そもそも洗うべき? 洗濯頻度は?
「洗わない」は生地を傷める原因
「すぐに洗わないといけないわけではありませんが、汗や汚れなどの雑菌が付着したままのデニムを放置すると生地を傷める原因になり逆効果です」(藤原さん)
「繊維のことを考えると洗濯するのがベスト。洗わずにいると不衛生なだけでなく繊維がもろくなり、破れやすくなります。2~3回はいて洗うくらいのペースでOKです」(中村祐一さん)。
色、風合いをキープする洗い方って?
洗剤、水温、摩擦に注意
「色落ちさせないためには、①洗剤②水温③摩擦の3つのポイントが重要。まず、洗剤は色落ちしにくい中性~弱酸性。そして、水温を上げないように水道から出る冷たいお水で洗うようにします。そして最後に摩擦に気をつけます。洗濯機でグルグル回すと色落ちしやすくなるので、洗濯オケなどに5〜10分程度つけて置くだけにして、すすぎもやさしく手洗いをするのがいちばん色落ちしにくい方法です。洗濯機を使う場合は“ドライ”や“ソフト”や“手洗い”といった摩擦が少ないコースを使いましょう」(中村祐一さん)。
ダメージ部分をキレイに保つには?
洗濯ネットとほつれ止めのW対策
「生地を傷めないように裏返しにしてたたみ、ネットに入れてから洗濯機へ。予防策としては“ほつれ止め液”が便利です。ダメージ部分の裏側から塗って、ほつれが広がらないように阻止。手芸店のほか、最近は100円ショップでも扱っています」(中村加奈子さん)
形くずれしない干し方って?
はいた形=筒状をキープ
「基本的には、はいた形で筒状になるように干すのがオススメ。その際裏返して干すと、乾きやすくなります。また、縮みを解消したい場合は、すそを上にしてとめて、ウエストを下にすると、重みで伸びやすいです」(中村祐一さん)
デニムの色移り対処法は?
専用ケアアイテムが頼りになる
〈左〉カラーランリムーバー 350円+税/ダイロンカラーセンター 〈右〉シャウト カラーキャッチャー(24シート) 950円+税(編集部調べ)/K-フラッグ
「洗濯槽の中でほかの衣類への色移りを防止するには“カラーキャッチャー”が便利。本当に色移りしません」(藤原さん)
「綿など、高温に耐えられる素材なら、弱アルカリ性の洗剤を60℃くらいの湯にとかし、色移りした部分をつけて中でゆらゆらゆらす。また、白いものであれば色移り用の漂白剤がオススメです」(中村祐一さん)
教えてくれたのは…
洗濯家 中村祐一さん
「洗濯王子」という愛称を持つプロの家庭洗濯家の中村さん。家業のクリーニング業を幼いころからそばで見て、プロの仕事を学んできたからこそ、家庭で最上級の洗濯をする知恵やアレンジ方法の知識も豊富。
ヴィンテージデニムアドバイザー 藤原 裕さん
「デニムが制服」と断言するほど、ヴィンテージデニムの愛好家として知られる藤原さん。古着コレクターからも愛されるアメリカンヴィンテージショップ「BerBerJin」のディレクターであり、デニムのプロ中のプロ。
スタイリスト 中村加奈子さん
さまざまなジャンルの女性誌で活躍する人気スタイリスト。デニムもはくたびに洗うほど、清潔好きかつ洗濯マニア。大量の洋服をとり扱うスタイリストならではの視点や情報はとにかく教えてほしいことばかり。
Photography_Koichi Sakata Composition&Text_Wakana Akiya, Mika Shirahige