女性らしさも引き立つ「メンズ服」 選び方とこなし方
ウィメンズの服にはない、直線的なシルエットや、身体が泳ぐようなサイズ感。この「余白」こそが、かえって女性特有の華奢さを際立たせ、媚びない甘さを演出。「サイズが合わないから着ない」のはもったいない。むしろ「サイズが合わないからこそ可愛い」。この逆説的なアプローチこそ、カジュアルを洗練させる近道。
メンズとメンズライクが上手くいく コーディネート実例集
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着回しにも優れる「メンズでとり入れたい服」
ウィメンズ特有の曲線美とは対極にあるシルエットや素材感。その「違和感」こそが、コーディネートに深みを生むスパイス。身体を包み込むような包容力のあるサイズ感は、華奢さを際立たせ、着るだけでスタイルアップも叶える都合のいい服。単なるオーバーサイズではなく、計算された「余白」を楽しめる服をピックアップ。
ガーリーなスカートを「着やすくする」メンズのブルゾン

端正なハイネックに、トップス的に使える短め丈。ハンサムにもカジュアルにもふれる紳士なブルゾンは、あらゆるテイストを許容する名脇役。前を閉めてハイネックシャツっぽくアレンジ。着方でいっそうハンサムに寄せると、直球でフェミニンなチュールスカートを大人っぽく落とし込める。ブルゾンにハリ感があることで、シャープな印象もキープ。
やぼった可愛い「ポロのメンズ」

「ポロのベア」があしらわれたチャンキーニット。身幅の広さやそでの長さなど、あえてメンズサイズを選んだことで得られるゆるっとしたシルエットが、愛嬌のあるルックスをよりフランクに演出。デニムはマムシルエットを選んですそもIN。ニットのテンションに合わせて着方もカジュアルに振り、個性を存分に堪能。
シンプルなニットも「メンズならではのゆったり感」を

シルエットの余白を飾りとみなしてハイゲージのカシミヤを1枚で堪能。ウィメンズのニットとはまた違う、余りのあるショルダーラインや長いそで&すそで、力の抜けたラフさを表現できるのがメンズアイテムのいいところ。サイズ感に変化をつけて、無地のクルーネックの着映えを図って。
ユニクロもメンズを。ねらい目は「カシミヤセーター」

上質なのにお手頃なユニクロのカシミヤセーターは、カラバリも豊富。こちらもレディースではなくメンズサイズならではの絶妙な「つかず離れず」のゆとりシルエットなら着心地もよく、コーディネートしやすい。
メンズならではのそでの余りや肩の落ち感

ドライタッチな質感で、ビッグニットなのにどこか軽やか。どんな色にも合わせやすいグレージュで、小ぶりなクルーネック、きゅっと締まるリブそでなど締まった印象のディティールがあるおかげで、ワーク系のワイドパンツはもちろん、ミニスカート・ハーフパンツのような短丈ボトムと合わせてもだらしなく見えない、まさにボトムを問わない1着。タックINしたときにできるすそのたるみも、腰まわりの奥行きづくりに貢献。
トップスINもぴったり似合う「メンズのデニム」

細くもなく太くもない、まっすぐでクセのないメンズのデニムのウエストをキュッとベルトで絞って穿く。メンズサイズだから自然と股上に余裕もでき、「これみよがしなハイウエスト」にならない。どんな服にも合わせやすい濃紺だから、カラーボーダー&シューズの合わせもバランスよく着地。
キレイめな服になじむ「メンズのビッグフーディ」

メンズならではのボリューム感とすそまですとんと落ちる長め丈で、どんな形のボトムも受けとめられる。レトロな配色になじませながら女度の高いレザースカートに挑戦。ベージュ×ブラウンの甘口な色づかいで、スリムなレザースカートの緊張感を緩和。メンズのトップスでカジュアルに落とし込めば、深いスリット入りでもセンシュアルなムードに転びすぎない。
ふっくらとしたビッグブルゾン

大きな黒ブルゾンを最後にひっかけてミニを辛口に。ジャケットの上にも重ねやすい、身ごろがあまるメンズサイズ。ぶかっとしたボリューム感がある分、ボトムをすっきり見せるとよりスタイルアップに貢献。
メンズのシャツ+パンツのセットアップ

合わせるシャツもメンズを選び、ルーズなシルエットをひとつなぎ。浅いベージュだからやんちゃな雰囲気に転ばず、クリーンな表情を維持。ウエスト&足首をきゅっと引き締めつつ、ふっくらとした曲線で脚のラインを華奢見せする。ボーイッシュなギャザーパンツを利用すれば、ヒールに頼らずスタイルのいい人に。エッジが効きすぎないように薄めのベージュを選択。パンツはウエスト部分の内側にドロストを設置。
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どう着る? 「メンズとメンズライク」コーディネートの実例集
メンズでとり入れたい服、そして「メンズっぽい」コーディネートの成功例をキュレーション。色やシルエット、デザインに小物。バランス良く「女性らしさ」を含ませるのが上手くいくポイント。
ざっくりローゲージで上半身にボリューム感を

