【2】
覚えておきたい「ニットの種類とその特徴」

ひと口に「ニット」といっても、使われている原料によってそのお手入れ方法はさまざま。まずはよく目にする5種類の繊維をピックアップし、特徴と注意点をおさらい。
【MAINTENANCE SPECIALISTS】 (リネット・近藤高史さん) 日本全国対応の宅配クリーニング「リネット」の品質責任者。「箱につめて渡すだけ」の便利さが、共働き世帯に人気。現在会員数は55万人。 (レジュイール・古田陽祐さん) 1977年創業、高級クリーニング店の老舗「レジュイール」のオーナー。長年培った独自のノウハウを生かした手法に、業界関係者からの支持が集まる。 (SLOANE・森内敏子さん) 上質な天然素材を用いたニットブランド「SLOANE」のプレス。日本人にとっての着心地のよさを追求したベーシックなニットは、GISELeでも多数掲載。 (フィットニット・寺原博美さん) 高田馬場にあるニット専門の修理店「フィットニット」の代表取締役。年間1万枚のニット修理実績を誇り、クリーニング店からの依頼も数多い。
ウール

羊毛が原料のウールは、その保温性の高さからニットをはじめコートやマフラーにも多く使われる。一方で起毛しているぶん、毛玉ができやすいというデメリットも。着用時の摩擦に気をつけながら、こまめなブラッシングが効果的。
カシミヤ

保温性に加えて、なめらかな光沢感と、形くずれしにくい伸縮性が魅力。ただし、天然繊維であることから、虫食いが発生するリスクも。クローゼットに入れる前に保管環境を清潔に整えることが重要。
モヘア

モヘア特有のやわらかな長い毛を楽しめるものの、毛が抜けて、服につきやすいデメリットも。また、自宅で洗濯をすると、繊維どうしが絡まりあい、素材ならではのふわふわ感が失われてしまうリスクが。
アルパカ

繊維の強度が高く、長く着用できる丈夫な生地。ただ、ホームケアだと縮みやすいので、手洗いのほうが安心。ドライな風合いで乾燥しやすいため、柔軟剤を使用してうるおいを補給し、静電気を防止。
アクリル・ポリエステル

天然繊維に比べて風合いは劣るものの、シワになりにくいうえに軽量。ウールと同等の保温性があるアクリルや、化学繊維ならではの衣類の立体感や速乾性にすぐれたポリエステルが代表的。
そもそもニットを洗う頻度はどれくらいが正解?


「3〜4回着用後に洗うのがベスト」
ニットは汚れがつきにくいため、3〜4回ほど着てからの洗濯で十分。ただし、食べ物をこぼしたり、においがついてしまったら早めに対処することが必要。
【3】
「洗う前におさらいしたい」よくある洗濯表記
おウチでケアをする際は、まず手持ちのニットの洗濯表示をチェックすることからスタート。これさえ覚えておけば間違いない4つをリストアップ。
「乾燥機使用不可」

タンブル乾燥NGのマーク。タンブル乾燥とは、家庭用のドラム式乾燥機のように衣類を回転させながら温風をあてる方法。基本的にニットは形くずれ防止のために自然乾燥がベスト。
「家庭での洗濯NG」

オケにバツがついたマークは、家庭での洗濯NG。水洗い不可なので、クリーニングに出すのが賢明。ウールやカシミヤなど動物性繊維のアイテムによく見られる表示。
「手洗いOK」

オケに手が表示されているマークは、水温40℃を限度に手洗い可能。手洗いすることで色落ちや素材の縮みを防止できる。洗剤はオシャレ着用を用いるのがオススメ。
「条件つきで洗濯機使用可」

30℃のぬるま湯で、非常に弱い洗い方なら洗濯機使用OK。マークの数字は水温の上限、オケの下の線が増えるにつれて、弱い洗浄力が求められる。実際に洗うときは裏返して洗濯ネットを使用すること。