プロに聞いた「セーターの正しいしまい方」のすべて

【5】
オシャレな人に聞いた「ニットのしまい方」のこだわり

ニットのキレイを保ちながら、インテリアとしてもうまく用いている、ファッション関係者のクローゼットを調査。ニット好きならではのアイディアの数々は、マネしたくなることまちがいなし!



「色別で分けてニットを探しやすく」

1.「お気に入りのニットはつい繰り返し着たくなりますが、1枚の着用間隔をあけるのもポイント。色別で収納して、毎日違うニットを選びやすくしています。」(NOBLE Web ビジュアルコーディネーター・林 夏紀さん @natsu_1020)



2.「毛玉ができる前」のケアに注力中。毎日コツコツ続けやすいように、実用性だけでなく見た目もかわいいアイテムをセレクト。」(NOBLE Web ビジュアルコーディネーター・林 夏紀さん @natsu_1020)



「ニット間にゆとりを持たせて摩擦防止」

「Shinzoneの店舗では、お客さまがお気に入りを見つけやすいように、ハンガーにかけてディスプレイしています。また、ニットが重なり合って長時間摩擦するのを防ぐために、こまめに間隔をあけることも意識。そうすることで通気性が保たれ、湿気対策にも効果があります。」(Shinzoneプレス・川又 那菜子さん @shinzone_nk)



「ニットの厚みによって収納場所を変える」

1.「ニットは毎年“見せる収納”派。どこにあるかわかりやすいうえに、何より見栄えがいいからスタイリングを考えるのも楽しくなります。よく着るニットやカーディガンはラック横の椅子に畳んで手にとりやすく。」(フリーランスPR/SNSディレクター・rinaさん @komi_74)



2.「ニットは厚みで分けて収納し、畳みジワを防止。さらに、重ねるときは2〜3枚にとどめています。」(フリーランスPR/SNSディレクター・rinaさん @komi_74)




お気に入りを棚のいちばん上に

「数年前にIKEAで購入した洋服用の棚に、たたんでしまっています。無理してたくさんつめ込みすぎると、摩擦で毛玉ができたり、ふわふわとした風合いがそこなわれたりするので、ほどよいゆとりを持たせて保管するのがマイルール。お気に入りのニットを上に置くことで、引き出しを開けるたびに目に入り気分が高まります」(SLOBE IENAプレス・魚住優歌さん)




ボリュームのあるニット「HAY」の布バッグに

「なるべくかさばらないように、2つ折りにして平たく収納しています。ボリュームのあるものは、HAYで購入した大きな布バッグにIN。ニットを着ない時季には布バッグもたたんで保管できるので、場所をとらずに済むのが気に入っています。」(会社員・sakiさん @3ki_____m)




「薄手のニットは無印良品のスタッキングシェルフに収納。重ねておいても一目瞭然。あたたかくなってきたシーズンオフにはクローゼットの上の棚に移動させて保管しています。」(会社員・sakiさん @3ki_____m)




見せる収納でショップのような雰囲気を演出

「お気に入りのニットは見せる収納にこだわっています。たたむ場合は、大きさの違うものも横幅を合わせることで統一感のある見た目に。片腕だけ出してたたんで椅子の上に置くと、一気にお店っぽくなります」(元アパレルショップ店長・ayaoさん)




「すべり止めになるハンガー用のゴムを使うと、ニットがずり落ちず、伸びも防げるので重宝。楽天などで購入できます」(元アパレルショップ店長・ayaoさん)




見やすさ・とり出しやすさを最優先に

「朝の準備の時間はバタバタしがちなので、服を選ぶときに迷わないよう、見やすいクローゼットづくりを意識しています。風合いやカラーがひとめでわかるように平置きで、メッシュラックとクローゼットの棚に保管。下のほうに置いた服もとり出しやすいように、高く積み上げすぎないことも大切です」(HeRIN.CYE店長・川原萌子さん)




