー素材だから、カジュアルなスタイルの気分転換にもぴったり。
「ビッグサイズで親しめる色がある」甘くないパステル


ロンTを潔く大きくしたようなボーイッシュなワンピース
フェミニンな色をルーズに着る。メンズライクな脱力感がそなわることで、辛口好きにも着やすいパステルに。ぶかっとしたワンピースでいっそう堂々とふるまうと、やさしい色なのに存在感のあるルックスが完成。ほんのりと色づく淡いブルーで、長そでのワンピースでも軽さを維持。ぶかっとしたサイズ感と細身の黒小物との対比で、体の華奢見せがかなう。
「足すより差しかえる感覚で」黒みたいにネイビーを

知的なネイビーで支えてレオパード柄を大人っぽく
キレイめなスタイルの整え役に、黒より穏やかにまとまるネイビーを採用。シャープな印象は保ちつつほのかな抜け感もそなわる色みの微差で、仕上がりにいっそう磨きがかかる。強い柄には、黒よりネイビーでクールダウン。
「オシャレが上手くなる」メンズ服の使い方
キレイに着ることだけじゃなく今どきな洒脱感も求めるなら、「サイズでハズす」のがてっとり早い手段。そこで注目したいのがメンズやユニセックスのオーバーなシルエット。正統派な装いでもそでやすその余りで十分くずしが生まれるから。理想のバランスをつくるには、デザインよりサイズをアップデート。
整えながらゆるめる「余白感」

繊細なグレンチェックでルーズなのにインテリムード
エッジを効かせる肩幅の余り、スマートさを保つ長めの丈。メンズサイズのジャケットを羽織れば、レディな服の甘さをならすのも簡単。 アウターのように体を包み込むぶかっと感はメンズならでは。肩幅のあるドロップショルダーで、体を華奢見せする視覚効果が。
「ベルトでしぼる前提」のサイズアップ

ベルトで締めてできたはき口のギャザーでデザインパンツ風に
腰位置ではくのが基本のメンズパンツはウエスト幅が広いから。ベルトできゅっとしぼることで立体感が増し、それだけで存在感のあるシルエットが出来上がり。
ウィメンズのワイドパンツよりボリュームが出るため、ベーシックな黒だけで絵になる。締まったウエストとふくらんだパンツラインにより、上半身の細見せに成功。同時に黒合わせの間のびも回避。
「たるみ」を生かして

光沢をまとったスカートをダッドニットで日常へ落とし込み
タイトスカートでスマートに装うときは、素材&サイズのたるみで自然な脱力感が出る、メンズのニットをおともに。Vネックやベストの視線を縦に流すディテールが手助けして、ゆるくてシャープな美シルエットが出来上がり。余ったすそをウエスト部分にひっかけて、直線的なスタイリングにメリハリも意識。
ヒールを合わせて「えりを正した」ジャンプスーツ

メンズのつなぎが無骨に見えない薄くて軽い「縦落ち素材」
シャツとスラックスをドッキングしたような硬派なジャンプスーツを、体が泳ぐサイズで心地よく。全身ルーズなシルエットのリラックス感に甘えれば、ハイヒールで「いかにも」な女っぽさを加えてもいやみじゃない。
ウエストのドローストリング次第で女性らしいXラインにさま変わり。シワになりにくいなめらかな風合いで、デスクワークの日も座りジワが気にならない。黒のハイヒールを効かせてキレ味よく。
「あり余るすそとそで」のひとひねり

ハンサムな服で成立する「甘くないピンク」という矛盾
メンズとレディースのオーバーシャツの違いは、そでやすその長さ。そでをまくって手首をのぞかせたり、すそを結んでウエストマークしたり。余りを生かした着方でブラウス風に仕立てられるため、むしろ女っぽく転じる。
ほどよくハリのある質感で、着方をアレンジしたときにボリュームが出やすく、簡単にさまになる。適当にあしらったそでやえりの無造作な雰囲気が、クラシックなスタイルをこなれて見せるポイント。ブラウンのチノパンで、ピンクシャツに落ち着きを加味。
行儀よく遊びを足す胸元の「トラッドなロゴ」