メンズサイズ特有のたっぷりとした丈とそでは、気になるヒップラインを隠すにも便利。下は細く、上半身を「ゆるく」することで対比的にボトムラインが引き締まり、脚を細く長く見せるスタイルアップ効果が手に入る。素材感のあるフィッシャーマンズニットなら、のっぺりしがちなALL黒でも、重く見えない奥行きを演出。ボトムはブーツにINして、すっきりタイトにまとめて。
メンズのコートをワンピースのように重ねて

ドレープをたたえたドレッシーな表情の黒スカートに、タフなコートをプラス。フロントをしめてワンピースを重ねるようにスタイリングして、テイストの差を超えた一体化を狙って。タフなコートに気品を添える小物はカシミヤストールとパンプスで統一感を。
キレイにまとめて+キャップを

旬のハイネックを採用した、トップス的に着られるショート丈のパファージャケット。首元が隠れることできちんと見えるため、コンサバなボトムにも合わせやすく、アクティブなイメージの強いアウターでも背すじが伸びたたたずまいに。すっきりシルエットのキャップと小さく光るゴールドピアスでバランスを。
キャップとメタルフレームの眼鏡でメンズライクに

簡単オシャレ見えがかなう「キャップと眼鏡」のセット。ベーシックな黒縁もいいけれど、細身のメタルフレームで印象チェンジ。ビッグコートに対し、顔まわりはキャップでコンパクトにまとめてバランス良く。スウェットパンツをソックスINして足元を「たるませる」のも取り入れたい旬のテクニック。
Aラインシルエットに+キャップ

顔回りも小さくまとめることでフレアボトムが引き立つ。首も足首にも隙のない黒ワントーンを、ストイックに見せないポイントとなるのがキャップ。装いに立体感を生むアコーディオンプリーツは、ワントーンやシンプルな上下の合わせにもうってつけ。
シルエットはメンズ・柄は愛嬌のモノトーン

ホワイトデニムで作る、真冬向きなモノトーンルック。大胆なノルディック柄が、いつもの白・黒合わせをアップデートするのにお役立ち。コロンとしたバッグで、愛嬌を加算。
ダウンベストを「コートに同化させて」モノトーン

ツヤとボリュームをしのばせて見慣れたチェスターに遊び心を。コート全般がオーバーシルエットが旬の今「その中に仕込む」ダウンベストがちょうどいい。ダウンといえばのノースフェイスで使える黒なら間違いなし。
オーバーサイズのメンズライクなレザー+ミニボトム

ジャストサイズでは肩の力が入ってしまうライダース風のレザーアウターは、オーバーサイズをセレクトすることで大人の余裕が。レディなミニ丈と合わせても、ちょうどいいコントラストに。タイツにパンプスという足元でも、クラシカルにより過ぎず親近感につながる。
大きなシルエットに対して中は細くスマートに

太ももが隠れるほどの、思いきったロング丈。この長さがボトムとの一体感を生み、縦のラインを強調。タイトなスカートやワンピースを合わせ、その「ゆる・ぴた」のギャップを潔く見せるのが、大きなジャケットをバランス&スタイルよく着こなす基本テクニック。
ゆったり+ほっそりでスタイル良く

肩幅も身幅もゆとりを持たせた、ほどよくルーズに着られるフライトジャケット。対照的なボリューム感の黒レギンスを合わせてシルエットにメリハリをつけて。足元は先細+細長い形でシャープに。
ビッグスウェットでミニの甘さを中和

肉厚なコットン素材のベーシックなスウェット。カラーは、淡い色合いでも大人っぽさが残る白を含んだようなペールグリーン。おかげでカジュアルなスウェットなのにどこかキレイにも見える、清潔感のあるルックスに。
メンズさながらに「スエットパンツのすそを適当にIN」

わざとたるませたすそが、スリムなパンツのニュアンスとして作用。だらしなく見えないのは、ブーツにエッジがあるおかげ。
スポーティなベロアパンツとキレイめトップス

ニットとベロアをつなげた、キレイめなネイビーのワントーン。抜けを出す白小物の中でもボーイッシュなアイテムなら、気張りすぎないバランスが完成。
ノーカラーのダウンとドレス

よくあるフードつきのダウンだと、ドレスに重ねてはちぐはぐになる恐れも。ダウンだけが浮かないようショートブーツも黒でリンク。ざっくり編みのマフラーは、なごませ役として採用。