グラデーション配色で並べて整頓された印象に

「クローゼットを開けたときにもすっきりして見えるように、グラデーションに並べています。全体のまとまりを出すために、ハンガーはIKEAの木製のもので統一。色順に並んでいることで、服も選びやすく気に入っています」(フリーランスPR・佐藤有華さん)



着る頻度の低いニットは、見た目もかわいいフェローズのバンカーズボックスに入れて保管。(プロップスタイリスト・菅野有希子さん)




ニット専用のチェスト収納で見栄えも意識

「たたんで収納したいので、クローゼットとは別にチェストを使用しています。インテリアとしても絵になる、イギリスのヴィンテージ家具“G-PLAN”を愛用中」(フリーランスPR・佐藤有華さん)



「モヘアなどの軽いニットは風合いがくずれないよう、いちばん上が定位置。薄手のニットは丸めて隙間に入れるなど空間を有効活用して、なるべく多く収納できるよう心がけています」(フリーランスPR・佐藤有華さん)




【6】
ニットを着る前「美しさを取り戻す方法」

オフシーズンを経たニットをとり出すと、しまう前にはなかった汚れが見つかることも。本格的なニットの季節に、チェックしたいポイントとは?



Q.「ふんわり感」がなくなった!

A.スチーマーアイロンで蒸気をあてる

「生地から1〜2cm離した状態でスチームを吹きかけてください。ある程度行ったら、ニットを持って空中で振ってみて。繊維に空気がとり込まれ、ふんわり感が戻ってくるはず」(近藤さん)




人気スタイリストが手放さない名品

〈右から〉STEAMERY Cirrus No.3 アイロンスチーマー Sand 26,400円、Pilo No.2 毛玉クリーナー Sand 9,900円/ともにMODERNITY


「高温のスチームが悪臭をおさえ殺菌してくれるので、頻繁に洗濯できない素材のケアにも最適。北欧らしいデザインがインテリアになじみ、出しっぱなしでも気になりません」(スタイリスト・小山田早織さん) デリケートな素材にも使える毛玉クリーナーも展開。


スチーマーとアイロンのハイブリット。スチームのかけ方によって、プレス加工したような仕上がりにも、優しく自然な仕上がりにもなるアイロンスチーマー。アイロン並みに熱を発するアイロンプレートを搭載し、スチームの質を高めて布を乾燥させ、アイロンをかけることも可能。曲面形状により、プレートと布の摩擦を高め、より効率的にスチームできる。




握るだけで大量スチーム

衣類スチーマー NI-GS410 (オープン価格)/パナソニック 約30秒で立ち上がるため、忙しいときでもサッと使える。大量のスチームでシワをとりながら同時に脱臭。約9分間連続してスチームあてが可能な、大容量タンクを搭載。




傾けても使える都合のいい機能性

衣類スチーマー NI-FS560(黒) 9,900円(参考価格)/パナソニック 長時間使用でき、軽くて持ち運びも便利なためGISELeスタイリストも現場で愛用中。




ペットボトルをタンク代わりにできる旅行好きの味方

スチームワン エスノマド 衣類スチーマー ブラック 15,180円(メーカー希望小売価格)/DMM.com(DMM) フランスメーカーのハンディスチーマー。パワフルなスチームで、ハンガーにかけたままでもしっかりシワをのばせる。ホワイトとの2色展開。



Q.「なんだかカビ臭い?」

A.ドライクリーニングで菌が死滅

「カビが生えてしまったときは、軽度の場合に限り、クリーニング店に持ち込んだほうが安心。また、自宅で水洗いをして改善する場合もありますが、あまりにもひどいときは処分したほうがよさそうです」(古田さん)




Q.「虫食いの穴が…!」

A.できるだけ早くプロの修理業者へ

「虫食いの穴は、放置すると虫歯のように広がってしまいます。さらに、ニットは複雑に編み込まれた生地なので、自分での修理はかえって取り返しがつかないことに。そうなる前にプロの業者に持ち込みましょう」(寺原さん)



Q.「収納したときにはなかった黄ばみが!」

A.原因は汗や皮脂汚れの蓄積

「原因は落とし切れていなかった汗や皮脂汚れ。はじめは見えない汚れが、経時変化で黄ばみとしてあらわれる場合があります。自分で手洗いしつつ、頑固な汚れはクリーニング店に頼みましょう」(古田さん)




Q.クリーニングならどんなところに?