ビッグサイズにより深まったVネックでレイヤードが簡単に
シャツより気楽でスエットより堅い。間をとれるポロシャツはぶかっとしたサイズで着まわし力をアップ。ひざ丈パンツを合わせた優等生なスタイルにメンズブランドらしいワンポイントロゴでかわいげを。
「メンズの小技」でシンプル以上
アイテムのバリエーションが少ないメンズの着こなしには、シンプルがうまくなる選びや着方のテクニックがつまっているから。ウィメンズとはひと味違うサイズやデザインで、ベーシックをレベルアップ。
品よくハズす=「ジャケットの中」で遊ぶ

ジャケットのお堅さも、そのサイズ感でリラックスムード。手書き風や、大ぶりな英字のやんちゃなマインドが反映されたプリント&ロゴトップスとの合わせワザでまじめでも、ふまじめでもない、ちょうどいいルックスに。
スケートボードとサーフボードの遊び心が加わった、どこか身覚えのある二人組のシルエット。イラスト風のタッチ。
万能な紺ブレもメンズサイズを

ネイビージャケット(メンズ) 242,000円/HUSBANDS(エディフィス 新宿) ボーダースエット(メンズ) 12,900円/Gap トリコロールカラーのラガーシャツと紺ブレで、たまにはカレッジムードに。
懐かしい色味が新鮮なグリーンに注目

グリーンジャケット(メンズ) 81,400円/ブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン) 中のロゴスエット 15,400円/イル ワンエイティ(ユナイト ナイン) 落書きしたようなファニーなスエットとクラシカルなダークグリーンの組み合わせが新鮮。
やさしい配色は「質感とサイズ」でけだるげに

白をメインとした軽やかな配色にはボリュームニットで落ち着きをプラス。Tシャツにはない品のよさと力を抜けるサイジングで、紳士の休日のような清潔感のあるカジュアルルックが完成。
ドライタッチな質感&ざっくり編みで通気性よく。深いVネックなら、肩にひっかける感覚で着られる。
色あせ感のあるアイボリー

ニットトップス(メンズ) 49,500円/ギャルリー・ヴィー(ギャルリー・ヴィー 丸の内店) 肌ざわりのいいオーガニックコットン100%。編み目の印象が強いドライな風合いが、マイルドな色みでもやさしくなりすぎない、いい意味でのメンズっぽい野暮ったさに。
コンサバに見えないメンズならではのサイズ感

ニットカーディガン(メンズ) 16,000円/バナナ・リパブリック オーバーなサイズ感でもキレイめに見える、しっとりとスムースな風合い。
Tシャツ+デニムで「もつ」すそのたるみ

たっぷりとした身幅を整えるようにタックIN。はき口におさまり切らないすそのたるみがニュアンスをつくり、Tシャツとデニムの究極にシンプルなスタイルを簡単に洒脱な印象へ。
Tシャツが大きいぶん、細身のデニムを選びカジュアルな装いをすっきりと。メンズTだから、5分そでぐらいになることで二の腕のカバーもかなう。
厚手コットンジャージーの頼もしさ

白Tシャツ 16,500円/エイトンステイプルズ エイトンステイプルズの白Tシャツは、シンプルでありながら一枚で着映える存在感。ユニセックスブランドならではのS〜XXLまで選べるサイズ展開で、好みのシルエットも自在。潔く、でもどこか余裕を感じさせる。
ヘビーオンスの安心感

白ロンT(メンズ) 1,290円/GU GUの白ロンTは、メンズらしいゆとりとヘビーオンスの生地感が魅力。型くずれしにくいタフさで、このプライスという手軽さも嬉しい。気負わず着られる白のロンTは、毎日のワードローブに欠かせない存在。「ただのベーシック」では終わらない、潔さと実用性を兼ね備えた一枚。