A.カウンセリング力の高いお店をセレクト

「クリーニング工場併設のお店は、クリーニング師の資格を持つ人をひとり常駐させないといけないため、その人が相談に乗ってくれることがあり、信頼をおきやすい。

取り次ぎタイプのよいお店はスタッフさんも質問にしっかりと答えてくれることが多いです。なので、さまざまな洗濯方法を提案してくれるカウンセリング力の高いスタッフがいるお店を選んでみてください」(松延さん)



【7】
「こんなときどうする?」ピンポイントなケアまとめ

ふだんから大切に着ていても、つい汚してしまった!なんてことがあるはず。そんなハプニングにも動じない、覚えておけば必ず役立つ応急処置をシーン別に解説。



Q.「突然の雨でびしょぬれ!」

A.タオルでやさしく水分をふきとり

「雨によるぬれ具合によっては、シミができてしまうことも。まずはあせらずに、タオルでやさしく押さえて水分をとり除きましょう。このとき生地をこするのはNG。その後は風通しのよい場所で陰干しを」(近藤さん)



Q.「ひっかけて糸がほつれた!」

A.何もせずにニット専門の修理業者へ

「ニットは繊細に編まれているので、自分で修理しようとするとかえって穴を広げてしまいます。飛び出た糸を切るのは禁物。早めにプロのお直し専門店にまかせましょう」(寺原さん)



Q.「コーヒーをこぼしてしまった!」

A.色素が染みこむ前にしみ抜き

「コーヒーの色素が生地に残ってしまうので、できるだけ早く洗濯したほうがよいでしょう。ふきとるとしても、乾いた布で軽く押さえる程度に。洗濯できないニットはしみ抜きができる業者に早めに相談」(古田さん)



Q.「リップがついてしまった!」

A.クレンジングオイルや台所用洗剤を活用

「水で洗えるニットなら、クレンジングオイルや台所用洗剤などを使ってもみ洗い。その後洗濯機で洗剤を落としましょう。洗う過程で、リップの色がほかの場所に移らないように注意すること」(古田さん)



A.食べ物や化粧汚れはやさしくふやかす

「カレーやミートソースなどの食べ物や口紅、ファンデーションなどの油溶性の汚れは、ぬるま湯で油ジミをやわらかくゆるめるのがポイント。そのあとは上記の水溶性のシミと同様の洗い方を。それでも落ちなければクリーニング店へ」(松延さん)



Q.「食後ににおいがついてしまった!」

A.入浴後のお風呂の蒸気でにおいをOFF

「入浴後のお風呂場に、ニットをハンガーにかけてつるし、蒸気を吸収させます。その後、通気性のよい場所で干しておくと、蒸気と一緒にいやなにおいをとばすことができます」(近藤さん)



A.液体の汚れには洗剤を直づけ

まずは洗濯表示をチェック。洗濯機洗い、手洗いができるマークがついていればご家庭でシミ抜きが可能です。紅茶やジュース、しょうゆなどの水溶性のシミは、ニット用の洗剤をシミに直接つけて、軽くもみ込んでから水で流すこと。(松延さん)



Q.「干しっぱなしにしてたらのびてしまった!」

A.スチームアイロンをあてて様子見

「ハンガーで干しっぱなしにしていると、首元が伸びてしまうことも。そんなときはスチームアイロンをあててみて。少しずつ縮んでいくはずなので、様子を見ながら、蒸気をあてれば完成です」(寺原さん)